電子書籍は、出版界の中で、革命的存在である。

紙で作られた本を、1冊作成するだけでも、印刷代、紙代、製本代、人手、運搬コスト、保管コスト、販売コストなど、実に多様なコストの集合体として存在する。

1冊1000円の本は、著作者、印刷所、流通業者、広告業者、様々の人たちに儲けを分配しなければならない。

電子書籍サイトを構築する費用も多額な費用がかかるので、電子書籍が無料ということにはならない。多くのコストが必要だ。

しかし、1冊の電子書籍を複製するコストは、ほとんど、無料に近い。
紙代も、インク代も、製本代もいらない。
搬送コストも、保管コスト、販売コストもいらない。
売れ残っても、処分する費用もいらない。
紙の本が、売れなければ、売れないで、莫大なコストがかかる。

電子書籍革命は、経済革命なのである。

この経済革命に立ち向かう方法は、たぶん、ない。
いままで、基本的な概念を一度、白紙に戻して、新しい概念を持ち込んで、
新しい戦いをしなければならない。
その戦いに勝たなければならない。

無駄な抵抗や無駄な戦いをすべきではない。

童話の「おじいさんのランプ」の話ではないが、ランプの時代がおわり、
電気の時代になったように、時代を切り替えていくしかない。

本の読みやすさや、扱いやすさを議論してもいいが、この革命は

経済革命なのだ。

しかも、それは、劇的な価格変化なのだ。

それゆえに、いろいろな大問題がある。
しかし、時代を止めることはできない。