4日目を迎えたツール・ド・フローレス。
大会は後半戦へと突入しました。
ここまで日々好リザルトを残しているKINAN Cycling Teamですが、いよいよここでリーダージャージを手にすることとなりました!
トマ・ルバ選手の快走で個人総合の首位に。
レース詳細をお届けします。
以下のレポート、写真につきましては、チームが配信するメディアリリースと同じ内容となります。
ポディウムでリーダージャージに袖を通したトマ・ルバ
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ツール・ド・フローレス第4ステージでトマ・ルバが総合首位浮上
満を持してリーダージャージに袖を通す
17th July 2017
●ツール・ド・フローレス(Tour de Flores, UCI Asia Tour 2.2)
第4ステージ ナゲケオ~ボロン 170.9km
●出場選手
ジャイ・クロフォード
KINAN Cycling Teamが出場しているツール・ド・フローレスは7月17日、第4ステージを行った。
個人総合3位につけていたトマ・ルバが中盤の2級山岳でメイン集団からアタック。
レース前半に形成された逃げグループで走っていた中西健児のアシストを受けつつ、終盤は単独で先行していた選手たちを猛追。
3選手の先着こそ許したものの、4位でフィニッシュ。前日までの総合上位2選手が大きく遅れたこともあり、このス
テージを終えて個人総合首位に立った。
フローレス島での戦いは後半戦に突入。
この日はナゲケオからボロンまでの170.9km。
今大会の最長ステージであると同時に、序盤・中盤・終盤とそれぞれ控えるカテゴリー山岳が選手たちをふるいにかけることが予想された。
KINAN Cycling Teamは第3ステージまでを終えて、トマが個人総合3位。
ジャイ・クロフォードが同5位、山本元喜が同7位につける。
また、チーム総合で首位に立つほか、阿曽圭佑が山岳賞でトップになっており、ここまで順当にチーム力を発揮。
迎える第4ステージは、総合上位につける3選手の順位アップを重視。
阿曽と中西がレース後半のアシストに備えて、逃げグループに入っての「前待ち」ができるかがポイントとなった。
山岳賞ジャージ着用者としてスタート最前列に並んだ阿曽圭佑
そして、その狙い通りにレースは進む。
しばらくは出入りの激しい状況が続いたが、スタートから約20km進んだところで形成された逃げグループに中西が加わった。
ここで中西に課されたミッションは、阿曽の山岳賞キープを狙ってライバルに高ポイントを譲らないことと、レース後半で総合上位につける3選手またはいずれかが後方から合流した際のアシスト。
そのため、基本的には先頭交代のローテーションには入らず、重要な局面を押さえることに徹した。
メイン集団は、中西らの逃げグループとの差を約8分まで容認したが、その後は阿曽を中心にペースアップ。
リーダージャージを着用するニック・ミラー選手(ニュージーランド、フテュロプロサイクリング)がアシストを失ったことで、自らアタックするシーンも見られ、少しずつ逃げグループとの差は縮まっていく。
そうした中でアタックを成功させたのがトマ。もう1選手ともに、中西らのグループを目指して追走を開始した。
後方の状況を知り、意図的に逃げグループから遅れた中西に、トマが合流したのは2級山岳頂上を越えてからの下り。
そこからは中西が主に牽引する形で、3人が先を急いだ。
この日最後の山岳に入る頃にはミラー選手とは3分以上の開きとなっていたが、さらにリードを得るべく中西とトマは攻めの姿勢を貫く。
その後の下りで中西が落車してしまうが、以降はトマが自らペースを上げてフィニッシュまでの約20kmを力走。
しばし協調していた選手を引き離し終盤を独走したトマ。
逃げでレースを展開した3選手の先着こそ許したが、トップから56秒差でフィニッシュラインを通過した。
ステージ4位でフィニッシュしたトマ・ルバ
トマを送り出したメイン集団では、山本がパンクで一時後方へと下がるが、車輪を換えて集団へと復帰。
その後ジャイと山本が前を目指して飛び出す。
やがてジャイは後方へと下がったものの、山本は他選手とともに順位を上げていき、8位でステージを終えた。
山本元喜はステージ8位。個人総合でも6位に順位を上げた
これらを受けて、個人総合でトマが首位に浮上。
チームとして虎視眈々と狙ってきたリーダージャージだったが、大会4日目にしていよいよ手に入れることとなった。
2位とは4分59秒差としている。
また、ステージ上位をしっかりと確保し続けている山本も、個人総合で6位につける。
阿曽の山岳賞こそ手放す形となったが、チーム総合ではトップをキープしており、この先の戦いに向けて視界は良好だ。
ジャージに袖を通した4選手が記念撮影
18日に行われる第5ステージは、ボロンからルテンまでの55.5km。
今大会の最短ステージだが、海抜25mから1240mまで33kmで一気に駆け上がるヒルクライム。
その後一度下るが、再び上ってその先のフィニッシュを目指す。
登坂力のある選手だけが勝負に絡むことができるだろう。
KINAN Cycling Teamとしては、トマのジャージキープを最大のテーマに臨むこととなる。
ツール・ド・フローレス第4ステージ(170.9km)結果
1 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) 4時間47分29秒
2 ダニエル・ホワイトハウス(イギリス、CCNサイクリングチーム) +0秒
3 サミュエル・ヴォルカーズ(オーストラリア、CCNサイクリングチーム) +53秒
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +56秒
5 チュー・ホサン(香港、HKSIプロサイクリングチーム) +1分5秒
6 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +2分9秒
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) +6分51秒
28 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +13分18秒
32 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +13分45秒
38 中西健児(KINAN Cycling Team) +15分58秒
●個人総合時間賞
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 14時間30分26秒
2 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +4分59秒
3 ムハンマイマム・アルフィン(インドネシア、KFCサイクリングチーム) +6分36秒
4 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) +8分7秒
5 ニック・ミラー(ニュージーランド、フテュロプロサイクリング) +9分1秒
6 山本元喜(KINAN Cycling Team) +10分17秒
11 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +14分1秒
29 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +29分29秒
32 中西健児(KINAN Cycling Team) +32分37秒
●スプリント賞
1 チョ・ヒョンミン(韓国、グムサンインサム・チェロ) 13pts
4 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) 6pts
●山岳賞
1 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ) 20pts
2 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) 18pts
5 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
15 中西健児(KINAN Cycling Team) 2pts
●チーム総合時間賞
1 KINAN Cycling Team 43時間55分13秒
■選手コメント
・阿曽圭佑
「前半は脚が回らない感覚だったが、次第によくなってきて、集団の人数が絞られていく中でも走ることができていたので、調子はそう悪くないと思う。
山岳賞ジャージは失ったが、チームとして何を目指しているのかを考えて、目的を絞っていかないといけない。明日以降はリーダーチームとしての仕事に力を注いでいきたい」
他チームの選手と並んでフィニッシュを目指す阿曽圭佑
・中西健児
「スタート直後の上り区間やダート区間で集団に激しい動きがあって、その後ペースが落ち着いたところでアタックに反応してみたら逃げに入ることができた。それからはローテーションには加わらず、後ろに控える選手たちが動くときに備えていた。
トマがアタックしたという情報が入った段階で、逃げグループからは離れてトマの合流を待った。トマが合流してからは、4級山岳の上りまで3選手で回ってリードを広げることに努めた。
落車は深いコーナーをオーバースピードで突っ込んでしまったのが原因。少し冷静さを欠いていたかもしれない」
出走サインをする中西健児
・トマ・ルバ
「レース展開としては昨日と似たようなところがあったが、昨日は細かいミスがあったので、今日はそれがないよう心がけた。その甲斐あって、リーダージャージを手にすることができたと思っている。この大会でチームは強さを発揮できている。しっかり働ければよい結果が舞い込んでくる。毎日それぞれの役割を果たしているから、明日からもこの強いチームでジャージを守り続けたい」
プレスカンファレンスでレースの感想を述べたトマ・ルバ
【Gallery】
阿曽圭佑は2日連続の山岳賞ジャージでの出走
出走サインをするジャイ・クロフォード
出走サインをするトマ・ルバ
出走サインをする山本元喜
出走サインをする阿曽圭佑
スタート前は他チームの選手やスタッフと情報交換の場でもある
スタートを前に気持ちを高める山本元喜と中西健児
序列を示すステッカーをチームカーに貼り付ける石田哲也監督
選手たちがスタート前、レース中、レース後と必ず補給する「アスリチューン」
フィニッシュへ向かうジャイ・クロフォード
歓声に手を振る中西健児
下りで落車した中西健児。至るところに擦過傷が見られる
脚にも傷を負った
傷の手当てを受ける中西健児
個人総合で首位に立ったトマ・ルバは関係者と記念撮影
Report, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
Photos: KINAN Cycling Team, Syunsuke FUKUMITSU