知財弁護士の本棚

企業法務を専門とする弁護士です(登録22年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。

info@kimuralaw.jp   牛鳴坂法律事務所 弁護士 木村耕太郎

弁護士 木村耕太郎のブログ

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(知的財産)

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企業における知的財産管理  

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(英文契約と国際取引)

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国際税務の学び方  

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ある名誉毀損事件の判決に思う

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社会人のための法科大学院




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 2泊3日でウラジオストクへのツアーに参加しました。弁理士の黒瀬先生(理科大の講師つながり)のご紹介で、現地の法律事務所が主催する知財セミナーに参加したり、裁判傍聴をしてきたりしました。

 

 人口約60万人、成田から直行便で2時間。街並みはヨーロッパそのものです。

 

 ロシアの知財訴訟の話はいずれ書きたいのですが、今日はロシア語について。

 

 今回、ロシア語を勉強するつもりはなかったのですが、誘惑には勝てず?結局2週間ほど勉強してみました。

 

 ロシア語の特徴は、まず「キリル文字」を使うことです。しかしこれを覚えるのは大したことはなく、今年の初めに勉強したミャンマー語の文字の修得にくらべるとはるかに楽でした。

 

 ロシア語の難しいのは、名詞や形容詞が格変化することです。ドイツ語だと冠詞が格変化しますが(格は4種類)、ロシア語は冠詞がない代わりに名詞そのものが格変化します(格は6種類)。代名詞だけでなく、普通名詞、固有名詞さえ(!)変化します。これがロシア語が難しいとされる所以でしょう。2週間くらいでは基礎の基礎しかできません。

 

 以前にポーランド人(日本語ペラペラ)に聞いた話では、固有名詞が格変化するのはポーランド語も同様だそうです。

 

 もっとも、文法の複雑さというのは私は気にならないタイプです。よくインドネシア語は簡単と言われますが、文法がシンプルなことは、初めのとっかかりのハードルが低いとは言えても、実用レベルまで修得するためにはどの言語も表現や語彙をたくさん覚える必要があり、言語による難易度の差はあまりないように思います。インドネシア語は簡単という人は外国語を勉強したことがないのかなーと思ってしまいます。

 

 ただしミャンマー語については、口語体と文語体があるそうで、口語体(発音とつづりが一致する)だけなら頑張ればある程度修得できそうなのですが、文語体(発音とつづりが一致しない。一般の新聞、雑誌でも文語体が多く使われる)は外国人には難しそうです。何より、ミャンマー語は学習向けの辞書がなく、中級向けの教科書もないなど教材が少ないのが難点です。それに比べるとロシア語の学習環境ははるかに恵まれています。

 

 

 

 

 

 

 

  

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 先月(2016年7月)発売されたLaw & Technology 別冊「知的財産紛争の最前線 №2」 に、「営業秘密の著名侵害事例からみた不正競争防止法改正の経緯と今後の課題」と題する論説を寄稿しました。


 営業秘密侵害の著名な事例(裁判事例とは限らない)を題材に不正競争防止法の立法上の様々な論点を考えるというもので、判例よりも、新聞記事と審議会資料に主に依拠して執筆しました。法律論文としては特徴があると思います。内容はマニアックかもしれませんが、読み物として面白いように、分かりやすく書いたつもりです。


 「どうして誰も言わないのかな」と日頃から疑問に思っていたこと(新日鉄事件は提訴時に既に時効にかかっていたはず、など)を、率直に書かせていただきました。


 裁判所と弁護士会の意見交換会の記事も貴重ですので、ぜひお買い求めください。

 

 以下に、私の記事の見出しを紹介します。


1 はじめに


2 デンソー事件

(1)事案の概要

(2)取得行為の可罰化

(3)目的要件の緩和

(4)営業秘密管理の取組みへの影響


3 新日鉄事件

(1)事案の概要

(2)時効と除斥期間

(3)国際裁判管轄および準拠法

(4)推定規定の導入

(5)目的要件

(6)本件の意義


4 東芝事件

(1)事案の概要

(2)本件の意義


5 おわりに

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 意匠権侵害における「物品の類似」についての先例として有名な大坂高裁昭和56年9月28日決定(薬品保管庫事件)は、「物品の用途と機能が同じものは同一物品であり、用途が同一であるが機能に相違のあるものは類似物品である」との判示のみが有名になってしまっている。


 しかし判例の文言は具体的な事案においてどういう文脈で書かれたかを読まないと意味がない。


抗告人は、本件意匠の実施品は科学機器、試薬関連会社を通じてのみ市場に供給されるものであつて理科機器関係業界がその分野であるのに反し、・・・公知意匠Ⅰ・・・、公知意匠Ⅲ・・・公知意匠Ⅳ・・・にかかる各物品は工具ないしは事務機器関係業界がその分野であつて、本件意匠の実施品とは供給される市場を異にし、従つて同一又は類似の物品ではないから、本件意匠の類似範囲を定めるについて右各公知意匠は参酌すべきではないと主張するが、物品の類否の判断は物品の用途と機能を基準としてすべきであつて抗告人主張の如く物品の供給される市場が同一であるか否かは右判断の基準となり得ないものと解される。そして物品の用途と機能が同じものは同一物品であり、用途が同一であるが機能に相違のあるものは類似物品であると解するのが相当である。本件についてみるに、本件意匠の実施品及び公知意匠Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ、の対象物品は何れも比較的小型の物品を収納し保管することに用いられるものであつて用途を共通にするものと云うことができ、ただ収納する品物が異る点で機能を異にするに過ぎないから、本件意匠の実施品と各公知意匠の対象物品とは類似物品であると云うべきである。」


 「何れも比較的小型の物品を収納し保管することに用いられるもの」であることを「用途」が共通であるという、このおかしな日本語の使い方は、いかがなものであろうか。「収納する品物が異る点で機能を異にする」というが、「用途」と「機能」が普通の日本語と逆である。


 この「用途」「機能」という表現は後の裁判例でも踏襲されているが、裁判官によって使われている意味が異なるようなので、注意が要る。


 例えば「遊技台の台間仕切り板」の意匠に関する大阪高裁平成25年10月10日判決は、次のように述べて、公知意匠を参酌しないとしている。


「乙2意匠及び乙6意匠は,いずれも個室的作業スペース(プライバシー)を維持しつつ作業者の移動の便宜を考慮するという用途と機能を有するものである(仕切り板前方下部の切欠きも,デスクより下に位置する。)といえる。これらに対し,本件意匠に係る物品である遊技機間の間仕切り板は,・・・全て透明な板を使用し,隣の遊技者の喫煙の煙や音声を抑制するとされているように,プライバシーの維持と反対に,むしろ見通しをよくし,かつ喫煙の煙や音声に考慮したものである。そうすると,上記公知意匠も本件意匠も,いずれも空間を仕切る板状のものとはいい得るものの,用途と機能において同一又は類似とは認められない。したがって,本件意匠の要部を検討する上で,公知意匠として乙2意匠,乙6意匠を参酌するのは相当でない。」

 この論点について、原審(大阪地裁平成25年3月7日判決)は、正反対の結論であり、結構難しい論点であることがわかる。



「そして,これら乙2意匠に係る物品及び乙6意匠に係る物品は,具体的な用途こそ,本件意匠に係る物品である遊技機間の間仕切り板とは異なるが,隣接する作業空間を物理的に間仕切る板状の物という点で用途及び機能を共通にしている。そのため,乙2意匠に係る物品及び乙6意匠に係る物品は,それぞれ本件意匠に係る物品と類似しており,本件意匠の要部及び類否判断において,乙2意匠及び乙6意匠を参酌すべきである。」


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