440冊目 エンプティ・チェア/ジェフリー・ディヴァー | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「エンプティ・チェア」ジェフリー・ディヴァー著・・・★★★★

2人の女性が誘拐された。容疑者は16歳の少年ギャレット・ハンロン。拉致現場に居合わせた青年を殺して逃走したとみられる。通常「婦女誘拐の場合、発生から24時間が勝負」だ。「それを過ぎると、誘拐犯の目に被害者は物として映るようになり、殺すことに抵抗を感じなくなる」。事件発生からすでに4時間が経過している。少年が逃げ込んだのは広大な森の中の湿地帯。タイムリミットが刻々と迫る。


私が読むミステリィの中で(あんまり読まないんですが)一番期待を持たせ、安定感を感じるのがこの「リンカーン・ライム」シリーズ。

本書はその3作目。

今回はNYを離れ、ノースカロライナの田舎町で起きた殺人誘拐事件をライム&サックスコンビが捜査する。


ジェットコースターのように二転三転する思いもよらぬストーリー展開、事件に絡む複雑な人間関係、ディテールに拘る緻密な描写、最後に待ち受ける大ドンデン返しなど前作と変わらない面白さ。

微細な残留物を分析し推理する捜査は変わらないが、今回は今までに無い登場人部のそれぞれに揺れる人間心理、感情を織り込んでいる。


第4作「石の猿」がまた楽しみであるが、残り少なくなるのもなんだか勿体無い感じ。


エンプティー・チェア/ジェフリー ディーヴァー
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