大規模書店というのがある。ビル一つや巨大なフロアーが、書棚に本が埋め尽くされており、ほしい本を、買い手が探す。実に、それも楽しい行動でもある。

しかし、しばしば、探したいという本がなかなか見つけ出せないで、苦労することもある。

 

探し出したい本がはっきりしているときは、アマゾンの方が便利だ。検索して、クリックすれば、あとは届けてくれる。(アメリカでは、本の価格は一律でないので、安く買えることもある。日本でも古本は、値段を自由についてもよいが)

 

さて、東京大学に巨大な自動化書庫 300万冊ができたという。(運用は、すこし先になるが)

 

自動化書庫には、目録データがある資料で、登録番号があれば、どんな順序、どんな場所にいれても問題ない。場所を固定していれる方法もあるが、場所を固定してしまうと、戻す作業がたいへんになる。なので、基本は、フリーロケーションを呼ばれる、場所は固定されない運用になることが多い。

(固定とフリーの共存も可能だが。)

 

さて、利用者にとって、巨大自動化書庫とは、アマゾンのようなものと考えればよいだろう。

(アマゾンといっても、実に多彩なものを売っているので、ここでは、普通の本をうっているアマゾンという

 意味で書いている。)

 

いままで、書架の隅や研究室の中にしまわれていた本が、これからは、自由に利用できるようになる。

 

このように書くと、自動化書庫がゴミダメになってしまうという意見に遭遇する。たしかに、ゴミダメのようになってしまうというイメージは、嘘ではないように思う。しかしながら、書架では絶対管理できないような薄い冊子やパンフレットのような資料でさえ、目録がとってあれば、利用可能になる。ゴミのような資料さえ、活用を可能にする。

さすがに、300万冊の巨大な自動化書庫といえども、その容量には、限界があるが、しばらくは、大丈夫だろう。当面、なにをどのように入れるかが、問題だろう。

 

ひとつだけ、面白いことを教えておく。

150万冊までは、出庫、入庫速度は、あまり変化しない。150万冊を超えだすと、奥側のコンテナな利用をされるようになるので、出庫、入庫速度は遅くなる。それは、10年後、20年後の話かもしれない。そのころに、その違いに気づける人もいないのかもしれないが。

 

さて、運用5年目あたりで、100万冊以上入庫されていると、大成功と思われるが、どのような運用をするのかが、楽しみである。運用5年目あたりで、50万冊以下のようだと、あまり、成功したとは言えないかもしれない。