きだみのる鍼灸整骨院のブログ

きだみのる鍼灸整骨院のブログ

■ダンサー・格闘技選手・高齢者の治療
■痛まない・再発しない身体の使い方
■伝統鍼灸・体質改善
■体操・ダンサー指導Youtubeチャンネル『きだみのる』

秋葉原と上野の間、御徒町にある治療院、
きだみのる鍼灸整骨院のブログです。

東洋医学の体質別の治療と食事・運動指導
高齢者の動きの改善に力を入れています。

また、ダンサーや格闘技選手から主婦の方まで、
痛みの再発予防のための【体の使い方】を指導しています。
どうぞよろしくお願いします



1,気を補える手とは?
2,どこをどう使えばよいのか?
3,気を補えた時の判断は?

第二回目の女性セラピストのための
東洋医学基礎・脈診基礎講座を終え、
それらの答えを明確に
言語化・実現化できました。

『気』『気を補う』等の表現では
曖昧で再現性に問題があります。

気を補える手『補の手』を考える前に
悪い例となる
『気を補えない手』とは?

■指先に力が入ってしまう
■小指側や親指側に力が偏っている
■掌の中心が浮いている 

などでは患者さんが無意識に緊張してしまいます。
それではリラックスせず眠くもなりません。

それはなぜか?

答えはテーピングの理論と同様で、
人間は〇gの力で押されたら、
無意識に同等の力で跳ね返そうとします。

なので何かが強く当たっている場合、
そこの部位に力が入ります。

全身の中で一部だけ不自然な力みがあれば、
リラックスせず気は流れません。

では『掌全体の均一な圧』で触れると
人体には何が起きるのか?


どこを押されてるか明確ではなく、
全体的にふわっと包まれる感覚が起こります。

このなんとなくふわりとした感覚が
リラックスと眠気を呼ぶのです。


相手に抵抗感を起こされず
知らない内に押されている。

これは『合気道』や『太極拳』
などの力の伝え方と同質です。



東洋医学的マッサージでよく言われるのが、
掌のツボ『労宮』を中心に手を動かす事ですが、
私としてはこれはNGです。


労宮は気の出入りするツボと言われ
『気の流れ』的には正解です。

ですが、
マッサージ等の手技療法の場合、
動きの主体はあくまで『筋肉・骨格』です。

手を触れず動かさず気を入れる
気功療法(外気功)もありますが、
それと人に触れる=力を上手に伝える
のは全くの別の技術と言う事です。

では『労宮』ではなく
どこを使うか?

それは太極拳と全く同じで、
掌や肘などの軸・支点が明確に存在します。


それら『身体の使い方』
を女性セラピストたちに指導すると、
その場で皆さんがお互いに効果の違いを実感し、
私自身も、彼女たちの脈診の指の握り方、
腹診の手の置き方で、
全く変化するのを確認できました。

気の『補瀉』と言うものがあります。
■気を補う=補法

■気を散らす=瀉法

この使い分け、

補法と寫法の

どちらが適した体質・体調かの診断鑑別

その2点がなければ東洋医学とは言えません。

 

誰にでも同じ手順で同じやり方では

具合が悪くなる人も出てくるのは当然です。

私の目指す東洋医学講座は、手技療法などで
人に触れるための『使える東洋医学』です。

なので理論は徐々に慣れればよく、
すぐ実践に入る事でケーススタディの中で
『なるほど』を増やしていく事です。

キーワードは『気』の前に『身体の使い方』です。

脈診も腹診もマッサージも身体を使うもの。
身体の使い方次第で効果が全く変わります。

■気を補うつもりが気を散らしている
■リラックスさせるつもりが緊張させてしまっている


ほとんどそういう事に気付いてないケースが多く、
そこを明確に言葉で伝え、
身体の使い方でその場で感覚を得てもらいます。

自分の感覚に無いものを出す事は不可能です。

触り方ができてないと相手が

・くすぐったい
・痛い
・苦しい
・力が入ってしまう


等の反応が起きてしまいます。

それはもう完全に施術者のせいです。
上手く触れば施術者も相手も楽なのです。

また上手く触れる事で、
『筋膜』や『リンパ』などの
特定の部位や組織など意識せず自由に施術できます。


表皮~骨格まで
どの深さまで圧を加えるかが自由になります。

気を補える『補の手』なら
骨格まで重い圧をかけても、
相手に抵抗感が起きにくいのです。

目標は実践で使える理論と感覚を確かに伝える事。

来月早々、第三回目の講座を迎えます。

私の理論や指導法、伝え方などが
一気に明確になった
今回の東洋医学・脈診基礎講座に感謝です。


~きだみのる鍼灸整骨院~
●ライン
https://lin.ee/6pHxsGw

●メールアドレス
kid_a1005@yahoo.co.jp

●HP
https://kidaminorusinkyu.jimdo.com/

強い体質とは何が違うのか?


強い体質=実熱体質
弱い体質=虚寒体質


東洋医学ではそう呼びます。


強い体質は代謝・回復力・免疫の能力

が高いので生物的に優れている。


典型的な実熱体質の60代患者さん。
猟師をされており、先日お土産で鹿角を頂きました。
私が山の仕事に憧れているのをご存知だからです。

1月の寒さでも朝からキジ猟に出て

笹ヤブを歩き回ったせいか、

顔に笹や木の枝でできたであろう傷がいくつか見えました。
虚寒体質の私では到底できない事です。


慢性的な腰痛があり来院されてますが、

治療の際はとても筋肉が柔らかく歪み調整もしやすい。

理由は実熱体質ゆえの体温や代謝が高いからでしょう。

それでも腰痛が起こるのは

『身体の使い方』に偏りがあるから。


なので、再発予防の体操=身体の軸・支点を使った

全身連動の指導が要です。

実熱体質は全体に熱が多いのですが
特に『胃と腎』に熱が多い。


先天の気=腎の陽気・後天の気=胃の陽気
の二大陽気(熱エネルギー)で生命が維持されるからです。

胃の陽気が多いと食当たりしにくく、冷飲食や生食に強い。
酒や辛い物等にも強く、量もたくさん食べられます。
短所としては高脂肪・高血糖・高尿酸になりやすい。


腎の陽気が多いと根本的な生命活動が旺盛です。

なので体温が高く冬の早朝からもすぐ動き出せます。
短所としては腎臓・尿管の結石ができやすい。


全身で見ると心臓や脳血管系の疾患にもなりやすいですが、

自然に近い場所に住み心穏やかで、

身体を動かす生活習慣であれば生活習慣病も遠のくでしょう。

 

私も隠居した後で林業に少しでも携われるよう、

身体を鍛えておきたいと思います。


 

 

『もうじきたべられるぼく』


先日地元のコミュニティセンターにあった児童図書です。



 

食肉用として屠殺される事が決まった若い牛が
母牛に会いに行く物語です。

その途中で色々な事を考え、
最後に母牛を見つけた時にとった彼の行動は…

食育の本ですが
私は生きる事の本質と感じました。


生きる事=殺す事


都市部に生きていると
それを知らないので考える事もありません。

自分が殺すのでなくとも
殺された命を頂いている。

完全な菜食主義者でない限り
それはどんな人でも絶対にある事でしょう。

健康維持ができない恐れがあり、
私自身も完全な菜食主義にはなれません。

体質にもよるので万人にそれを求めるのは
生物的にも無理があるでしょう。

ある『マタギ』=北国の猟師の小説で

「山は半分殺してちょうどいい」

という言葉がありました。

殺しては「ころして」ではなく
「のして」とマタギ地方の人が行ったそうです。

「のす」とは
物に圧をかけて薄く伸ばしていく事。

つまり「ころす」の様に全てを断つのでなく
薄めて伸ばしていくこと。

だから
「半分殺してちょうどいい」
になるのかと思いました。

昨今アーバンベアなど熊被害が多発しており、
熊の駆除として殺してしまう処分や、
伝統の猟で捕獲する事への反対意見も
増加の傾向にある様です。

当事者側では地域住民の安全のため、
また伝統文化のためなど様々な理由があります。

現代でわざわざ野生動物を殺して食べなくても…

と言う考え方があるなら、
自分が肉食を完全にしていない限り同列の様な気がします。

実際、地方出身の患者さんで
鶏をしめる(食うために殺す)場面に直面し、
それ以来鶏肉が食べられない方もいますが、
豚や牛は大丈夫との事。


熊に限りませんが、
野生動物の異常繁殖や人の区域を侵害する理由、
そして猟師たちが動物を狩る理由。

それぞれにいろいろな要素がありますが、

■生き物は生き物を食べないと死ぬ

と言う前提で考えると、
保護する側・狩る側に
『ある程度』は仕方のない事が想像できます。

今、食べている鶏肉・豚肉・牛肉。

その鶏、豚、牛たちはどんな性格だったのか?
内気だったのか?元気で人懐っこかったのか?

それぞれの環境で
それぞれの想いがあり生きていたでしょう。
そういうものを殺して頂いている。

地方の人はそれを日常として
当たり前の様に自然に自覚しています。

動物保護や環境問題を考えるには
都市部の人間も
それを理解しておく事が必要と感じます。