今回はクラウドファンディング の種類とそれぞれの性格や特徴についてお話ししますね。
ひと口にクラウドファンディングと言っても色々な種類がありますが、まずは共通点から。
「クラウドファンディングとは目標を持った個人ないし団体が、インターネットサイト上にその趣旨を開示し、広く一般大衆に資金を求める行為」です。多くの場合専業のサイト運営会社(=プラットフォーマー)に依頼してサイトに掲載します。
一般の人の共感が資金を動かすと言うのがクラウドファンディングの原点です。
因みにクラウドはcrowdで「群衆」です。IT業界で使われるクラウドコンピューティングのクラウドはcloud「雲」です。ま〜日本語で発音も表記も同じなので知らなくても大丈夫ですが。
本題に戻って、クラウドファンディングの種類のお話です。
クラウドファンディングは会計処理で分けると「売上タイプ」と「金融タイプ」の2つに大別できます。因みにクラウドファンディングは税務的にも同じ条件で分けられます。
さらに規制する法律によって売上タイプは「寄付型」と「購買型」に分けられ、金融タイプは「融資型」「ファンド型」「株式投資型」に分類できます。
つまりクラウドファンディングは「寄付型」「購買型」「融資型」「ファンド型」「株式投資型」の5つがあるわけです。
それぞれの機能と特徴は。
(1)寄付型
読んで字のごとく、寄付を求めるクラウドファンディングです。
被災した会社が自分で集めたり、被災者や恵まれない人を支援する団体が集めたりします。当然ですがただ掲載するだけで集まるわけではなく、集める人の努力に比例します。人々に共感されて寄付したいと思ってもらえる文書表現が成否の分かれ目です。
1案件あたり数万円から数十万円程度の調達実績が多いようです。
(2)購買型
前払いのインターネット通販だと考えると分かりやすいでしょう。「これからこう言う商品を作るので出来上がったら送りますので先に代金を払ってください」と言うものです。
受け取った代金を使って商品の開発をします。CDデビューしたいとか新商品を開発したいと言う人などが使っています。商品の魅力に共感した人が購入しますので、上手にその商品の説明をした人が成功します。上手に表現!がキーワードです。
1案件あたり100万円〜300万円が多いようです。
3融資型
現在のところ不動産を担保にして、融資型クラウドファンディングのプラットフォーマーから融資を受けると言うのが、国内に定着しています。融資を受ける人は不動産を担保に入れれば、お金を集める努力は不要でプラットフォーマーが集めてくれます。融資型は主にプラットフォーマーの資金調達手段として機能しています。
実績としては数百万円〜1000万円程度が多いようです。
4ファンド型
ファンド型は、主に会社が3年~5年の期間限定でお金を使わせてもらい、期限が来たら一括で返済(償還と言います)します。出す人はその会社や商品のファンで配当を期待して資金を提供するケースが多いのですが、投資自己責任です。
金融二種免許を持ち財務局から認可され、証券業協会からも認可をもらったプラットフォーマーだけが実施できます。
実績としては数百万円〜2000万円程度が多いようです。
5株式投資型
2017年春に始まった今注目の最新の方法です。クラウドファンディングが2.0になった(次のステージに上がった)と言われるゆえんです。
公募増資で出資をしてもらう方式で、新規株式公開と同じ形態です。したがって挑戦できるのは株式会社だけです。株式公開のIPOになぞらえてIFOと言います。
増資ですので、お金を出してくれた方は株主になります。事業の目的や社会的意義に共感して出す人や、儲かりそう!と利益に共感する人など様々ですので、経営者は事業目的に加え、自分の価値観(理念)と事業目的、事業計画を共感してもらえる形で文書で伝える必要があります。
銀行や証券会社と同じ金融一種免許を金融庁から取得し日本証券業協会からも認可をもらったプラットフォーマーの厳しい審査があり、合格率は2%と狭き門です。そのため、合格した会社は社会的に大きな信用を得ることになります。
実績としては2000万円〜5000万円程度と高額です。
以上の5種類があります。それぞれの特徴を認識して自分のやりたい事と価値観と照らし合わせて一番良い方法を選択することが、資金調達成功の鍵になります。
また、同じ型でもプラットフォーマーによって考え方や会員(資金供給者)のタイプも異なりますので、自分に合ったプラットフォーマーを選ぶことも成功の秘訣です。
何れにしても、プラットフォーマーにお願いすれば資金が集まると思うのは誤りです。銀行に行って融資申込書を書けば自動的に審査してくれるのとは違います。集める人の努力と工夫に比例して資金は集まります。逆に言うと融資の審査に通るか通らないかは銀行次第で何もできませんが、クラウドファンディングは集めたい人の情熱と努力次第で成果を出せる資金調達法と言えます。