621冊目 フォークナー短編集/ウィリアム・フォークナー | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「フォークナー短編集」ウィリアム・フォークナー著・・・★★★

アメリカ南部の退廃した生活や暴力的犯罪の現実を、斬新な独特の手法で捉えたノーベル賞受賞作家フォークナーの代表作を収める

 

たとえば、他人と趣味の話になり、お互いに「趣味は読書」という事で意気投合したとします。

そうすると次に必ず「好きな作家は?」という質問になります。

そんな時その答えにによって、その人の読書の力量やセンスが問われる事となります。

 

こういうシーンで、私たちオヤジ世代は、「チャンドラー(ハメットでも可 *1)だな」と答える事が、「おっ、こいつなかなかいけてるじゃん」ってな事になった訳です。

1980年代のバブル期なら「田中康夫(*2)」だったでしょう。。。( ´艸`)

 

現在はどうかと言えば「村上春樹かな?」と答えれば(特にお姉ちゃん相手なら)無難でしょうねぇ。。。(;^_^A

間違っても「ドストエフスキーです」とか「トルストイです」とか(太宰治もやめたほうがいいかな)答えるのは避けましょう。

たぶんこの答でこの会話は終わります。。。(^▽^;)

 

では、私は誰と答えるか?いや、答えたいのか?

それが「(さらっと)フォークナーだよ」なのである。

まあ、私の場合この答は相手にもよるのであるが、私でもお姉ちゃん相手なら村上春樹(間違っても村上龍ではない)でしょう。(;^_^A

読書が趣味の相手なら、カズオ・イシグロとかポール・オースターとかイアン・マキューアンあたりかな~。

 

では、何故フォークナーなのか?

実は自分でもその理由が良く分からない。。。( ̄_ ̄ i)

今までフォークナーを読んだのはこれが2冊目で、それも初めて読んだ「アブサロム、アブサロム!」は上巻で挫折している。

故にその作品に対する現実的ファンというよりも、一種の憧憬である。

何となくフォークナーという響きと、玄人好みの渋さである。

まあ、フォークナーと聞いて、知ってる人はかなり少ないとは思いますが。(これも会話が終わるか?(^^ゞ

 

長い前置きとなってしまい肝心な本書ですが。。。

う~ん、やっぱり分からん。。。ヽ(;´Д`)ノ

 

本書は8篇からなる短編集で、1925~50年の作品が収められている。

全篇が、奴隷や黒人差別などを通底にした土俗的な作品で、本書全体に陰湿な暗い影に覆われている。

何が分からないかと言うと、まず文章が読みにくい。

特に難しい語彙や表現が使われている訳ではないが、筋が一本道でない感じ。

”これ”について話してたとすると突然”あれ”に飛んだりして、どの事について書かれているのかが精読していないとチンプンカンプンになってしまう。

 

それと何を主張したいのかが良くわからない。

読み終わり、へっ?だから何?っていう感じ。

ただフォークナーが奴隷制や黒人差別を批判的視点から描いている事は感じる。

 

とまあ、好きな作家は「フォークナーだよ」と言えるには程遠い状態ですが、メゲズにこれからも挑戦は続けていきたいと思います。(*゚ー゚)ゞ

前置きばかり長い記事になってすみません。

気になる方はAmazonの書評をご覧ください。。。またかよ(><;)

 

次から、久しぶりの「話題の新刊」祭りです。

今話題のあんな本やこんな本を10冊ほど大人買いしました。ヽ(゚◇゚ )ノ

 

(*1)「チャンドラー」・・・レイモンド・チャンドラー(1888-1959)。ハードボイルド小説の祖ともいえるアメリカの作家。その後のハードボイルド作家に多大な影響を与えた。代表作は「大いなる眠り」「さらば愛しき女よ」「長いお別れ(The Long Goodbye)」など。私立探偵フィリップ・マーロウを生み出し、映画でハンフリー・ボガート(代表作は「カサブランカ」)が演じ、世の男どもの憧れの的となり、タバコの吸い方を真似しボギー(愛称)を気取った。ダシール・ハメットはチャンドラーと並ぶハードボイルドの二大巨頭。

 

(*2)「田中康夫」・・・1956- 1980年「なんとなくクリスタル」で作家デビュー。当時の若者には遠い存在だったブランド品をずらりと作中に並べたて、その後のバブル景気と相まって若者らに爆発的に流行し、ブランド品で身を固めたクリスタル族を生み出した。その後作家としては鳴かず飛ばず、2000年、突如政治家に転身し長野県知事を務めた。