[堤未果氏]TPPで日本の医療崩壊② ~”医産複合体”が狙う100兆円市場 TPPで一番怖いISD条項~
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=100137
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国民皆保険が骨抜きにされ、医産複合体に100兆円を収奪されていくカラクリがよく分かります。
TPPで一番怖いと言われているISD条項も出てきます。
20151017 堤未果氏 TPPで日本の医療崩壊 ②
転載元より文字起こし) YouTube 15/10/17
https://www.youtube.com/watch?v=kipg1FiRrbs&list=PLgFfY1-91NM3-LS7c7LkR5zf3nzI17RCt
https://www.youtube.com/watch?v=kipg1FiRrbs&list=PLgFfY1-91NM3-LS7c7LkR5zf3nzI17RCt
司会:
「アメリカの場合は、夫・自営業30歳、奥さん・専業主婦、長女が5歳だとすると、(保険料が)大体月々15万くらい。」
堤未果:
「そこそこの良い保険となると、月々15万払わなきゃいけない。ただ、これは1年間何も病気、ケガしなかった場合は、毎月15万。怪我しちゃうと、自己負担が200万、300万。」
司会:
「日本の場合は、マックスでも月々8万ということですから。だから、これTPPで日本もこういうふうになると、ウエスト君もヒット曲出して印税もらって、貯金しとかんと…病院いけないという事態になってしまうわけですから。」
司会:
「まず、アメリカの医療現場でございますけど、診察室ではこういうやり取りがあります。こちら。」
司会:
「患者が、『胸が苦しいんです』と、病院に行きます。すると先生は、『あなたはどこの保険に入ってますか?保険内容に沿って治療内容を決めましょう。』という返答をするわけでしょう?」
堤未果:
「日本だったら、まず診察室入ったら、どうされましたか?って聞かれるじゃないですか。でもアメリカの場合は、どこの保険会社ですか?って聞くんです。なんでかって言うと、みんなひとりひとり保険が違うから、下手に治療しちゃって、保険でカバーできない分、払えなかったら、病院が払わなきゃいけない。」
司会:
「病院が赤字になるから。だから、患者に治療するのはいいけど、その治療費を患者が払ってくれたらいいけど、払われへん場合は全部病院負担だから、赤字になるから、あなたはどこの保険ですか?ということで、そこの保険に入ってるところが持ってるお金によって、治療が変わる。」
堤未果:
「そうです。」
海原ともこ:
「思ってる治療はしてもらえないということですよね?」
堤未果:
「お医者さんがしたくても、保険会社がここまでしかできません。」
宮崎哲弥:
「逆に言うと、治療内容を決めるのは、お医者さんでもなく、患者さんでもなく、保険会社なんです。保険会社は経済原則に従ってやるから、十分な医療というのは、施されない可能性がある。」
司会:
「アメリカが日本の医療制度を狙ってるんですけど、こちら、医産複合体の製薬会社と、医療保険会社が、日本の医療制度を狙っている。ということなんですけど、どういうことなんでしょうか。」
堤未果:
「日本の医療をアメリカのようにビジネス型にすれば、ものすごく儲かると。だからもう、欲しくてしょうがないんです。だからもうずーっと何十年も前からその要求をアメリカは日本にしてきた。」
司会:
「アメリカのルールを日本にもやってもらおうということなんですけど、日本の医療をどのように変えたいか、こちら。」
司会:
「現在日本は、薬の価格を国が決めています。アメリカの高い薬と、民間保険は売れないという状況ですけど、これがTPPによって自由化します。このようになります。製薬会社が、薬の価格に口を出します。CM前にも言ったように、エイズの薬の値段が跳ね上がったのは、製薬会社が価格に口を出したりだとか、会議に参加するからですよね。製薬会社が薬の価格に口を出すと、薬が今よりも高くなります。高くなるとやっぱり不安じゃないですか。不安になると、民間の保険に入っとくかってなりますよね。今までの普通の日本の皆保険じゃなくて、もう一個ちゃんとしたいろんなことに適応できる保険に入っていると、高い薬も買えるから。それに入ってなかったら高い薬買えないから。それで、民間の保険が売れます。新薬と民間保険で、アメリカは、日本は100兆円市場のビジネスになると思っているということなんですね。」
堤未果:
「めちゃめちゃ儲かるんですね。TPPのルールというのは、日本の法律よりも上にあるので、この薬の価格を自由化しろというのがTPPで合意しちゃうと、日本は法律を変えなければいけなくなる。これはだた、ちょっとずるいんですけどね、アメリカという国に関しては、TPPとかFTAよりも、アメリカの法律のほうが上なんです。すごい不平等なんです。」
司会:
「そうなんですか!?」
堤未果:
「そうなんです。」
司会:
「アメリカの法律の下に、TPPとか…」
堤未果:
「国際条約のいろんなものが、(アメリカの)法律の下に来てるんです。」
司会:
「アメリカのルールの元、各国いろんな国にアメリカのルールを使用していきたいということなんですね。」
堤未果:
「そうです。」
司会:
「そしてTPP合意したら保険はどうなるか。こちら。」
「現在日本は、製薬会社が決める薬の値段が10,000円なら、3割負担だから、国が7,000円払ってくれます。いい国ですよね、日本という国は。ほんとありがたい。我々は3,000円払います。」
「TPP後、製薬会社(の決める薬の値段が)が100,000円だったら、国民は100,000円払わなければいけないから…」
堤未果:
「最悪の場合ですね、これ。今は日本政府が、薬の価格をだんだん安くしてくれてるので、10,000円で買いましょう。じゃあ、国民は3,000円となってるんですけど、TPPでこれがもし全部自由化されてしまったら、元々10万円なんだから10万円で買えと言われて、そうすると70,000円も国民健康保険で払えないから、薬は保険が効かなくなる可能性がある。そしたら、10万円になる。」
司会:
「だから民間の保険に入って行こうということになるんですよ。」
堤未果:
「そうすればアメリカの民間の保険も売れます。」
司会:
「TPPで企業が入ってくると、国が負担できなくなって、国民皆保険も効力を失うんですけれども、じゃあそれ、嫌って言ったらいいやんって思うでしょう。そうはいかないんですね。ISD条項というのがあるんですね。こちら。」
「相手国に投資した企業が、相手国によって損害を被った場合、相手国を提訴することができる。」
堤未果:
「これ、TPPで一番怖い条項と言われてます。」
司会:
「締結した場合、日本の医療を自由化したいアメリカ企業が、日本政府が国民のために、薬の値段や自己負担や保険料を安くしているのは、フェアな競争を邪魔していると訴えられるんですよ。」
薬丸裕英:
「でもこういうことって日本政府もわかってるわけですよね。」
堤未果:
「わかってますね。」
薬丸裕英:
「大筋合意していいことじゃないですよね。」
司会:
「だから、訴えてくるから、日本もどこかに訴えるでしょう。これは流石にきついと。国際投資紛争解決センターに訴えます。こちら。」
「国際投資紛争解決センターに、例えば日本が訴えます。日本政府対アメリカ企業なんですけど…」
堤未果:
「この裁判は、3人の裁判員が判決を出すんです。一人は、訴えられた国が出す。もう一人は訴えた企業側が弁護士を出すと。三人目は一番重要です。三人目は国際投資紛争解決センターって世界銀行の傘下なので、世界銀行のトップ、世界銀行の総裁が決めると。」
海原ともこ:
「言ってもダメですね。」
司会:
「だから、日本が一人、アメリカの企業が一人、世界銀行総裁が一人。これ、ほぼアメリカ。」
堤未果:
「アメリカ有利なんですよ。だからアメリカ政府ってISD裁判負けたことないんです。」
文字起こし:hiropan
③へつづく