★「トワイライトエクスプレス」の車掌制服がベース?帽章からワシのマーク廃止、名札は金色、社名表記等制服を大幅に変更

JR西日本は、2017年4月1日から制服を変更する。
今年は日本国有鉄道が解体され、分割民営化(会社発足)30年を迎える事もあって、同日にJR九州、6月1日にJR東海も制服変更が決まっている。

制服を変更する理由として多いのが、ビッグイベントがあったから(JR九州=株式上場、JR東日本=東北新幹線八戸開業)、会社の体制を変更(JR東海)したものによる。
当然、制服が古くなったのでお客に対するイメージアップ戦略の一環、着用する社員の作業効率アップ・生産性向上を狙って変更する事も多く、私鉄はこの傾向だ。
今回のJR西日本の制服変更の狙いは、後者に該当するのではないかと私は思っている。

「2017年4月より制服を変更」(JR西日本ホームページ)

↑デザインや詳細等は上記リンクページを参照されたい。

営業制服(駅員や乗務員が着用するスーツタイプ)は、パッと見た限り近鉄に似ていると個人的には感じた。だが、細かく見れば当然近鉄とは異なり、細かな部分で大きく変更されているのが特徴だ。

◆制帽
周囲をJR西日本のコーポレートカラー(会社の色)である「青」を強調。これがベースカラーで、駅長等の管理職が着用する帽子には「赤」に変わる。
大きな変更点が帽章(制帽に入っているマーク)。
JR西日本は以前から鳥の「鷲」(ワシ)が描かれていた。私が見た限り社名やJRマークは描かれていない。
2017年4月からの新制服では、ワシのマークを廃止。JR各社で多い「動輪」を描き、社名(小さく英語表記)やJRマーク(大きく)描いている。

◆上着等
「先進性」(時代を先取りした進化)、「上品さ」をテーマにしたとしているが、まさにそれが感じられる。
かつて大阪~札幌を結んだ豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車掌は専用制服を着用していた。これが復活したかのような感じで、これをベースにしている?ようにも見える。
上着は合服(季節問わずに使用出来る)で、3つボタン。

名札以外のエンブレム等は一切なく、かなりスッキリした印象だ。
名札の形状も大きく変更。現行は白ベースの一般的な形状のもので、運転士と車掌で役職名の部分に色が付くくらいであったが、新制服では名札の面積自体を拡大し、背景を金色(ゴールド)にする。
「金色名札」を導入しているのは、私が知る限りでは京阪くらいで、JRグループでは皆無だ。
さらに、袖章を新規導入。現行は縦で描かれたマーク(名称は不明)が付いているが、着用する制服自体に社名は一切書いていない。
袖章には社名(英語表記)が入る。細かな違いとして、管理職は社名部分が金色になるが、一般社員は青色になる。JR東海のように管理職には星マークを付ける等の階級章は付けないだろう。

◆その他
女性にはスカーフを着用していたが、安全上良くないため廃止する。
例えば、列車監視する際は列車風でスカーフが飛ばされたり、首に強く巻きつく等するためだ。
夏制服では、ノーネクタイ・ネクタイ着用の両方に対応するため、ボタンダウンシャツとなる。現行通り青いシャツになるのは変わりないが、冬制服でも白から青に変更される見込みだ。
単に制服のデザインを変更するだけではない。社員の要望を積極的に反映。多かったのがポケットの容量を大きくする事。特に乗務員はポケットの中にさまざまな備品を入れているため、ポケットの容量が大きい方が有利なのだ。
他にも社員が作業しやすいように制服の機能性を向上しているとの事で、作業効率アップや生産性向上が期待出来るだろう。

・・・JR西日本では、福知山線脱線事故で悪いイメージが付いた事、視認性が悪い等の安全面で問題があったため、2007年に現行制服に変更した。
JR東海では25年ぶり、JR九州に至っては29年ぶりと、制服の更新スパンは長い事が多いが、JR西日本は私鉄他社と比較してもそのスパンが短い。福知山線脱線事故当時着用していた制服も10年くらいしか使用していなかったと思う。
JR各社で最も制服の更新回数が多いのがJR西日本の特徴でもある。