先日、子どもを歯医者に連れて行った時に待合室にあった絵本を何気なく手に取りました。

それは、絵本の定期便をやっている会社の『おすすめ絵本』ということでした。


表紙を見ただけで、

「あぁ、これは『おねえちゃん』になった女の子の話だ」

とすぐわかりました(わたし長女なので、そのへんのセンサーは鋭いのだ)。


読むと、想像通り、今までひとりっこだった女の子に弟が生まれて、みんなに「弟ができて幸せね」って言われるんだけど、お父さんもお母さんも今までみたいにかまってくれないし、自分のことはいつも後回しにされちゃうしで、女の子はさびしくなっちゃうの。


そしてそのうち、お母さんが育児ノイローゼっぽくなっちゃって、女の子は、

「私、お手伝いするわ!」

って、弟のおむつがえしたり、弟と遊んでやったりと、けなげにがんばるの。


そして弟もお姉ちゃんになついて、お母さんもお父さんもニコニコそれを見てて、まわりのひとも、弟に対して「いいお姉ちゃんがいて幸せね」っていうオチなんだけど・・・。


これ、絶対、大人に都合よく描かれてる気がする。


この絵本、弟が生まれてから、お姉ちゃんだけ抱きしめられてるシーンが一個もない。お母さんは自分のことで精一杯だし、お父さんもそれを見てオタオタしてるだけ。


「私ががんばらないといけないんだ」

ってがんばるお姉ちゃんの絵を見てたら、胸がギューっと苦しくなってしまった。



お願いだから、お姉ちゃんだけを、抱きしめてやってよ!

別に弟の世話する『いい子』じゃなくても、抱きしめてやってよ!

「わたしだって抱っこしてほしいんだよー!」って、わがまま言わせてやってよ!




・・・なんか、絵本の感想というより、ちいさなおねえちゃんだった頃の私の叫びですね、これは。



この手の絵本で、「そのまんまのあなたで大好きだよ」って言ってくれるやつがあったら教えて下さいませ。