先週の呑んだ暮れ日記【3】池袋『ふくろ』 | 悪あがき女製作所

悪あがき女製作所

-日日是好日をモットーに生きる女の戯言-
ラヴ☆蒲田

*


これは土曜日のこと。

まだ明るい夕方に久しぶりの池袋。



もうかれこれ17年ほど前に付き合った彼が練馬に住んでいたので

その頃ほぼ初めてやって来た街。

それからすぐに転職した食品会社がやはり練馬区で、会社帰りによく後輩と呑んだ街。

その会社には結構長いこといたので、週に1~2度は池袋で呑んでいたことになる。



蒲田とは比べ物にならないくらいの人ごみ。

いや、比較的よく行く渋谷よりも多いかもしれない。

まだ、あの頃の感覚が残っているのか地下道はすいすいと目的地方面へ向かうことが出来た。

地上に出るとすぐそこは【サンシャイン通り】

【サンシャイン通り】を入り、すぐにケンタが右手に見える。

その角を右に入る。

夜は一人で歩くのはちょっとなぁ、というラブホが並ぶ通りを道なりにいくと

悪あがき女製作所


【栄町通り】

ここもなかなか魅力的な呑み屋密集地。


この池袋にはこのような呑み屋が密集する横丁がいくつもあった。

それは池袋に限ったことではない。

新宿に【思い出横丁】があるように

渋谷に【のんべい横丁】があるように

山手線の沿線にはこのような酒場や横丁がとても多い。

これらはみな太平洋戦争終結後に出来た闇市の名残のことが多い。



さて目指す横丁が見えてきた。


悪あがき女製作所


【美久仁小路】

こちらもマッカーサーの密令と言われる「露店撤去令」により露店換地として出来た横丁だ。

もうひとつ【人世横丁】という場所もあったけれど、去年取壊され今は跡形もない。

悪あがき女製作所

土曜日なのでお休みのお店が多い。

そして時間もまだまだ早い。


土曜日の夕方4時から開いているお店はこの横丁ではこのお店だけ。

『ふくろ』さんだ。



『ふくろ』さんはこの【美久仁小路】だけではなく、西口にもあるのだけれど

あちらの雰囲気よりもkimimatsuはこちらの店舗の方が好きだ。

駅からの距離や営業時間などではあちら、西口に軍配が上がるけれど

どちらもやっている時ならば、この東口に足が向く。



さて、ひとり0次会。

悪あがき女製作所


カウンターに腰掛けテレビを見ながら一杯。

『ふくろ』さんは焼酎は瓶で出る。

焼酎とハイサワーをもらい、こちらもセットで出してくれる氷を入れてレモンハイをぐびり。

あれもこれも食べたいなぁと壁に貼ってある短冊に目をやり、考える。
お通しはきのこと山くらげの和え物。



結局、さっぱりとこってりを頼もうと選んだものは


悪あがき女製作所


まぐろのぬた。

この辛子酢味噌が大好きなのよね。

たっぷりかけられた辛子酢味噌。

思わず葱だけ追加したくなった。

家ではあまり作らないから、外で呑む時には食べたくなるんだよなぁ。

ちなみにオットは酢味噌がさほど好きではないので、オットと一緒の時にはほとんど頼まないメニューでもある。

悪あがき女製作所


ウィンナー炒め。

家でも食べられるものでもやっぱり頼んでしまった。

でもレモンハイとはとってもよく、合う!



ここで本日ご一緒するchamiさんからメールが入る。

『今山手線で向かっているから待ってて~~~~』と。

あちらはもうすでに何軒はしごしているのだろう?

昼から呑んでいるらしい(汗)



『ふくろ』さんは5時で切り上げて、やはり土曜も営業している『ずぼら』さんへ向かうはずが

居心地がよくてお尻に根っこが生えてしまったようだ。

(この店でchamiさんを待とう)

そう思い、もう1品頼むことにした。

悪あがき女製作所


野菜天盛り合わせ。

天つゆは甘味をおさえたキリッとした味。

隠元、人参かき揚げ、南瓜、茄子、玉葱。

サクサクととても美味しい天ぷらだ。



入った時はカウンターに先客が2名しかいなかった店内も次第に賑わい出した。

こちらの待ち人は、どうやら電車を乗り間違え、さらに寝過ごし川口にいると言う。

『待ってて~、待ってて~』とのメールを制し、もう一人のお仲間カロンさんと3人駅で待ち合わせることにする。



その時間までまたひとりゆるゆると呑む。

けれど根っからの呑み助ではないので、ちびりちびりと出来ない。

どうもグビグビ呑んで、ガツガツ、ワシワシと食べてしまうのだ。

まだ憧れの【ご隠居さん】には程遠い。(って、なる気なのだろうか?自分よ)



さあ、そろそろいい時間。

お勘定は2千円でおつりが来た。



『ごちそうさまでした』

外に出るともうどっぷりと暗くなって来ていた。

悪あがき女製作所


こういった、歴史を感じることが出来る場所で呑めるのはあとどれくらいなんだろう。


悪あがき女製作所


開発、開発と新しいビルを建て

それによって失われていくものたち。

最近は故郷の中目黒を歩いても、ちょっとせつない気分になる。

こんな横丁や、商店街が活気ある場所は精一杯気取ったお店が立ち並ぶところより

ずっとずっと人情に触れることが出来て、町やそこに集う人々に活気がある。

そんな気がしてならない。

新しく、きれいにすりゃいいってもんではないのにね。


悪あがき女製作所


よっぱらいはぶつくさ言いながら、また人ごみに紛れ駅を目指すのだった。




この日はまだまだつづく。




びば☆昭和


-----------------------------------

『ふくろ』 美久仁小路店

東京都豊島区東池袋1-23-12 Tel :03-3985-5832

営業時間:16:00~24:00(L.O.23:00)

日曜休


大衆酒場 ふくろ 美久仁小路店居酒屋 / 東池袋駅池袋駅東池袋四丁目駅