「相棒に手を出すな」逢坂 剛著・・・★★★☆
腕力、資力ともに平均以下だが、詐欺師よりも口達者。追及されてもどこ吹く風。機転だけは天下一品の世間師コンビ。浮気調査で小金をせしめ、老舗旦那を煙に巻き、ヤクザ相手に一芝居。一枚上手の四面堂遙に、骨董商の凄腕婆さんが加わって、あの手この手のコンゲーム。この女たち、タダものではない…。騙される快感と鮮やかなオチ、ここに凝縮!名手の技と軽みきわまる痛快短編集。
逢坂作品は一昔前に「カディスの赤い星」「燃える地の果てに」などのスペインを舞台にしたサスペンス物を夢中になって読んだ時期がある。
それらの作品はスペインの田舎の長閑でエキゾチックな情緒に溢れながらも、スリルに満ちたストーリー展開という組み合わせが面白かった。
軽い物シリーズで久々に逢坂作品を読んでみた。
本書は上記の大作とは全く作風が違い、ユーモアがありシリアスさやスリル感は無い短編連作集で、読んでいても肩が凝らない。
身近に起きるちょっとした事件を男女のコンビが解決(騙して)いく。
プロットの巧みさやドンデン返しはさすがである。
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