499冊目 ダロウェイ夫人/ヴァージニア・ウルフ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ヘタな読書も数撃ちゃ当る

ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ダロウェイ夫人」ヴァージニア・ウルフ著・・・番外

1923年のロンドン、クラリッサはかつての輝くような青春をふと振り返り、自問し始める――波乱の恋を捨てて堅実な結婚を選んだこの人生は正しかったのか。老いの不安と孤独を乗り越え、真の人生美を捉える傑作。


歴史的名著なだけに、何とか読了したかったのだが、、、挫折した。。。orz


著者(1982-1941年)はイギリスの女性作家で代表作は本作の他「灯台へ」などがある。

マキューアンの「贖罪」の中でこの本の記述があり興味を持った。(先日読んだ伊坂の「マリアビートル」には「灯台へ」からの引用があった)

なるほど読み始めると、マキューアンの精緻な文体と作風によく似ていて(こちらが師匠か。ちなみに、本作の主人公クラリッサはマキューアンの「愛の続き」の主人公の奥さんと同名)、私好みではある。

では、何故挫折したか?


その1

私が大の苦手とする登場人物(それも外国人)の多さ。

作品自体は267ページだから、それ程の長編でも無いんだけど、ちょい役も含めれば5~60人位出てくるんじゃないかな?((>д<))

幾ら記憶力のいい人でもメモでも書かないと、こんがらがるでしょうねぇ。


その2

ストーリー性に乏しく、語り手の主体がころころ変わり、1人称になったり3人称になったりする。

この手法はマルケスの「族長の秋」に似ている。

ストーリーは第一次大戦後の主人公クラリッサの1日と過去の追憶を綴ったものと建前上ではなっているが、そんな簡単なものではない。

(多数の)登場人物のそれぞれの人物描写と、誰が誰の事をどう思っているのか、というそれぞれの心理描写が情緒的且つ精緻に綴られている。

この実験的手法により当時、著者はモダニズムの旗手と称されていたようだ。


その3

時間軸が行ったり来たりする。

話は過去の話を中心に構成されているのだが、章は無く、文章の区切りも分かりづらく、良く読まないといつの事の話か分からなくなる。

これも、マルケスの「百年の孤独」と同じ手法だ。

もしかして、マルケスも弟子?


という訳で、三流読書人にはちょっと骨が折れる作品なのである。

せめて、もう少しストーリーが面白ければ読めたと思うが。。。(´・ω・`)


次はいよいよ500冊目の大台です。

既読本の中から選びました。

あの、偉大な作家のあれです。。。!(´Д`;)

ストーリー性はあるがオチの理解に苦しむやつです。ヽ(;´Д`)ノ


ダロウェイ夫人/ヴァージニア・ウルフ
¥1,890
Amazon.co.jp