思い出したくもないけど、八月に入ると嫌でも思い出させられるのが…三年前の今頃に告知され、即入院・手術した直腸癌の事。
告知されたときは、これもひとつの運命だと受け止め、自分でも驚く程に冷静だったけど、少しもったいないと反省しているのが身辺整理。早とちりのボクらしく少しアクションが早すぎました。
最初に頭を過ぎったのは、見られてマズイ物を早急に捨てなければ…と言うことでした。ハイ、皆さんが想像したような物です。反省。
だって、癌ですよ。ボクの親戚も友人も癌で入退院を繰り返し、辛く厳しい治療を続け苦しみぬいた結果の別れを、身近で何度も見てきましたからね。ボクもそうなると思い込んでいたのです。
ボクがボクらしく対応出来るのはこの一週間だけだと思い込み、ボクが亡くなった後に誰に何を見られても、知られても後悔しないように、ボクの秘密をボクだけの秘密のまま守りきれるように、捨てるものと残す物をキチンと整理しておかないとね。素早く、それも秘密裏に。
ボクのブログは、ボクの幼友達や親戚・ご近所の方々も読んでいるらしいので、ここから先はプロット形式で書きます。ト書きもナシです。
① その日のうちに彼女と会い、事情を説明し携帯のお互いの連絡先を消去。ついでに連絡されると困る人も消去。
② 競馬関連コレクションを処分(家族公認の勝負服の一部と美術品は残してあります)。
③ 病院に持ち込む7冊の本を残し、山積みされた本をブックオフに売却。そのお金で友人と日帰り温泉に。
④ 絵画は現在各部屋に飾ってある作品以外は身内にプレゼント。
⑤ コレクションの<ぐい呑>は、作者が分からないように箱や作者の署名入りの書は全て捨てました。ぐい呑はぐい呑として残したかったからです。
⑥ 予定していた講演や社員教育は総てキャンセル。それなのに…
三年後の今、身長177cm。体重80kg、見た目は元に戻り病人の面影ナシ。
今日もこれから渋谷のクリニックで月に一度の診察。通院時間と待ち時間を含め約3時間。その後に、音楽業界の制作担当の友人と面談。蒲田に戻り演出家の友人との面談。
ボクのスケジュール表からデートが消え、仕事が激減し、空白日が目立つようになって3年。まあ、これが年相応のシルバー世代に相応しい普通のスケジュールなのかも知れないけど、ボクには耐えられそうもありません。ちっとも面白くない。
刺激ゼロ。期待感ゼロ。トキメキ感ゼロ。満足感ゼロ。ついでに罪悪感もゼロ。これって、ボクらしくないですよね。…という訳で路線変更。波乱万丈の日々に戻します。
残り少ない人生。誰のためでもなく、ボク自身のために頭をフル回転させ、<好奇心優先主義>の勝負を続行させます。癌患者で、アドバイザーで、企画プランナーですからね。闘病生活も新しいネタとして加えれば、面白くなるかもね。