平成27年度(第62回)近畿・北陸・東海
三地区共催都市監査事務研修会の内容その3です。


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岐阜経済大学
石坂信一郎氏による話。


こちらはその2の話とうって変わって専門的?テクニカルな話でした。


ひらたくいうと制度が変わって、
公会計でもBS、PLなどを作って財務分析などに使っていこうという話です。





●はじめに。

発生主義を採用することで、
現金主義では見えにくい
減価償却費、退職手当引当金といったコスト情報の把握が可能。

複式簿記を採用することで、単式簿記では見えにくい
資産・負債といったストック情報の把握が可能となる。


発生主義だから優れているというわけではない、
キャッシュというのが確実なものなので、

現金主義でやっていた。


会計はアカウンティング。アカウンタビリティ(説明責任)



●地方公会計改革の経緯と背景
総務省はH26ね4月に今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書を公表。


H29年までの3年間で原則としてすべての地方公共団体で統一的な基準に基づく財務書類が作成されることとなった。

予算決算がなくなるわけではなく補完する形で。

H10年前後から進められてきた改革は
今後の財務書類の活用に大きな課題があるように思われる。



●従来の地方公会計における問題点

財務書類の比較可能性が確保できていなかった。

簡便法であった総務省改訂モデルは決算統計データから財務書類を作成するため、検証可能性が低いこと。


総務省改訂モデルは日々仕訳をしていないので事業別、施設別のセグメント分析等への活用性が乏しい。



日々仕訳は1711団体のうち、3団体(0.2%)
期末一括仕訳は255団体(15%)
決算統計のデータを活用しているのは1453団体(85%)


●統一的な地方公会計の基準の意義。
これまでの問題点を克服。
より良い説明責任(アカウンタビリティ)
財政マネジメントの強化・・予算編成、資産や負債の管理、行政評価等に財務書類を有効活用できる

なぜ「統一的」なのかというと、今まで複数の財務書類の作成基準があったから。
(基準モデル、総務省改訂モデル、東京都/大阪府モデル)

団体比較が可能になる。






人材をどう育成するか
標準的なソフトウェアが配布されたがいろんな問題があるようにうかがっている。
大きな自治体はお金をかけて改修できるが。


・貸借対照表(BS)
・・・財源がどう調達されているか

・行政コスト計算書(PL)
・・・税収が入っていない。手数料使用量(受益者負担)がプラスの要素
   いくら税収で賄うかがあきらかに。

・純資産変動計算書(株主資本等変動計算書)
・・・PLで計算された純行政コストが純資産の減少要因として計上され、税収や国庫補助金といった財源が純資産の増加要因


・資金収支計算書(CF)
・・・業務活動、投資活動、財務活動を分けて出す。




●財務書類の活用
財務書類を予算編成などにおいて積極的に活用している地方公共団体はいまだ一部に限られているのが現状。

今後統一的な基準になることで機体。

財務書類の利用者は住民や議会だけではなく、
地方債への投資家、PPPやPFIの提案にかかる民間事業者など行政がいの多様な主体も想定される。


マクロ的視点

財政運営の指標設定に使えるんじゃないか
資産老朽化比率、純資産比率

資産の適切な管理。
→将来の施設更新必要額の推計
→未収債権の徴収体制の強化



ミクロ的視点
セグメント分析
事業別、施設別、行政評価との連携。
受益者負担の適正化
施設の統廃合、予算編成への活用




世代間公平性
『純資産比率』
純資産の変動は、将来世代と現役世代との間で負担の割合が変動されたことを意味する。例えば純資産の減少は現役世代が将来世代にとっても利用可能であった資産を費消して、便益を享受する一方、将来世代に負担が先送りされたことを意味し、純資産の増加は、現役世代の負担により将来世代に残す。

持続可能性(健全性)
住民一人当たりの負債額
負債の増額を人口で割る。
他市比較、経年比較。将来の負担を見える化。

財務書類の場合は減価償却や退職手当引当金が入ってくる。

資産の管理。FM。
すべての資産を取得減価で作り直す、耐用年数終了の時に。そうするとボリュームゾーンが分かるので、延命措置をするなど、財政の平準化の判断ができる。


老朽化比率。
減価償却累計額を取得原価で割る。
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経年


施設使用料の改定
施設の費用をフルコストで計算して、
税外負担率を計算する。
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ライフサイクルコスト(LCC)
建設、使用、解体
一般的にLCCは建設の3~4倍


●地方公会計における今後の課題
3年間で作成ができるかどうか。
積極的な活用。



●結びに変えて
VFM(バリューフォーマネー)
税負担に対して最も価値の高いさ^ビスを提供すること
最小のコストで最大の成果

VFMを重視するならば、現金主義ではなく発生主義でフルコストを把握する財務書類の役割が重要となる。

肝心なのは会計情報をどう利用していくか。
地方公会計に精通した自治体職員の育成が望まれる

3年とかで異動させてはだめよと。

富山は11月28日
岐阜は12月20日

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