会社の帰り、金曜日だったのでふらりと西洋美術館へ。
金曜日って大きな美術館はたいてい20時まであいているんですよ。
出展作品が全部ゴヤの作品という、贅沢展示会。
人柄と人生と感性を掘って掘って掘り起こすような展示会、らぶ。
西洋美術館は、さすが大御所美術館!と唸るようなの来日するから足を運んでしまいます。
今回はプラド美術館所有のゴヤ。
プラド美術館行きたいな~。
フランドル絵画、ネーデルランド寄りの絵画たちのファンになりつつあります。
ゴヤはスペインの画家さんで、途中からフランスに住んでたけど、ちらほらとフランドルの影響が見える。
今回の展示会は40年ぶりの来日の「着衣のマハ」が注目されているけど、
ゴヤの人物を表現する力の凄さをあらわしているのは、「カルロス4世の家族」が分かりやすい。
でも一番は、「ロス・カプリーチョス」の版画たちだと思う。
人間の愚かさ、脆さ、危うさ、日々を人間だったり変な生き物で表現していて面白すぎる。
こういうの好き。
ロバのシリーズがクスリと笑えて好きです。愚さの象徴のドンキー。
そのロバに乗っかられてる人間。タイトルとあわせて鑑賞するとまた一興。風刺が効いてます。
今でこそ「クスリと笑える」作品たちですが、社会風刺を効かせる作品を
当時のスペインで発表するの覚悟が必要。
異端尋問所の圧力をきっとゴヤも受けて、この快作はたったの27部で販売中止。
世に見えることなく時間が過ぎて、その後、スペインはまっさかさまへと落ちる事に。
戦争、飢餓の時代のエッチング作品もならんでいました。
世の中は戦争していて食べるものもなくて、死体がごろごろしてても、
それでも、だからこそ俺絵を描くんだ!っていう信念は本当にすごいよね。