よし開拓し尽くしたからアイヌはいないな「ここにいるぞ」ジャーン♪×3げぇっ | 儂は悪くないぞ!松平が!松平の奴が悪いンだ!

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 北海道新千歳空港内に掲げられているプロ野球北海道日本ハムファイターズの幟型巨大広告に書いてあった「北海道は、開拓者の大地だ」という表記に対して北海道アイヌ協会が「配慮が足りず遺憾だ」と球団に申し入れ、それを受けて球団側は広告を撤去した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151109-00010003-fullcount-base

 

http://www.asahi.com/articles/ASHC92V8FHC9IIPE004.html

「広告は縦5・5メートル、横2メートルのつり下げ式で、4種類のうちの1種類に、栗山英樹監督の写真とともに「北海道は、開拓者の大地だ」と記され、6月から出発ロビーに掲げられている。協会関係者が今月6日から開催されたアイヌ民芸品の展示会に訪れて気付いた。協会は8日に球団に電話で連絡し、見解や対応などを尋ねたという。」以上、引用終わり

 この報道をネットで見た時、ここまで関係が悪化してしまったかと嘆息してしまった。こうなることは誰もが予想していたのかもしれないが、実際、眼にするとなんともいえない気持ちになる。


 以前は開拓や開拓者という言葉に報道されない小さな抗議はあったかもしれないが、ここまで大きな問題となったことはなかった。靖国、慰安婦問題などと同じ課程だ。些細なことから適切な対応をとらなかった為に招いた結果だ。多くの方々には、こうなることは眼に見えていた筈だ。

 お互いの信頼関係を破壊し、このような結果を導くことになった道程は、最近の起こった事を手短に記せばこうなる。


 発端は2014年8月11日当時、自民党()札幌市市会議員の金子快之がTwitterにおいて「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね」と発言したことが問題となった。

 2014年8月11日、当時自民党道議会議員だった小野寺まさるもTwitter上にてアイヌ民族を非難する言動をおこなった。二人とも今は落選している。

 その後、小林よしのりや、チャンネル桜、九州出身の砂澤陣、日本会議などのネット右翼界隈が便乗しだした。それに対して香山リカなどがアイヌ側にたって反論したが、小林側が金にでも困っているのか途中から討論を単行本にすることを提案し出版後、小林はアイヌ問題から手を引いた。

 こういった界隈の素人同士の討論など本を買って読むのは時間と金の無駄だ。本物のアイヌ人からの抗議を読めばすんなりと納得する。

http://togetter.com/li/770950

 因みに先住民、原住民の定義はなんぞやという人もいるだろう。日本は批准していないが世界基準として認識されているのがILO(国際労働機関)第169号条約の定義だ。

http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_238067/lang--ja/index.htm

 これらの経緯を経てトドメをさしたのが、教科書検定で日本文教出版の歴史教科書で修正された部分にアイヌ側から抗議がきた。

http://www.asahi.com/special/kotoba/jinken/SDI201508120064.html

■「正反対」の意味に修正問題の修正は、日本文教出版の歴史教科書でありました。現行本と、今回の検定で修正された記述を読み比べてください。
現行本
政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟採集中心のアイヌの人々の土地を取り上げて、農業を営むようにすすめました。
修正後
政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟や漁労中心のアイヌの人々に土地をあたえて、農業中心の生活に変えようとしました。
 前回の検定に合格した現行本の「土地を取り上げて」が、まったく正反対の「土地をあたえて」に修正されています。

引用-終わり

 こういった真似をすれば、今後、今回のような大きなリアクションがくることはわかりきったことだった。


 何故、こうなってしまったのか?パトリック・ハーランこと、パックンさんのコラムに書いてあることを思い出した。

http://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2015/08/post-4_1.php

 パックンさんは日本とドイツの第二次世界大戦に関する謝罪と意識の違いをあげ、日本人が自国の被害に関する歴史には詳しいが、侵略されたアジア各国の犠牲者にたいする知識、教育が不足していること、それによって日本に被害者意識があることを指摘する。

「こんな悲惨な数字はほとんどの方の知識にない。敗戦国である日本が甚大な被害を受けたのは事実だが、これらの国々の被害も実に凄まじい。そしてこれらの国々は、日本を「敗戦国」というよりも「開戦国」として見ているのだ。

 こういった知識を持つと、またお詫びを求められるときの理解度が変わってくるのではないかと思う。歴史認識は日本の皆さんにお任せします。僕が気にしているのは、認識ではなく意識と知識。その2つを胸にぜひ議論を続けてほしいし、次世代に意識と知識を受け継いでいっていただきたいと思う。僕も子供たちにそうしていくつもりだ。」

 今回の問題も同じでアイヌ側に関する意識と知識が問題だった。(誤った知識も含め)知ったような気になっているから大きな問題が起こったのだろう。


 アイヌは江戸時代以前は蝦夷など呼ばれ、関東より北に住む者達と、ほぼ一緒くたに扱われていたが、北海道の端を含む日本が統一され、体制が安定した江戸時代あたりから、アイヌだけを蝦夷と呼ぶようになり、法制上、日本人と別の民族として扱うようになった。

 その裏で江戸幕府は、例えば神社などを立て無理矢理祀らるなど緩やかに同化政策を行った。


 幕府が作りアイヌに祀らさせた神社

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A9%E7%B5%8C%E7%A5%9E%E7%A4%BE


 こういった同化政策(各民族への同祖論)による神社建立は明治政府になってから顕著になり、日本国内(体制にそぐわない神社は破壊され、もしくは祭神を強制的に変更された)どころか、アジア各地に今も残っている。日本帝国が他民族を圧迫し蹂躙した爪痕である。


 このような自国の文化・歴史を歪めるかのような所業を行なった戦前の日本。(戦後も遺跡を公共事業で破壊しまくりだろという指摘はさておき)

 日本人が自国の歴史を軽視するのは今に始まったことでもないが、その傾向は維新直後に頂点を極めた。当時、日本に在住していた外国人が、そんな日本人に警鐘を鳴らしていた。

 東京医学校(現、東京大学医学部)で医学を教え、のちに宮内省侍医となったエルヴィン・フォン・ベルツである。
  

『不思議なことに、今の日本人は自分自身の過去についてはなにも知りたくないのだ。それどころか、教養人たちはそれを恥じてさえいる。「いや、なにもかもすべて野蛮でした」、「われわれには歴史はありません。われわれの歴史は今、始まるのです」という日本人さえいる。

 このような現象は急激な変化に対する反動から来ることはわかるが、大変不快なものである。日本人たちがこのように自国固有の文化を軽視すれば、かえって外国人の信頼を得ることにはならない。なにより、今の日本に必要なのはまず日本文化の所産のすべての貴重なものを検討し、これを現在と将来の要求に、ことさらゆっくりと慎重に適応させることなのだ。』


 ベルツは己にとって都合の良い歴史にするために、自国の文化を破壊し、過去を消し去ろうとする、当時の日本に危惧をいだいていた。そして、もう一点、現代に日本に通じる事柄について非難している。

 日露開戦前の日本では国民達が、ロシアの戦力を侮り、現実離れした大言壮語(現代であればネトウヨの自衛隊は強い的なものか)や、感情的で無責任な開戦論が放言しているような世の中で、この有様をベルツは新聞の煽動的記事に踊らされたものだと看破し、こう記している。 

「日本人は、その祖国にとってこれらの新聞紙がいかに禍であるか必ず悟るであろう」   

 だが、その後も悟ることなく、日本は無謀な軍事行動を起こし、やがて国は滅びた。敗戦直後は、やや大人しくしていたが、現在は新聞に代わり、新聞や週刊誌の都合の良い部分だけを抽出した、まとめブログなどに惑わされ、躍らされる愚かな々愛國ネトウヨ國士様が闊歩している。

 さすがのベルツもこの有様までは予測できなかったか。いや、日本人が戦前戦後をとおして、まったく成長してないだけではないかといわれればそれまでなのだが。

 

 さて、こんなことを書くとTwitterなどでベルツは反日だった!などと言いだすネトウヨも出てきそうなので先に書いておくと、当時というか今でもドイツには黄禍論が根強く息づいている。

 黄禍論、すなわち黄色い猿のようなアジア人(主に中国人、日本人。戦前の日本は、現代の韓国の様に売春婦輸出国として有名であった)、特に日清戦争後は野蛮な日本人が白人文明社会に対して大いなる禍をもたらすと喧伝されていた。現在、欧州で問題になっているアラブ難民よりも差別されていた。

 ベルツの祖国、ドイツ帝国では皇帝ヴィルヘルム2世が黄禍論の主論者であった。そのようなドイツに対して、勿論、日本人は反発しドイツを嫌厭する者が増えていった。

 そのような状況下においてベルツは日記で皇帝ヴィルヘルム2世へ苦言を残している。

「まさにウイルヘルム皇帝こそは、日本で評判になるようなことはあまりなさらない方が、ドイツのためである。なぜならば、日本人の反感の矛先は、全く皇帝個人に向けられているからであって、その反感も遺憾ながら、自身でお招きになった当然の罪なのである」

 更に帰国したベルツは新聞社へ、黄禍論に基づくドイツ政府の対日政策と、ドイツ人の日本観を批判する投稿をしたが、新聞社から直々に拒否された。

 当時の時勢に逆らって日本を擁護してくれたベルツを反日と誰がいえようか?

 

 むしろ日本は黄色い猿の国だったからこそ、ナチスドイツに外交でもいいように利用された。

 ロンドン軍縮が期限切れを迎えるまで残り一年を切りつつあった1935年(昭和10年)、駐独大使大島浩中将はナチスドイツと、軍部独自で秘密の軍事協定、防共協定を結ぶことに苦心していた。

 大島にとって、この防共協定はソ連に対する日本版ビヨルケ密約といえる物にしたかったようだ。それ故、絶対に表沙汰にはされたくないものであった。が、既に当時からソヴィエト諜報機関や英国情報部には監視されていた。大島が、この条約を秘密にできたのは外務省と軍部の一部、それに天皇くらいだ。

 ドイツとしては、軍事協定で終わらせるつもりはなかった。ヒトラーは初めから日本を利用するつもりであった。この秘密軍事協定は大っぴらな政治協定になり、日本は英国から距離をおかれ、国際社会で孤立感を増した。

 四年後には協定締結者と同じ面子、大島とカナリスなどにより、日独伊三国同盟を結び、日本は大戦に巻き込まれ敗戦への道を留まることなく突き進むことになる。


 ネトウヨがドイツが日本へ、今度はイタリア抜きでやろうぜとネット上で発言したというネタを見かけるが、実際はドイツとイタリアが日本抜きでやろうぜといったものだ。

 北イタリアで戦っていたドイツ軍は無駄な戦闘を避けるため連合国側と秘密の停戦交渉を行い成立させ、無駄な戦火から守りつつ、フィレンツェの美術品を戦火や略奪から守るために地方の山中へ疎開させたりしていた。人種的なこと以外にも、日本とはもともとの繋がりが違うのである。

 自民党でネオナチ団体の山田一成と議員会館で記念撮影をした連中がいるが、ヒトラーの我が闘争を読んでもわかるとおり、ナチスにとって日本人は他民族と同じ文化追従種たる二等民族であると言い切っている。ドイツやロシアのネオナチ団体が日本人を邪魔な黄色人種の猿だと言い切っている映像は、皆さん一度は報道で眼にしたことがあるだろう。

 このような考えの男が根源にある思想を受け入れる山田一成というネオナチ団体の代表や、稲田朋美、高市早苗、西田昌司などは、自身が日本人であることを否定しているのと代わりない。彼らは既に自ら日本人であることを放棄しているといえよう。


 話を冒頭のアイヌと同化政策へ戻そう。同化政策は明治政府になってからは顕著になり、旧土人保護法を施行し、明確にアイヌを日本人とは別の人種で土人=北海道に原住する民であると区別した。この様にアイヌを別人種、民族と区別したのは他ならぬ、我々、日本人なのだがら、確かに金子や小野寺の言い分はおかしいだろう。なによりアイヌの先住性を考えるのであれば、北海道の地名はアイヌ語に感じをあてたものであるという事実を、どう捉えているのかと聞きたいものだ。


 ネトウヨにアイヌに土地と薬を与えたのが旧土人保護法だと主張する馬鹿がいるが、開墾畑作ができないような痩せた土地を与え、法定内の僅かな薬代を与えたのは確かだ。

 また高額の治療費が必要な事態。結核になどに罹患しても絶対に治療はしなかった。旧土人保護法の目的を簡潔にいえばアイヌ人を同化、または伝染病などによりアイヌ人を根絶やしにし、民族浄化を行なうことが目的であった。


 ま、こう書くと今でもアイヌ人は生きてるじゃないかという輩も多かろう。その陰には、こんな男の姿があった。

 スコットランド出身の医者にして考古学者の男、その名をニール・ゴードン・マンローという。

 ニール・ゴードン・マンロー小伝 前編

http://www.japanjournals.com/2011-01-14-15-46-57/great-britons/3752-neil-gordon-munro.html

 ニール・ゴードン・マンロー小伝 後編

http://www.japanjournals.com/2011-01-14-15-46-57/great-britons/3756-neil-gordon-munro.html


 マンローは日本民族を研究すべく、医者をやりながら来日した。同じ医者のベルツとも交流があり、ベルツの縁で秩父宮とテニスを楽しんだりしたこともある。

 しかし、その医者という職業が彼の生活を支えると供に時として研究の足枷になった。

 彼が横浜、軽井沢を経て北海道、日高山脈の麓にあるアイヌの集落、二風谷へと居を移し、念願のアイヌ文化を調査しようとした矢先、結核が蔓延していた二風谷の現状が研究に逸る彼の足を留めた。

 軽井沢で富裕層相手に結核治療をしていたモンローはアイヌ人達の治療を無償ではじめた。交流がすすむにつれ、モンローの目に、もう一つの問題がとまった。アイヌ人を蝕むアルコールだ。


 旧土人保護法により、狩猟と漁業を禁じられたアイヌは土地を強制的に貸し与えられた。(保護法では交付となっているが実態は違う)

 アイヌは畑作の文化がなく、また、交付された土地も開墾できるような土地ではなかった。土地は売ることも貸すことも禁じられており、とても与えられたとはいえない。また、開墾できなかった土地は交付から15年後に没収された。

 また、旧土人保護法により、学校がつくられたがアイヌ語などのアイヌ文化風物は禁止で日本語のみを教え日本人であることを強制する学校であった。

 この法律に反発を持つ者や抵抗した者がいないじゃないか、それこそアイヌが受け入れた証拠だという者がいるかもしれない。


第十一條 北道廳長官ハ北道舊土人保護ニ關シテ警察令ヲ發シ之ニ二圓以上二十五圓以下ノ罰金若ハ十一日以上二十五日以下ノ禁錮ノ罰則ヲ附スルコトヲ得


 旧土人保護法 第十一条には北海道庁長官が旧土人保護法による民族浄化に妨げとなると判断した事柄に対して警察令(警察犯処罰令)を発して2円以上、25円以下の罰金、もしくは11日以上、25日以下の禁固を刑罰をもうけることができます。

 例えばアイヌ人が旧土人保護法に反対するデモをおこなった場合、北海道庁長官はデモ参加者は、一律20円の罰金、払えなければ25日間の禁固(楽しい拷問つき、断種されちゃうかな?)ということもできます。こんな状況で誰が抵抗できるだろうか?そんなアイヌ人達に残されたのは酒に逃げることであった。

 流石に、五族協和を声高に唱える傀儡の満州国を建国した国が、このような法律は維持しているのは、まずいと思ったのだろう。法施行から38年後の1937年(昭和12年)に旧土人保護法 第十一条は削除された。


 マンローは酒びたりのアイヌ人達に酒に飲まれぬように戒めた。そのせいでアイヌに酒を売りつけ儲けていた日本人の恨みを買い放火され、神奈川以来の日本民族に関する資料と、蒐集してきたアイヌに関する文献や資料を失ってしまった。恨みによる放火なので、まさかアイヌ民族に関する資料の隠滅を狙ったものではないと思いたいが・・・
 ネトウヨはアイヌ人達が民族固有の文化を捨てたと言い張るが、このように捨てさせられたのだ。その証拠にマンローが蒐集し、記録した各種資料が現在にも残っている。特に有名なのがマンロー撮影による、イオマンテ熊送りの儀式の映像だろう。

 これら文化は旧土人保護法などによる圧力と、日本帝国が起こした誤った戦争による軍部の統制によって、アイヌの文化と伝統は途絶された。

 これと同じ様なケースが日本の同盟国でも過去に起こっている。アメリカのインディアンだ。良くアイヌ問題や慰安婦問題についてアメリカが言及するとアメリカを引き合いに出す馬鹿なネトウヨが入るが、今、インディアン達は、都市部の家を捨て元の土地に帰り、昔のような土の家などを作って暮すという回帰運動が盛んだ。

 彼らは、政府の支援を受けつつ、昔ながらの生活を守り、酒や文明を捨て、とうもろこしを潰した食物を焼いて部族に伝わる装飾品などを観光土産に売って現金をえるといった暮しをしている。

 こういった活動を政府が全面的に指示し援助しているのが日本との違いであろう。今、安倍政権はやたらと諸外国に金をばら撒いているが、その金額の十分の一でも、いや金額の問題じゃないし、安倍政権だけではない、日本の政権で、そういった具体的な政策に言及し、支援を表明した政治家はいたのであろうか?


 最後に旧土人保護法 第八条に、こんな一文がある。


第八條 第四條乃至第七條ニ要スル費用ハ北海道舊土人共有財產ノ收益ヲ以テ之ニ充ツ若シ不足アルトキハ國庫ヨリ之ヲ支出ス


 文章を読んだだけではピンとこないかもしれない。この第八条にある北海道舊土人共有財產とは、過去にアイヌ人達の土地であった狩猟場、漁場などからの収益と、宮内庁からの御下賜金のことだ。

 皇室も、この悪法に関わっていたのだが、第二次世界大戦で激戦地になった沖縄に対する腰の低い態度に比べて、皇室のアイヌに対する態度は極端に冷たく感じ、少し差別的なものを感じる。

 もしかしたら、生長の家を追い出して、今や北白川宮が率いる神社本庁によって牛耳られた日本会議などの意向により、アイヌという別の文化をもった民族が今も日本領土内で生活しているということを世間に広く認めることを避けているのではと勘繰ってしまう。


 願わくは、また同じ様な問題が起こらぬよう、政府が教科書検定で行なった誤った記述へ修正したことを詫びて訂正し、正しい意識と知識を得られるように支援(予算をつけて好きにさせることではない)をすべきなのだが、現政権は東京裁判の見直しなどと放言するような輩がいる政権なので、それを望むのは難しい。これからも国内外で多くの人道的人種的問題に突き当たるのだろう。日本外交の未来は暗い。

 そんな政権が推める来年の伊勢サミット、一体、何が起こるのやら。雨が降る程度で済めば良いのだが。




 大島浩が独自にドイツと協定を結ぼうとした過程を公開された機密文章で完全追跡!他にも東和(東宝東和)とドイツの合作映画と原節子についてや、OSSのアレン・ダレスと交渉のチャンネルができていながら、大西瀧治郎の判断ミスにより、ソ連と交渉した結果、原爆を落とされた日本の自業自得な顛末など読みどころが多いオススメの一冊。

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 記事中以外にも漫画日本の歴史で有名な一場面、帝国憲法発布を半被と間違えて提灯で祝う国民の姿もベルツの日記が元ネタ。日本人なら一度は読んでおかねばならない書物だ。

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