思えば、ずっと父は木の陰にいた。 | Trinity Life Style

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今朝、妹から電話が鳴った。


「父さんはお姉ちゃんのクラウドファンディングを毎日確認してるみたい。
最後、足りない分は自分が出して達成させたいと思って、ずっと待ってた。

でも、クラウドファンディングのやり方がわからなくて、焦って私に電話してきた。

『お姉ちゃんは達成のためとはいえ、

父さんにそんなにたくさんのお金を出してもらいたいと思ってないと思うよ』

と伝えたけど、どうかな?」


父に2か月前、今回のプロジェクトの説明をしたが、

私の挑戦に対して「頑張ってください」の一言だけだった。

仲は良いが、忙しすぎてここ最近は連絡していなかったから

私の状況は知らないと思っていた。


「父さんからはお金なんていらないよ。

今までの人生で十分投資をしてもらった。

父さんに達成させてもらっても私のためにならないし、

達成しなくても、私は別に元気だから、と伝えてほしい。」


と妹に伝えてから1時間後、父からの寄付が入った。

私の気持ちを考えた、ありがたくて優しい額だった。


父の寄付を皮切りに私のプロジェクトを知らないはずの親戚の方々が

クラウドファンディングの支援者に続々名前が入ってきた。


不思議に思いながらもお礼のお電話をすると

「あなたのお父さんから、

『数合わせのため、最少額でもいいから、

えり子のプロジェクトに支援してほしい』

と連絡をもらったのよ。」と。


驚いた。


威厳があり、プライドの高い父は

そのようなことを頼む人ではないと思っていたから。


そこまで気にしてくれていても

いつだって直接私に言ったり聞いたりはしない。


思えば、父はずっと木の陰にいた。

私の部活の試合も、私の発表会も必ず来てはくれるが

私と目が合ったら、そっと手を挙げて微笑むだけで、

決して近くにこようとはしなかった。


最前列でアニマル浜口並みの応援をしてくれる母とは

対照的だった。


高校を決める時も、大学を決める時も

就職を決める時も、結婚を決める時も

父は「えりこを信じてる」とあまり口を出さなかった。


言いたいことはたくさんあったと思う、

でも父はきちんと距離をとってくれていた。


父にとって私はいつまでたっても危なっかしい子どもだ。

たぶん、今回も手を出したくなるし、口も出したくなっただろうと思う。


でも、父はいつも通りの距離をとってくれた。


私も親になって、子どもが転ぶかもしれないところを

見守ることの難しさを痛感しているからこそ、

父が今まで私にとってくれていたスタンスのすごさがわかる。


父に「頑張ります!!!」とお礼の連絡をしたら

「子どもたちのことを忘れないように」

と一言だけだった。


直接いうと照れるから、ここに書く。

読んでるとは言わないけど、たぶん読んでると思うから。


父さん、本当にありがとう。

結婚後も仕事で旧姓を使い続けているのは

「尾崎えり子」という名前が私にとってプライドだからです。

あなたの子どもである自分でいることが自信だからです。

素敵な人生をプレゼントしてくれて感謝しています。