1月30日の各紙が小さく書いていた。
金融庁は自賠責保険料を25年度と同じ金額に据え置くことを決めたと。
これだけを読む一般読者は、政府もたまにはいいことをすると思うかもしれない。
しかしそれは大きな勘違いだ。
自賠責保険料はむしろ引下げられなければいけないぐらいなのだ。
私がこの自賠責保険料のいかさまぶりを初めて指摘したのは1年前だった。
すなわち2013年1月14日の日経新聞経済面の「風速計」というコラムを引用して、これは驚くべき税金の流用だ、国家的詐欺だと次のように書いた。
自動車事故が増えて積み立て金が足らなくなったと言う理由で強制的に引き上げられる保険料。
しかしその積立金がなんと財務省によって一般会計の赤字穴埋に使われていたというのだ。
国交省はその返却をいくら求めても返してもらえないというのだ。
これは国家的詐欺だ。
保険料を苗げする前に過去の積立金を取り戻すのが先だと。
この私の指摘に触発されたかどうかはわからないが、その後いくつかの週刊誌がこの問題を怒りとともに取り上げ、国民の広く知るところとなった。
これで政府もなんらかの対応策を打たざるを得ないだろう。
そう私は期待したのだが、まったく何も動かずにその年の4月に保険料は平均13.5%ほど引き上げられた。
それから1年近くたち、さすがに今度は保険料は据え置かれたが、6000億円は流用されたままだという。
1月29日の産経新聞が書いていた。
6000億円の貸付金(流用された積立金)がいまだ返済されないまま、国交省(運輸省)と財務省の、返せ、返さない、のバトルが続いていると。
まだこんな事をやっているのかと驚き、あきれる。
民主党政権の3年間が何もできずに官僚の言うままであったことはわかる。
しかしそのダメ民主党のおかげで国民的支持を得て登場した安倍自民党政権でさえこんなバカげたことを放置してきたのだ。
国民は取られっぱなしである。
官僚の反国民的政策を変えられないような政権は、どんな政権になっても国民のためにならないということである。
国民は怒らなければウソだ(了)