~産後の骨盤調整~ | きだみのる鍼灸整骨院のブログ

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今回は、

”産後の骨盤調整”

についてです。


最近、産後の骨盤調整についての

お問い合わせを頂く様になりましたので、

症状や治療法について書いてみます。

 

まず、私の治療院では、特別に

”産後骨盤調整”

と言うコースでは設けておりません。

 

なぜかと申しますと、

産後ならではの特徴もありますが、

通常の患者さんとの治療法と、

基本的にあまり変わらないからです。

 

産後の腰痛や肩こり、背中の痛み、不眠やイライラ、

尿漏れしやすいなど多様な症状がありますが、

治療法や運動療法は

腰痛などの治療とさほど違いません。

 

 

婦人科症状や不妊症などの方には、

鍼やお灸を使ったり、

骨盤や背骨の調整や、

(バキバキ骨を鳴らさないやり方です)

体質に合った衣食住やエクササイズ

のアドバイスなどもしております。

 

鍼灸は好みがありますので、

患者さんのご希望次第となりますが、

 

”早産防止”

”逆子”

 

などは必ずお灸を使います。

 

これは温かく感じる程度のお灸なので

やけどの心配もありません。

 

 

前置きが長くなりましたが、

産後の骨盤調整の話ですね。

 

まず産後の方の骨格のバランスが、

どの様な状態になっているのかを図に示してみます。

 

妊婦_腹筋のゆるみ

 

 

 

 

上の図の様に、背中(胸)と腰が

反り過ぎてしまった状態です。

 

お腹が大きく外に張り出した

期間が長かったせいで、

 

”お腹を内に引き込むこと”

 

を体が忘れてしまっているのです。

 

 

 

お腹の前の方の筋肉は

伸びてゆるんでいますが、反対に

 

”脇腹から腰にある筋肉は

縮まったまま固まっている”

 

状態なんですね。

 

 

これを筋肉の固い部分に手を当てながら、

骨盤や肋骨をゆっくりと動かす様なやり方をしています。

 

 

 

 


そして、胸の前側、骨盤の前側も

大きく開いてしまっています。

 

骨盤と同時に、胸、肋骨の調整が重要です。産後_骨盤と胸膈の開き

(図左:通常の状態。図右:産後で赤線の部分が開いている)


あばら骨のいろんな所に、

 

”胸を大きく開きやすいポイント”

 

が存在します。

 

 


そこを指で触れながら、動かす方向に

大きく息を吸いながら胸を広げてもらいます。

 

 

骨盤まわりや胸の調整をした後で

 

”脚上げ腹筋(レッグレイズ)”

 

してもらいます。

 

これが断然やりやすさが変化するんですね。

 

力をあまり入れないのに脚が上がるので、

患者さん自身が不思議がっておりますが、

 

「これが本来の○○さんの力なんですよ。」

 

とお伝えしています。

 

 

 


ゆがみの無い状態がどれほど力強いか、

それを一度でも体験して欲しいんですね。

 

もともと運動をやられていた方は筋力が強いので、

脚上げ腹筋など産後でも楽にできる方もいます。

 

でも、もっと楽にできるんです。

 

 

 

ゆがんだ状態ですと、

 

・腹筋ではなく太ももの筋肉で上げている感覚が強い

 

・上げる最初の動きが重い

 

・上げる途中でわずかだがプルプルする

 

などの現象があります。

 

 


上にあげてきた

骨盤のそり過ぎ、開き過ぎ、そして胸の開き過ぎ

などをゆるめていきますと、

他人にでも上げてもらっているかの様な

軽さで脚上げ腹筋ができるのです。


腰痛などを起こさない、ゆがみの無い体幹部とは、

腹筋や背筋がしっかり働いていることに尽きますね。

 

 

 

 

しかし、ここで重要なのは、

体幹部を締める・固める力ではなく、

 

”締めながら動けること”

 

なんです。


動作の最中に、適度な締める・固める力が、

腰や背中、お腹に自然と働いているのが理想です。

 

 


ですから、私が理想とする筋力トレーニングとは、

 

”とにかく楽にできること”

 

なんです。

 

これは、医学的に言うと”運動連鎖”が起きている状態です。

 

全身のパーツが連動し、最小限の力で、強く正確な運動を起こせることです。

 

 

腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワット。

 

種目としては、これ位できれば充分ですね。

 

 

 

 

顏を洗う時や掃除機をかける時など、いちいち腹に力を込めて動き続けるなんてできませんね。

 

これはダンサーや格闘技選手でも、高齢者でも同じことです。

 

人間であれば同じ作り、同じ機能です。

 

 


私がおこなっている治療法と同じ原理で、

セルフでできるエクササイズを治療後にアドバイスさせて頂いてます。

 

これは格闘技選手やダンサーに指導しているもの、

毎週行っている主婦の体操教室でやっているものとまったく同じです。

 


特に高齢者の方々は関節に多少の変形があったり、

背骨などにもかなりのクセがある場合が多いですが、

セルフエクササイズだけで腹筋運動やストレッチ、歩行などが楽になります。

 

正確にその部位の動きを行えば、

決して難しいことではありません。

 


治療院でもセルフでかなり改善できる

エクササイズを指導させてもらってますので、

治療に来る頻度も少ないです。

 

 

 

治療法でもエクササイズでも、

 

”楽に動けること”

 

ができているかを目指して

取り組んで頂きたいと思います。

 

産後の体は、それ以前の体と相当変化しています。

その後の人生の体調を決定づける大事なポイントです。

 

積極的なケアをして、元気にお過ごしください。