96冊目 悪い時 他9編/G・ガルシア=マルケス | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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「悪い時 他9編」G・ガルシア=マルケス著・・・番外

血の粛清から、ようやく立直りかけた町。殺した者。遺された者。没落に怯える者。成りあがり者。恨みを深く潜ませた者。それぞれの心に、誰の仕業とも知れぬ中傷ビラが不穏な火を放つ時――。そして、届くあてのない手紙を待ち続ける老人も。死してなおマコンドに君臨する太母も。物語が虚実の間に浮びあがらせる人世の裸形。

 

 

「ヒットエンドラ~ン、ヒットエンドラ~ン」。正直言ってなんだかさっぱり分かりません。

 

本書は表題の「悪い時」と9編の短編で構成されているがすべての作品が、この後の作品「百年の孤独」と共通のマコンドを舞台としている。作風も同様でこれらの作品をベースとして「百年の孤独」が生まれたようだ。

という訳で、ストーリーがまったくもって読む者を煙に巻くような話で、「へっ?何?」って感じ。

少しでもこちらが隙を与えるとたちどころに訳が分からなくなってしまい、ただ文を読んでいるだけになってしまい、相当な集中力を要する。

マルケスの小説技法はマジックリアリズムといわれるもので、「日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法」だそうである。この技法が読者を惑わせるのだろう。

カフカもそうだしドストエフスキーもそうだけど、やっぱり難解で一癖あって深いものが人を惹きつけるのだろう。

要再読。

 

 

悪い時 他9篇/ガブリエル・ガルシア・マルケス

 

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