2011/5月27日


水の張った田んぼが
所々弾け、きらめき、
夏のサイダーの泡のように立ち上る。
あるいは、まばたきだけして死ぬ星が
あちらこちらでうまれている。

そんな水面の奥には、
地を黒々と塗りつぶすほどのおまたじゃくし。
遠浅の干潟で、ぎゅうぎゅう詰めになるものだから
ちょっとした動きで水滴が驚いたようにはねる。


田んぼが、饒舌になっている。


遠くから見たら、水田に広がる小さな星座と、小さな宇宙。


土色の蛙が、でっぷりとした腹ごとどぼんと田んぼに飛び込んだ。