「シティ・オブ・グラス」ポール・オースター著・・・★★★★
ニューヨーク、深夜。孤独な作家のもとにかかってきた一本の間違い電話がすべての発端だった。作家クィンは探偵と誤解され、仕事を依頼された。クィンは、ほんの好奇心から、探偵になりすますことにした。依頼人に尾行するようにいわれた男を、密かにつける。しかし、事件はなにも起こらないのだが…。
久しぶりのオースター作品。
初めて読んだオースター作品「鍵のかかった部屋」ですっかり彼に魅了されたが、次に読んだ「孤独の発明」は私の盆暗頭では手に負えなかった。
本書は続く「幽霊たち」「鍵のかかった部屋」のニューヨーク三部作の第1作目。
この三部作によりオースターは大きく評価されその名を知らしめた。
ポール・オースターの作品は暗喩的で実に思索に富み哲学的でもある。
凡人(私)には解き明かせない謎と深みがある。
本作のストーリーはミステリー仕立てで実に奇妙で不条理。
カフカを読んだ時のような読後感(カフカよりは論理的)が残り途方に暮れる。
カフカ的不条理小説が好きな方にはお薦めの作品です。
本屋の文庫本コーナーに行ったら、オースターとカフカとカミュが連なって置かれていた。。。思わずニンマリした。。。(^ε^)
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