512冊目 心の鏡/ダニエル・キイス | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「心の鏡」ダニエル・キイス著・・・★★★☆

人間への愛と心の不思議さをあたたかな筆致で描きつづけ、世界中の人々を魅了する作家、ダニエル・キイス。代表的な長篇『アルジャーノンに花束を』の原型である中篇版のほか、奇妙な能力をもつ少年マロと弁護士デニスの運命の出会いを描く表題作「心の鏡」、万能コンピュータがひきおこす騒動をユーモラスに描いた「エルモにおまかせ」など、七篇を収録。キイスの魅力をあますところなく伝える、日本版オリジナル作品集。


7編からなる短編集。

「アルジャーノンに花束を」の原型版も収録されているが先日長編を読んだので、それ以外のものだけ読んだ。


序文で述べられているが、著者は一時期高校の教師を務めており、一年目に学習遅滞児のクラスを受け持ちその時の体験が「アルジャーノンに花束を」に生かされたようで、その後の「五番目のサリー」や「24人のビリー・ミリガン」等、人間の精神的側面をテーマにした作品の基にもなっているようである。


「エルモにおまかせ」「限りなき慈悲」「ロウエル教授の生活と意見」はコンピューターに支配された人間社会をユーモア且つシニカルに描いていて、星新一的なテイストを持つ未来的なSF作品。


「アルジャーノンに花束を」「心の鏡」「呪縛」「ママ人形」は人間心理をテーマにした作品。

「アルジャーノン~」は主人公が長編の「ぼく」でなく「おれ」と訳されており、これだけでだいぶ印象が違う。

「ママ人形」は意味不明だった。。。ort


心の鏡 (ダニエル・キイス文庫)/ダニエル キイス
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