109冊目 ロリータ/ウラジミール・ナボコフ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ロリータ」ウラジーミル・ナボコフ著・・・★★★★☆

「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリでありロード・ノヴェルであり、今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに爆笑を、ときに涙を誘う決定版新訳。

 

 

少女への性愛を意味する”ロリコン”の語源ともなっているこの作品はベストセラーを記録したと共に、文学史上大変高い評価を受けている。

 

以前このブログで取り上げた「海外の長編小説ベスト100」でも13位に入った。

 

という訳で今回本書を取り上げたのは私にその異常性癖がある為ではありません、念のため。

 

 

本書は主人公のハンバートの告白録という形で綴られている。

 

 

本書のテーマである少女への異常性愛が道徳的に許されるべきかどうかはさておき、本書の魅力はその文章にある。

私の好きな作家の一人である”カズオ・イシグロ”の文章は非常に端正で静寂さが漂っていて美しい文章だと感じる。が、このナボコフの文章は非常に多弁であり端正とはかけ離れ、静寂さの微塵もない。

しかし、「文章の魔術師」とでも表現したくなるような文章は、修辞やメタファーを多用し、非常に味わいの深い文章で読む者を唸らせる。

一度読んだだけではとても味わい尽くせない。

本書は二度三度と再読する価値は充分にある。

偏見を持たずに是非読んでみて欲しい一冊です。

ただ本屋で買う時はちょっと勇気がいるかもしれませんが。。。

 

 

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