ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団ブルックナー交響曲第8番の感想 2015年3月21日 兵庫芸文 |   kinuzabuの日々・・・

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兵庫県立芸術文化センターで、マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団のブルックナー8番を聴いてきた。

この人のブルックナーを聴くのは2回目。その時はきっちりした指揮をする人という印象を持った。


最初は私の好きなゆったりとしたテンポ。第1、2楽章は曲に体を任せることができた。純正ドイツのオケの骨太で重い音色。こんな管弦楽でブルックナーを聴ける幸せをかみしめていた。

曲の姿が整理されて、ヤノフスキらしいきっちりすっきりした指揮だった。

でも、第3楽章でそのきっちりしたところに違和感を持った。曲が整理されているというより、曲を解剖して絵本にして見せてくれているような感じがした。

例えば、第3楽章には何度もの繰り返しを経てカタストロフに至る過程があるけれど、ここに感情を熱くさせるような何かがあるように私は思っている。でも、熱くするより整理が優先されて、この音列はこうですね、分かりましたか?と教えを受けているような気がした。

一気に体の熱気が冷めてしまった。巨大なトラクターが固い土のかたまりを蹴散らしていくような第4楽章も私の体に熱は戻らなかった。

それにしても、オケは凄まじかった。爆発、大爆発、さらに大きな爆発。どこまでも爆発が大きくなっていく。これはたまらん。これまでいろんなオケを聴いてきたけれど、ここまで圧力を感じた体験はほとんどないと思う。


ということで、指揮には違和感があって合わないところもあったけど、オケのすさまじさに圧倒されてきた。ドイツですよ、ドイツ、やっぱりドイツはすごい。