「おじいさんの思い出」トルーマン・カポーティ著 村上春樹訳 山本容子銅版画・・・★★★☆
二十二歳のカポーティが田舎のおばさんにプレゼントしたまま四十年間埋もれていた佳品を美しいリトグラフで飾った愛すべき美麗本
銅版画の挿絵が多用された75Pの短編。
田舎に住む少年(主人公)の家族(祖父、祖母、父、母)が貧乏生活から脱し少年に学校に行かせる為に、祖父と祖母を残し引っ越す事を決めた。
しかし、少年は祖父、祖母と別れ難く一緒に暮らす事を望む。
引越しの前日おじいさんは少年にある秘密を打ち明ける。。。
ピュアでシンプルなストーリーと抑制が効いた文体とが相まってじんわりと心に沁みる。
ただ、あまりにストレート過ぎてちょっとひねりが欲しい。
この手の本ならやっぱり”いしいしんじ”かな。