ヴィヴァルディ歌劇《メッセニアの神託》の感想 2015年2月28日 神奈川県立音楽堂 |   kinuzabuの日々・・・

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はま子「みなさーん、こんにちわーーー」

ながわ「こんにちは。今日は、ビオンディ指揮エウローパ・ガランテの演奏で、ヴィヴァルディのオペラ《メッセニアの神託》の公演に来ています」

はま子「ふっるい建物やなー」

ながわ「会場は神奈川県立音楽堂です。《バヤゼット》の時も思いましたが、古い建物で、座席間隔も狭く窮屈ですね。でも、公演がめったにないバロックオペラを、スペシャルな陣容で上演してくれるのですから、ありがたいと思いましょう」

はま子「歌手は女の人ばっかじゃん。これでオペラになるの?」

ながわ「バロックオペラの時代にはカストラートという女性の声域まで歌えた人がいて、高い音域まで歌う男性役が出てくるのです。しかし、普通の男性では歌えないので、メゾソプラノの女性歌手を使うことがあります。」

はま子「男の人でも高い声で歌ってた人もいるで」

ながわ「カウンターテナーですね。でも、ビオンディはカウンターテナーよりメゾソプラノが歌う方がよいと考えているそうです」

はま子「で、今日の話は、どんなん?」

ながわ「私もよくわかっていません。なんか、女王の息子が、反逆して王位を奪った者から、王位を奪い返す話だそうです」

はま子「なに、そのアバウトすぎる筋は?」

ながわ「とにかく観てみましょう」



(2月28日の公演を観ました)



ながわ「いかがでしたか?」

はま子「ちびっこでまるっこい顔のおねーちゃんの歌がすごかったなー」

ながわ「ユリア・レージネヴァ!凄かったですね。声のはりと響きが素晴らしくて、緊張感が高く、ぶれることがない。技巧も超絶、大興奮でした。あんな歌を聴けるからオペラ通いが止められなくなるんです!アリアが二曲だけっていうのがホントもったいない」

はま子「あの歌が聴けただけでよかったわ、ホンマ。他の歌手はどうやってん?」

ながわ「ヴィヴィカ・ジュノーも正確で技巧も素晴らしかった。他の歌手もよくて、ハイレベルでまとまってました。まさに歌の饗宴という感じ」

はま子「でもさー、アリアが長いじゃん。ちょっと退屈したところもあったんだよね」

ながわ「ダカーポ・アリアは繰り返しますから長いですよね。でも、なんだか、いい歌唱かどうかを判別するリトマス試験紙みたいな感じがしました」

はま子「リトマス試験紙?」

ながわ「はい。歌唱がもう一つなら長くて退屈ですが、すばらしい歌唱だと、短く感じてまだまだ聴いていたいと感じるということかな、と」

はま子「ふーん、わからんでもないような。歌もよかったけど、オケの音もきれいだったよ」

ながわ「そうですね。さすがビオンディとその仲間たちです。弦の音は立っているし、チェンバロやキタローネがピリッと効いて、木管も美しかった。とくにホルン!すばらしい!」

はま子「舞台は日本の格好をさせてたな。あのまるっこいちびっこは忍者みたいやった」

ながわ「基本、男性役は和風、女性役はドレスでしたね。和風は女性歌手でも見た感じが男性らしくて結構いけてたと思います。動きもきびきびして、歌っているときの静とレチタティーヴォの動とでメリハリがありました」

はま子「簡単な舞台だったけど、結構似合ってたように思ったよ」

ながわ「そうですね。このぐらいでも十分楽しめました。実は、今回の舞台を見て、一昨年まで関西でヘンデルのオペラを上演していたVivava Operaの公演を思い出したんですよ。簡素な舞台で、歌の合間に歌手がささっと動く感じでした」

はま子「むっちゃいい公演だったよね」

ながわ「はい、簡素でしたが十分な舞台で、名歌手をそろえ、オケも名手が集まって、とても楽しめた公演でした。一番印象に残ったのは、レージネヴァの歌でした。圧倒的でした」

はま子「結局ストーリーはわからんかったわ」

ながわ「実は私もです。パンフに書かれていたあらすじを追うのもいいですが、歌そのものを楽しめばそれでいいのかなと思いました」

はま子「負け惜しみかいな」

ながわ「ごほん、確かに。でも、こんなすごい公演を体験してしまったら、また行きたくなってしまいますよね」

はま子「こんなんがあるんなら絶対行くわ。だからまたバロックオペラを観に行きましょーねー」

ながわ「観に行きましょうね」