自動化書庫は、図書館の書庫・書架の有り方を大きく変えた。それは、革命である。

 

大量の図書を扱う図書館で、1冊の図書を探し出すためには、いろいろな工夫がされてきた。

かつては、図書は、貴重で、利用者が直接図書を見つけ出すことはできず、請求記号というものを調べて、それを図書館のかかりの人に渡して、それから、図書を持ってきていただくことが通常だった。

その後、図書は開架という書架に、置かれて事も多くなり、図書は、利用者が自由にアクセスできるようになったが、それは、図書館の利用者が、図書館の書架の配置を理解して、自分で取り出す必要があった。

 

図書館内の図書の位置は、図書館の定めたルールに従って、決定され、図書館員や利用者がそのルールを手掛かりに探しだす。そして、利用し終わったら、その場所に、図書を戻すという手順が必要になる。

 

ところが、自動化書庫では、図書の場所は、コンテナに入れる瞬間に決定される。利用の度にその位置は変化する。図書館が事前に図書の場所を決定することはできず、常に変化している。

 

このことは、何を意味をしているのかというと、分類、請求記号という図書の所在場所情報が不要になってしまったことを意味する。フリーロケーションである。

 

仮に、100万冊の図書が、開架書架、もしくは、閉架書架で、管理される場合は、すべての図書に、所在位置をしめす記号(請求番号)が付けられている必要があり、同時に、そのルールで、図書が並んでいる必要がある。

ところが、非常に多くの図書は、利用され、戻される(1年間に50万冊の図書が利用されれば、50万冊が、移動していることになる。1年間250日の開館があるとすると、1日平均2000冊もの本が、動き回っていることになる。)

書架を図書館ルールによる所在管理は、非常に煩雑になる。また、書架に図書を戻す作業も非常に煩雑である。

 

ICU図書館の例をみると

   まず、返却図書を、分類毎に荒分けして、それから、ブックトラック1台分を目安に、請求記号順にブックトラックに、並べる。それを、担当者が書架に持っていって、配架することになる。(ブックトラック1台分を配架するのに、1時間程度はかかる。)

 

自動化書庫の普及の大きな原動力は、図書館システムの発展と検索ツールの充実だ。

これなくして、図書の利用は難しい。

 

自動化書庫に図書の所在場所を事前に決める必要ないので、図書館でよくいうところの未整理図書を自動化書庫に入れてしまうことが可能になる。