「消費」読書と、「生産」読書。 | 三茶農園/きむらさとる

三茶農園/きむらさとる

 気付きの共有。コミュニケーション、演出表現について、まちづくり。渋谷とか静岡。

読書には、オフの時間にゆったりと時間を使って創造性を深める「消費読書」と、受験やビジネスのように限られた時間の中で成果を出すことを目的とした「生産読書」がある。成果を出すときに重要なのは、許容範囲のクオリティで期限までに全体を完成させる「生産読書」だ。
そもそも調べものをしていて、30分ほどしてわからないことは、そのあと5時間費やしてもわからないものだ。棚上げ法であれば、すぐにはわからないことを後回しにして、できることからどんどん進む。
全体把握をまず念頭におくべきで、わからないことや未達成なことがあっても一気に進むことが大事です。特に資格試験などでは。これを「不完全法」「棚上げ法」 と命名されているのだが、ネーミングが悪いです。w

  • 全体把握するために、ドンドン先へ進む。
  • 完璧にぜんぶ読もうとしない。
  • すぐわからないことは後回しにして、いったんは最後まで向かう。
  • なんとなくゴールを把握したら、最初に立ち戻ってそこから穴を埋めていく。
  • はじめは虫食い状態だった論文や企画書でも、いつのまにか内容が充実していく。

    完璧主義を捨て、まず全体を把握しろ、が正しいです。不完全のまま進めたり棚上げしたりすることをオススメしているわけではなく。
    推理小説の読み方を例にとってみる。まず最初にページを開くのはあとがき、解説である。著者、作品、画期的なトリックなどがどのような位置付けにあるのかをおおよそ知ることができる。次に、名探偵による解決シーンを読み、犯人と動機、犯行のトリックを知る。

    最後に、前から順に読んでいけば重要なシーンを漏らすことなく、飛ばし読みすることができるのだ。邪道といえば邪道だが、これが読書を消費ではなく、知的生産へとつなげる具体的な手法である。
    登りたい山の高さを知ってから登るか、ゴールもわからず一歩一歩登っていくかは、モチベーションに大きな違いがでるので、読み飛ばしでいいからいったん最後まで読んだり、あとがきから読んだり、過去問をとことん解いてみることが、資格試験や入社したての若手の知的生産学習にはたいへん良いと思います。