昨日から今日にかけて夕張に関する見通しの暗い報道が相次ぎました。
財政破綻が公に騒がれ始める前から夕張の人口は徐々に減少していたのですが、ここ2.3年で一段と人口流出が進み、再建計画の2倍のペースで人口が減少しているというのです。
減少した人数は、
平成17年は347人、平成18年は637人、
今年度は8月までで275人ですが、通常は年度末の3月末の転出が最も多いとのことで、このままでは今年度の減少は700人を超えるのではないかといわれています。
夕張市の見解では、「教育・医療・福祉のサービス低下」が大きな理由と考えているようですが、それを改善できる材料が今の夕張市には備わっていないことも事実のようです。
市では再建のため多くの市職員を減らし一般職の給与を今年度から30%削減しましたが、残った職員の業務量超過などが士気の低下を招き、職員の流出も増加するという悪循環が続いています。
市のアンケートでは現在の職員の約4割が年度内の退職を検討、9割もの職員が近い将来の退職を考えているという結果が出たそうです。
昨日の番組では、とある30代で妻子持ちの市職員の月給が13万、残業は毎日山ほどこなしているが残業代が払われる見込みは不明とのことでした。
市によると「残業代はそのうち払うがその資金は退職した職員の給与が浮いた分をあてるつもり」と新しい財源は設けずいわゆる自転車操業で切り抜けるつもりのようです。
現在夕張市職員の時間外手当は給与の2.5%以内という他の自治体では考えられない低い水準です。
(前出の方の場合は13万×2.5%=3250円になります)
それでも払えないんですからひどいものですね。
人員の補充は行わないので、当然その辞めた人の仕事が残った人に覆いかぶさるわけですし、退職金が2年後には現在の半分になるので今辞めたほうが金銭的には有利なるのも退職者が増える理由のようです。
市職員が住民のために少しでも貢献するのは当然の義務ですが、
限度を考える必要もあるのかもしれないですね。
そして今日、住民の不安を招く大きな問題がひとつ表面化しました。
夕張市に2台ある救急車が老朽化のため買い替えが必要となり、
今日、夕張の藤倉市長が北海道知事に援助を求めたというものです。
実際これまでにも患者の搬送途中で故障したり、車両の修理・点検中は消防署の救急車ではない別の車両で搬送を行った事もあるとのことでした。
住民から見ればこれほど不安なことはないですよね。
何故もっと早くに言わなかったのか疑問です。
知事側の回答にも時間がかかりそうですし、
どこか道外の企業や団体に働きかけたほうがよかったような気もします。
他にも現在市内に7校ある小学校を1校にする計画などもあり
まだまだ苦難の道は続きそうですね。
2025年まで、あと18年もある夕張再建計画ですが、早く市民が安心して暮らせる状態に戻ってほしいものです。