「小さな異邦人」連城三紀彦著・・・★★★☆
高校二年生から三歳児まで、八人の子供と母親からなる家族の元へかかってきた一本の脅迫電話。「子供の命は俺が預かっている。三千万円を用意しろ」。だが、家の中には子供全員が揃っていた。果たして誘拐された子供とは誰なのか?連城ミステリーのエッセンスが満載された、最後のオリジナル短篇集。
2015年このミス4位の作品。
この年著者は「女王」でもこのミス9位にランクインしており、興味を惹かれ本書を読んでみた。
この作家を読むのは3冊目だが、作者について調べたら2013年(65歳)に亡くなっていた。
多くの作品をのこしているが、この方は僧侶だったようで、二足の草鞋を履いていたとは驚きである。
本書は8篇からなる短編集で、どの作品も男と女の間に起きた奇妙な事件を描いている。
僧侶が書いた作品とは思えないエグさと、ひねりが効いた物語展開はどの作品も意表を突かれ面白く、手練れだと感じさせる。
先日読んだ、青山文平のミステリィ版(逆か?)と言った感じである。
次はその青山文平を読みます。
小さな異邦人 (文春文庫)
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