魂のテノール歌手「新垣勉おしゃべりコンサート」 | おいけ家金魚のblog

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本日流山市文化会館にて、新垣勉さんのコンサート。チケット完売の大入満員でした。

パンフに書かれた彼の壮絶なる生い立ちを 見て、今この会場で、観客を笑わせながら

魂のこもった歌声を届けている彼が存在していることが、奇跡のように思えました。


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流山には、障害をお持ちの方が約4000名ほどいらっしゃるそうで、

それらの方々の自立をサポートするNPO法人「自立サポートネット流山」 が、

今回このコンサートを企画・主催されたそうです。


恥ずかしながら、このような組織があることを知らずにおりました。


主催者さんの最初の挨拶、
ご自身の息子さんが「進行性筋ジストロフィー」と言うご病気で、

お母様のほうが病気の重圧に負けそうになっても、

ご本人は、すこぶるポジティブに、明るくたくましく育ち、

逆に勇気つけられる日々である、と言うお話から、

まず感銘を受けました。

やがてコンサートの幕が開き、新垣さんの歌声が場内に響き渡ると、

全盲と言う障害をかかえつつ、こんなに素晴らしい音楽で、

多くの人々を魅了していらっしゃる姿に、

ヒトが誰かのために才能を生かすこと、そのために魂を込め、

生きる力を漲らすことの尊さを学びました。


ワタクシ、ずっと、涙腺がゆるみっぱなしでした。

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最近膝を痛めて、なかなか完治しないことへの苛立ちとか、

憂鬱な時も多かったのですが、なんともこれくらいのことで、

ヘロヘロしている自分が情けなくなります。

日ごろ意識していなかった、階段の上り下りや歩行困難であることのつらさ・・・

などが少し解るってことは、そういう痛みを持った方々の心情が

ちょっとでも感じ取れるというチャンスをいただけたのだと思えて参りました。



最後に理事長さんのご挨拶があって、
「皆さんのご家族には障害者がいらっしゃらなくとも、ご親戚やご近所さんを見渡せば、

必ずどこかにいらっしゃいますよね。あるいは、ご自分だって近い将来、

そうなられるかもしれません。今のご自分ができることがあったらぜひ、お力を・・・」

というようなお話をされてましたが、
それを伺っていて、いろいろと私も思い出すことがありました。

生まれ育った家のお隣の健ちゃんと裕子ちゃんと言う兄妹のことがまず浮かんできました。
どちらも進行性筋ジストロフィーで、ウチの母や祖母が、あたりまえのように面倒を見てました。

銭湯に一緒に連れて行って、お風呂にも入れてました。
二人とも、残念ながらハタチになる前に他界してしまいましたが、

私も自分の妹や弟のようにつきあってました。

あの頃は、隣近所は、みな家族でしたからねぇ。

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少し視野を広げて、周囲にいらっしゃる方々に、何かお役に立てることがあったら、

進んでやってみたい・・・と、コンサートが終わる頃に素直に思えた私でした。

こんな素敵なコンサートに足を運ぶきっかけをくださった小川耕筰さんや、

流山おやこ劇場の皆さんに感謝したいと思います。