122冊目 穴掘り公爵/ミック・ジャクソン | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「穴掘り公爵」ミック・ジャクソン著・・・★★★

広大な邸宅に独居する老いたイギリス人公爵。彼は突然何かに駆り立てられて、敷地内の地下に巨大なトンネルを掘り巡らせた。老いに怯える公爵は、トンネルを徘徊し、幼い頃親に手を引かれ海辺で見た光景の謎に、やがて突き当たる…。十九世紀に実在した公爵をモデルに、精緻な調査力と奔放な想像力を駆使した衝撃のデビュー作。ブッカー賞最終候補の処女長編。

 

 

凄く興味をそそられる紹介文である。

 

おまけにブッカー賞最終候補作だの、裏表紙には筒井康隆が称賛する推薦文が載っているはで、こりゃ読んでハズレは無いと思ってましたが。。。思いっきりはずしてくれました。

ストーリーは公爵の日記と使用人や隣人の証言で構成されているのだが、興味の対象であるトンネルについての話はほとんど出てこずに、公爵の日々の生活が文字通り書かれている。

文体はイギリスっぽさが感じられる端正なもので、筒井康隆が褒めちぎるユーモアも散らばっているのだがちょっと上品すぎてパンチに欠ける。

こういう作品を面白がる感覚は私にはちょっと分からない。