「ダロウェイ夫人」ヴァージニア・ウルフ著・・・番外
1923年のロンドン、クラリッサはかつての輝くような青春をふと振り返り、自問し始める――波乱の恋を捨てて堅実な結婚を選んだこの人生は正しかったのか。老いの不安と孤独を乗り越え、真の人生美を捉える傑作。
歴史的名著なだけに、何とか読了したかったのだが、、、挫折した。。。orz
著者(1982-1941年)はイギリスの女性作家で代表作は本作の他「灯台へ」などがある。
マキューアンの「贖罪」の中でこの本の記述があり興味を持った。(先日読んだ伊坂の「マリアビートル」には「灯台へ」からの引用があった)
なるほど読み始めると、マキューアンの精緻な文体と作風によく似ていて(こちらが師匠か。ちなみに、本作の主人公クラリッサはマキューアンの「愛の続き」の主人公の奥さんと同名)、私好みではある。
では、何故挫折したか?
その1
私が大の苦手とする登場人物(それも外国人)の多さ。
作品自体は267ページだから、それ程の長編でも無いんだけど、ちょい役も含めれば5~60人位出てくるんじゃないかな?((>д<))
幾ら記憶力のいい人でもメモでも書かないと、こんがらがるでしょうねぇ。
その2
ストーリー性に乏しく、語り手の主体がころころ変わり、1人称になったり3人称になったりする。
この手法はマルケスの「族長の秋」に似ている。
ストーリーは第一次大戦後の主人公クラリッサの1日と過去の追憶を綴ったものと建前上ではなっているが、そんな簡単なものではない。
(多数の)登場人物のそれぞれの人物描写と、誰が誰の事をどう思っているのか、というそれぞれの心理描写が情緒的且つ精緻に綴られている。
この実験的手法により当時、著者はモダニズムの旗手と称されていたようだ。
その3
時間軸が行ったり来たりする。
話は過去の話を中心に構成されているのだが、章は無く、文章の区切りも分かりづらく、良く読まないといつの事の話か分からなくなる。
これも、マルケスの「百年の孤独」と同じ手法だ。
もしかして、マルケスも弟子?
という訳で、三流読書人にはちょっと骨が折れる作品なのである。
せめて、もう少しストーリーが面白ければ読めたと思うが。。。(´・ω・`)
次はいよいよ500冊目の大台です。
既読本の中から選びました。
あの、偉大な作家のあれです。。。!(´Д`;)
ストーリー性はあるがオチの理解に苦しむやつです。ヽ(;´Д`)ノ
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