ローフードパーティー。身体は食べたものでできている。 | ルワンダのおうちから。

ルワンダのおうちから。

ロンドン→半年の東南アジア放浪旅→プラハ→またまた旅→ハーグ→インドネシア周遊→タシュケント→キガリ、と海外生活10年弱を終えて、2011年、東京に帰って来ました。毎日のお料理と、ぷつぷつの思いの記録。

ローフード、と出会ってから、もう4年くらい。
全くの自己流で、ネットで情報収集をしたり、ローフードの本を読んだり、自分の出来る範囲で、楽しんでいるのだけれど、生のお野菜や果物の持つ力と、そのうつくしさには、いつも新鮮に驚かされる。


その楽しみをお知らせしたくて、今日は大好きなお友達ふたりに、お家まで来ていただいて、ローフード・パーティー。
しかも作るのも手伝ってもらっちゃった。


参加してくれたのは、yukacoちゃん。彼女のお写真は、すごい。
すごい、なんて拙い表現で申し訳ないのだけれど、纏っている世界観がある。
切り取る世界に色があって、それは彼女のものだ。もっといっぱい撮ってくれたらいいと思う。もっともっと、見ていたい。
そして、Mさん。まだお逢いして2回目なのに、ずっと前から知っていてくださるような、そんな気持ちがする方。普段は、心の奥の方にひっそりとしまって、自分だけのために(あるいは孤独に)温めているようなことを、さり気なく取り出して、共有させてくれるような。そんな気持ちになるのだ。


そんな素敵なお友達をお招きして。
がんばってみた。


お料理は、ローフードが初めて、というおふたりだから、サンプラーのように一口ずつ、いろいろなお料理を食べてもらえるように。
と言っても、実は私のローフードは、100%ヴィーガン(菜食)じゃないの。ナムプラーも干し蝦使うし、アクセントにナムプリックパオやカピやバゴオンなどのアジアの調味料も使っちゃって、自由に楽しみたい。


一皿目の前菜は、前回作っておいしかった、空芯菜のサラダ。あのカッターで細く裂いてくるくるにするのも試してもらいたかったので。
今回はベトナム風(ゴイ・ラウ・ムォン)のあっさりした味付けではなくて、タイのソムタムのような、濃厚な風味にしてみた。
レシピ、というほどのことはない。
ちゃちゃと混ぜて和えてみて、味見をしながら、味を決めていけばいい。
ナムプラーとマナオ(今日はシークワーサー)の汁に、メイプル・シロップで甘みをつけて、カビというタイの蝦醤で、こくを出す。青いチリをたっぷり加えて(日本産のはあまり辛くなかった)、プチトマトと、紫の玉ねぎ。それに刻んだピーナッツとパクチーをたっぷりと。


それに、マンゴーときゅうりとミントのスープ。
これはとても簡単。この3つを、しぼりたてのオレンジの汁を加えて、ブレンダーで滑らかにするだけ。夏の名残を味わうみたいな、爽やかな味。


生春巻(Summer Rollて言うんだよ)も、ロー仕様で、えびの代わりに色のきれいなパプリカを透かして。ひまわりの種で作ったナッツ・パテをレタスやスプラウトと一緒に巻いて、ヴォリュームを出す。


そして、今回はじめて挑戦してみて、とてもおいしかったのが、ドラゴンフルーツを使ったサラダ。これは本当はソムオー(ポメロ、あるいはざぼん)を使ったタイのサラダなのだけれど、今日はドラゴンフルーツを使ってみた。
調味料は、ナムプラーとマナオに、ココナッツミルクとナムプリックパオというちょっと香ばしくうまみが強く辛いタイの調味料を入れる。香りづけは、細く切ったバイマックルー(こぶみかんの葉、グリーンカレーのあの香り)とやっぱりパクチー。それにフライドオニオンで、かりかりを加えて。
あっさりしたドラゴンフルーツの実と、こっくりした調味料が合わさって、なかなかおいしくできた。yukacoちゃんが持ってきてくれた、香りのよい泡々が進む味。


二皿目の前菜は(前菜がたくさんな方が楽しいよね)、日本食プラッター。


スティックサラダには、カシューナッツで作ったマヨネーズにバジルのペスト・ソースを混ぜたもの。
ロー海苔巻きは、ひまわりの種のパテに、レタスとパプリカを巻いて。ナッツパテって海苔の香りにとても合う。
そして、この間も作って気に入ったローきんぴらに、坦々スープ。
坦々スープは、トマトをベースにタヒニや豆板醤、アーモンドバター(100%のピーナッツバターみたいに、ただただナッツをグラインドして滑らかにしたもの。アーモンドの香りがしてとってもおいしい。)でこくを出して、お醤油や味噌やにんにく生姜、と言った普通の坦々でも使うような調味料で味付け。こくがあるのだけど、お肉が入っていない分、さっぱりと食べられる。どれも、調味料を揃えるまでが大変かもしれないけれど、揃えてしまえば、ほんの数分で完成しちゃうようなレシピ。今度はもっと花椒を効かせた味にしてみたい。


ここまでに、ぺろりと、yukacoちゃんのおいしい泡々も頂いて、本日は「お酒も飲める」ローフードとのお言葉を頂きました!何よりうれしい!シャンパンに合うローフード、なんていいわー(妄想)。


そしてメインは、ローカレー。これは私が4年間、試行錯誤してなんとかたどり着いた、インド南部のフィッシュカレーとヒントに。


ブレンダーにまず、ざく切りにしたトマト、にんにくとガーリック、ココナッツミルクを(食べたいだけ)入れる。スパイスは、コリアンダーとクミン、たっぷりのターメリック。ここでアクセントに、タマリンド・ペーストを。そう、こういう知らない調味料が出てきた時には、みんなで小さいスプーンを出して、味を確かめてみたりする。他のお料理のどこかに、なにか素敵な取り合わせが思いつくかもしれないから。
タマリンドは、手に入らない場合には梅干しで代用してもよいらしい。
それから、様子を見ながら、カシューバターで濃度を調節する。メイプル・シロップで甘みをほんの少しだけ足す。


そして仕上げに、たっぷりのパクチーとブラウンマスタードシードを加えて、スパチュラで優しく混ぜる。


お出しすると、一口。
これは、カレーだね!!!とおふたりに言ってもらう。そう!カレーなの!私もそこを目指していろいろ試行錯誤してきただけにうれしい。スープでもなく、スムージーでもなく、ソースのような、カレー、という感じにしたかった。でも、5分でできちゃう、ロー・カレー。お腹に重たくなくて、食べた後、さっぱりしているようなローカレーを、作れるようになりたかった。


そしてこれが「ごはん」。カレーソースを、たっぷりのスプラウトにつけていただきます。
添えたパプリカは、モロッコ風マリネ。
オレンジ・ゼストとコリアンダーとシナモンでオリーブオイルとレモンの絞り汁に香りをつけて、マリネ液にする。これはジョーダン・メアリンさんのレシピ。さっぱりとして、洗練された素敵なカレーのお供になった。


とここまで、ずっとお料理を手伝い、おふたりはその間も、素敵なお話をたくさんしてくれる。空気が打ち解けた感じで、私も居心地がよくて、なんだか調子に乗っているような。心から安心しているような。


身体は、あなたが食べたもので出来ています、と言うじゃない?
今日は、生の新鮮なフルーツと野菜だけを頂いて、なんだか血液がきれいになったみたいな気がするようなそんな食事をとったのも、なにかそんな素敵な気持ちになれたことと関係があるかしら。


そしてこれからおいしいデザート編です。