平成28年8月27日(土)13:00〜、CBGKシブゲキ‼︎にて。
脚本・演出/ 春間伸一
出演/藤田富、平松可奈子、榊原徹士、今村裕次郎、戸田悠太、深川圭、山田伊久磨
若松春奈、小野友広、本郷弦、横井伸明、石田晴香
遠い日のあの夏。
一斉に鳴き出した蝉の喧騒が炙り出す操られた夢。
覆い隠されたその記憶。
真夜中のユメ。現実に抱く夢。
過去と未来。愛と束縛。
少年は扉を開ける。
あの日の声を探して。
(公式サイトより)
物語の主役は、2人で暮らす兄と弟。兄は、友人でもある医師に弟の治療を依頼するのだが……。
兄は、弟の身体と心の傷に自責の念を抱き、弟を守ることだけを考えて生きている。そんな兄に頼りながら、内にこもってばかりいた弟が、ある日恋をした……。
過去に囚われて歩き出せない兄弟と、空っぽのまま歩き続けてきた少女と。
自分の意志。自分の人生。何が真実で何が夢なのか。
心安らぐ夢に救われる者もいれば、夢と現実のギャップに苦しむ者もいる。あるいは夢の世界に溺れ、現実から逃げてしまいそうになる者もいる。
新しい一歩をなかなか踏み出せない弟以上に、彼に執着する兄のゆがみが目立っていた気がする。それぞれがお互いを必要とすることが、必ずしも悪ではないけれど。
単純なハッピーエンドとはいえない。けれど、新しい一歩を踏み出していく人々と、とりあえず自分の足で立ち上がろうとする人と。
誰もがそれぞれの傷を抱えながら、それでも生きていく。
……そういう物語だった。