「生ける屍の死」山口雅也著・・・★★★★
ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った! この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか? 自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、果たして肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?
読む前に期待はまったく無かった。
山口雅也は以前「奇遇」で散々な目にあっているし、この本(単行本初版)の表紙はコミカルなマンガだし、私の苦手な登場人物多数だし。
果たしてこれが「世界水準で読み得る作品」なのか?
が、数ページ読み始めて「むむっ、これはいけるかも」と思った。
ストーリー展開もいいしアメリカの葬儀事情も良く書けている。
こんがらがりそうな謎解きも良く出来ている。
生と死についても考えさせてくれる。
分類すればコミカルホラー推理小説といったところでしょうか。
これが著者のデビュー作だったとは驚いた。
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