最近、(案件によってだと思うが)外国、特にアメリカには出願するが日本には出願しない日本企業があると聞いた。
長年、年間約40万件で安定推移していた日本の特許出願件数も急速に減少傾向にあるらしい。
こうしたことで、国内特許事務所は危機感を持っており、コンサルティング業務など新規事業の開拓に力を入れているところもある。
しかし知財管理2009年11月号の「特許事務所活用の現状とこれから」によると、企業側としては、伝統的な業務以外の業務は、ほとんど特許事務所に期待していないようである。
企業が特許事務所と新規に取引をするのは既存の事務所に不満を感じた場合が最も多く、今後の事務所数を「現状維持」または「減少させたい」と考えている企業が90%を占めているとのこと。したがって「特許事務所にとって新規参入は決して容易ではない」。
同論文は、企業の知的財産部、特許事務所に対するアンケート結果の分析と、それに基づく提言である。執筆者は企業側だが、「企業の短期的なコスト管理の都合で一律の料金引き下げを行うことは、事務所料金の『安売り競争』を助長し、事務所の体力の疲弊から業務品質の低下につながることとなり、長期的には企業側にも悪影響を及ぼすことになる。」など、中立で建設的な提言をしている。