今日の自立課題学習2 どこまでがんばらせるのか | kingstone page(旧)

今日の自立課題学習2 どこまでがんばらせるのか

 大昔の話です。

 知的障害特別支援学校にいた頃。


 今日はまた歌って踊る授業があったのですが、H君の担任から、
「もう今日は最初から別の授業でやって欲しい」という申し入れ。
生活が安定すれば楽しめるかも、ということも話し合いましたが、
まあ今日のところは別授業でやろうとまとまりました。

 今日は風邪で欠席が多かったので、1対1ができました。

 「机」カードだと「勉強します」の合図になるので、今回は
ゴールドカード(私の教室を示す)を渡しました。すると彼は
またピューッと走って行きます。でちゃんと教室に入りました。

 ふーむ、ゴールドカードの意味は教えたことが無いから
「kingstoneからカードを渡されたらkingstoneの教室」と
思っているかもしれない・・・

 さて彼が本を読んだりして休憩している間に教材をセット。

 1セッション目。最初少し手をとったと思うけど、すっと
イスに座り教材を始めます。

 2セッション目。カードを渡すと机と逆方向に走ろうとする
のを体でブロックすると机に行って立ったまま教材を始めよう
とします。そこで指さしし、小さな声で「すわって」と言うと
すっとすわってやりました。

 3セッション目。カードを渡すと「いやだ」とはっきり言い
ます。そして私の方を見ながら教室の反対側の床に寝ころび
ました。うむむむむ・・・

 そばに寄り、カードを見せます。動こうとはしません。
小さな声で声かけをしたりとかいろいろしましたが動きません。

 しかたないかな、と両手を持って立たせ抱くようにして
黙って机の方へ。うーむ・・・○○、○○(高名なお医者様の名)
と唱えてもやっぱり力を使ってしまう・・・。その時彼は
「あほやなあ」と繰り返します。彼が失敗したとか思った時(?)
に言う言葉です。私は強く「H君はかしこいなあ」と繰り返しまし
た。

 机のところまで来るとちゃんとやりました。

 この3セッション目の前だったか後だったか。彼が私の側
に寄ってきていろんなことを言ってくれます。私もそれに
応えます。「ライオン、ガオー」と言ってきた時はそのまま
「ライオン、ガオー」と言いながら手を広げて彼を抱きしめ
にいったりしました。彼も笑って嬉しそう。そんなやりとりを
いろいろやりました。

 1対1だとすごく余裕があるから、こんなことも臨機応変に
やることができます。

 第4セッション。机カードを渡すと何もふれることなく
すっと机の所に行き、座り、教材をやりきり終わることが
できました。声かけもひとつもありません。

 ほんと彼、よくがんばったなあ、と思います。

 昨年の夏のセミナーである子に関わっていた時、ディビッドに
「kingstone、あの子をあんまり追い詰めちゃいけないよ。彼、
 すごくストレスが高まってきてるよ」と言われたのも思い出します。

自閉症のお子さんとのやりとりに感動した話

 どこまでがんばらせるか、どこで引くか、いろいろ考えないと
いけないよな。
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追記
 うーん、ディビッドにそんなこと言われてたんだ。
 ってことは、私は「追いつめる」傾向があった、ということだな。
 このブログにもよく出てくるもんな。
 そこんとこは真似しないほうがいいと思います。

私の大失敗

でも○○さんから「物理的に押す引っ張るではなく、いろいろやってみる」
旨のことを言われてます。

 「あほやなあ」については、特別支援学校でも家でも言われてなかったよう
です。通常校時代に何かあったのだな、と思われます。