197冊目 ザ・ロード/コーマック・マッカーシー | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ザ・ロード」コーマック・マッカーシー著・・・★★★★

空には暗雲がたれこめ気温は下がり続ける。目前には、廃墟と降り積もる灰に覆われた世界が……。父と子はならず者から逃れ、必死に南への道をたどる。世界は本当に終わってしまったのか? 荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を独自の筆致で描く巨匠渾身の長篇。


人類が破滅するような核戦争でも起こったのだろうか。

地上は廃墟と化して、世界は灰色に染まり、生き延びた人間は僅か。

そんな世界を父と息子がショッピングカートに毛布、防水シートそして僅かな食料を積んで、”火を運ぶ”為に当ての無い希望を持って南を目指す。

道中では、餓えた人間が略奪し、赤ん坊を串刺しにして焼いて食う、まさに極限状態に出くわす。

2人にも”悪い者”達が行く手を阻む。

しかし、息子は絶対に人を傷つけないでと父に頼み、自分の食料まで老いぼれた老人に恵む。

”火”を消さない為に父は息子を守り抜く。。。


すさみつつある現代人の心に、蝋燭の火を灯すような作品だった。


ザ・ロード/コーマック・マッカーシー
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