- 前ページ
- 次ページ
【収益目的による列車内撮影禁止!YouTuberを対象にしたものだが…既存マスコミや鉄道雑誌も例外なし!JRが現場取材拒否?】鉄道ジャーナルの記事の質が低下の件について
↑JR北海道の公式サイトによると、「列車内や駅構内の撮影は出来ますか?(映画・ドラマ・CM・SNS・動画共有サイトへの投稿など)」と言う質問に対して答えはこうだ。
列車の運行に支障をきたすような行為(運転中の列車に向けてのフラッシュの使用、ホームでの脚立の使用、立ち入り禁止区域での撮影など)や列車運転中に運転の妨げになるような撮影行為(運転席近くでカメラ本体から光を発する、運転室内にカメラを入れての前方撮影など)はおやめください。
また、他のお客様との間でトラブルになるような行為にも、十分ご配慮いただきますようお願いいたします」とある。
【旅行の記念に・趣味目的で撮影するならば問題ない。但し列車の運行妨害(フラッシュ撮影・線路内立ち入り等)をやらない・プライバシー配慮が出来れば】
【プライバシーの問題】
【列車の運行妨害をしない事】
【旅行の記念に・趣味目的ならば】
【その上で収益化しない】
【最初から収益目的であれば許可が無い限り、JRをはじめ鉄道会社は撮影自体を禁止する方向である】
【その上で鉄道ジャーナルの記事の質が低下。JRが直接取材を拒否?!ライターが足で稼いだ情報をまとめて記事にしたものが目立つ。客観的な裏付けが乏しいものも目立ちだす】
★超人気で乗れない!大井川鐡道井川線星空列車2023年度冬
大井川鐡道(大鉄)と言えば本線の「SL急行」や「きかんしゃトーマス号」を思い浮かべる人が多いだろう。
どうも埋没気味な井川線。それもそのはずでJR東海道線から接続する金谷駅からは遠く、まずは大井川本線で1時間半程度電車に乗らないとたどり着けない。
しかし、2022年9月の台風災害で川根温泉笹間渡~千頭は不通のまま。公共交通機関による輸送では、金谷~家山間は大井川本線の電車(またはSLかEL)に乗り、家山駅で川根本町が運行するコミュニティーバスに接続。町営(実際の運行は大鉄の子会社大鉄アドバンスが受託)のため運賃も安く抑えられているが、本数が満足にあるわけではない。結局本線が不通である今、千頭への交通手段は事実上自動車だけとなっている。E1A新東名の島田金谷ICからでも1時間弱はかかる道のりである。そのため井川線に乗る場合、前提として「自動車で来る事」となる。その点は大鉄も強調せざるを得ない状況だ。
撮影日=2024年2月11日(日)
【井川線星空列車に乗るには乗車日のみ販売の専用乗車券が必要。先着150名まで】
【堂々の編成!星空列車9両で運転】
【アプトいちしろ駅でアプト式電気機関車と連結し合計11両の列車編成に!さらに2種類のヘッドマークがあった】
〇〇さん(運転士)!ヘッドライト点けてください!
あっざす!申し訳ないです!
【長島ダム駅から見る星空はまるでプラネタリウムのような感じ】
★静岡鉄道A3000形12編成全て登場!1000形は2024年6月30日に引退!
↑静岡鉄道(静鉄)のA3000形は2015年度から毎年1~2編成のペースで増備を続けてきた。営業運転は2016年3月24日からで、2017年には鉄道友の会からローレル賞を受賞。全車両にローレル賞プレートが付いている(これは結構珍しい)。
2024年2月3日~6日にかけて、J-TRECから最後の12編成目になる「A3012号」(静鉄公式にはこのように称するが、私は「A3012編成」と称しているので以後は「A3012編成」と記す)が納車された。
2月23日(金・天皇誕生日)にデビューした。
【A3012編成デビュー日】
↑外はあいにくの雨。寒い。新静岡駅で9時30分~11時まで物販販売、10時から3番線でA3012編成展示、11時から式典、11時28分に新清水行き臨時電車で出発と言う流れであった。
↑まずは車両展示。「A3012号デビュー」のヘッドマークが付いている。新車登場時にはこれが恒例となった。
A3012編成は既存の編成と大きな変更点は無い。どの編成も「1次車」扱いで使用の差異は無い。違いと言えば各編成に与えられた「色」でこれこそがA3000形の”代名詞”となっている。A3011編成のように無塗装車として登場したが、少しして「午後の紅茶」の赤いラッピングが入るようになり、「午後の紅茶」と言われるようにもなっている編成もある。
↑車内には歴代のA3000形が甲種輸送される時の写真が出ていた。全て静鉄社員が撮影したものである。
↑車内にある車両番号もしっかりと記録(撮影)しておく。
↑車内は至ってフツーのロングシートであるが、多少の「遊び心」があるのが他社のロングシート車両との決定的な違いである。「また乗りたくなるような仕掛け」が仕組まている。
↑物販会場で「静鉄電車ワンデーパスA3012号出発記念」を買う。要は1日乗車券であるが、自動券売機で販売しているものとはデザインが異なる。この日限定デザインだった。金額(700円)や効力(静鉄電車1日乗り放題)に変わりはない。
↑11時からの式典の様子。A3000形の概要説明や社員が撮影した動画を公開。マスコミ・鉄道マニアが殺到したのは言うまでもない。
↑最後に鉄道部長が登壇し「最後の1000形1008号は6月30日をもって引退する」と明らかになった。これで1000形は全廃となる。それまでの間1000形関連のイベントを実施すると予告され「詳細は静鉄電車ホームページで」と案内されるに留まる。
3月になると1000形の定期運用が激減し、週に1~2日程度しか稼働しない日が増えている。最後になって乗車と撮影のチャンスが激減しているのは残念だが、毎日9~10運用に対して、車両数が13編成(A3000形12編成+1000形1編成)もあるので車両が余り気味。A3000形を優先稼働するのは言うまでもない事で、「穴を埋める形」で1000形が動く程度となっている。これは「あるある話」なので私としては納得してしまった次第だ。
↑新静岡11時28分発の臨時新清水行きがA3012編成の一番列車。いつものならば乗らずに沿線撮影となるが、この日は雨で寒いのでその気にならず、とりあえず一番列車に乗る。どこかの駅で下車…とも思ったが、やはり天気が悪くその気にならず途中下車せずそのまま新清水駅まで乗車。乗り心地・車内の雰囲気は既存のA3000形と特に変わらず。今や珍しい車両では無いので一番列車目的で乗るような乗り鉄(鉄道マニア)は意外と少なかった。
新清水駅で折り返しの臨時新静岡行きに乗る。この列車も途中駅で下車せずに新静岡駅まで乗車。新静岡セノバで休憩して…と思ったが
↑新静岡駅到着後は回送であった。デビュー日は定期運用には入らず、臨時電車で1往復するだけで終わりだった。セノバでの休憩はなくなり、引き続きA3012編成を追いかける。回送ならば長沼車庫に入るに決まっているので、長沼駅に先回り。
↑案の定長沼車庫へ回送となり、車庫へと吸い込まれてゆく。A3012編成は引退が決まった1008編成の隣に止まる。
↑ヘッドマークは取り外された。パンタグラフが降ろされ「回送」の表示は消えた。これでデビュー日の運行終了。そのまま翌朝まで車庫で寝るのであった。
★【白紙改正ではない】2024年3月16日改正の東海道線静岡地区のダイヤはそんなに変わった?
【西焼津駅の場合】
(7時台改正前上り・静岡方面)
(7時台今回改正上り・静岡方面・赤い字は変更点)
(7時台改正前下り・浜松方面)
(7時台改正前下り・浜松方面・赤い字は変更点)
(12時台改正前上り・静岡方面)
(12時台改正前上り・静岡方面・赤い字は変更点)
(12時台改正前下り・浜松方面)
(12時台改正後下り・浜松方面・赤い字は変更点)
(18時台改正前上り・静岡方面)
(18時台改正後上り・静岡方面・赤い字は変更点)
(18時台改正前下り・浜松方面)
(18時台改正後下り・浜松方面・赤い字は変更点)
【ダイヤ・両数の特徴】
会社関係なく、鉄道を利用していて「わかりにくい案内用語」が山のようにある。定期的に鉄道利用があるならばなんとなくわかるだろうが、数年に1度しか鉄道を使わないとなれば意味不明な事を言っているにしか聴こえない。そこで「わかりにくい案内用語」の一例を示した上で、具体的に何を示しているのか?解説する。
①人身事故、人と触車、お客様と接触
一般的には「人身事故」と言う。
これは人が列車とぶつかる事を示す。”ぶつかった程度”は関係ない
例えば、ホームの狭い所を歩いていて走行中の列車の側面に”多少かすった”程度の事から、線路に飛び込んできた人に”ガッツリとぶつかった”事まで、全ての事を言う。
会社別にも言い方が違っており、大まかにまとめると下記の通り。
JR東日本、JR北海道、JR九州、関東大手私鉄、関西大手私鉄、世間一般的=人身事故
JR東海=人と触車(しょくしゃ)
JR西日本=お客様と接触
たかが「人身事故」でも、鉄道会社によって言い方がバラバラである。
世間一般的では「人身事故」で通用するが、JR東海は「人と触車」と言う”世間一般的には聴きなれない特殊な表現”、JR西日本は「お客様と接触」と”事故の程度がわからない表現”になっている。なお、名古屋・大阪の大手私鉄は今でも「人身事故」と表現している。
鉄道業界の業界用語では車両と人がぶつかる事を「触車」と言う
しかし、世間一般的にはこの言葉はほとんど知られていないため、わかりやすくするために「人身事故」と称している。
JR東海は業界用語をそのまま旅客案内に用いている形だが、ではなぜ同社が「人身事故」と言う言葉に置き換えないのか?は知らない。
JR西日本は「人身事故」と言う言葉を「お客様と接触」と言い換えた。ここで言う「お客様」とは必ずしも鉄道利用の旅客だけとは限らない。例えば踏切横断中の通行人が列車とぶつかった場合、正確に言えばJR西日本の利用者ではないが、ぶつかった人は「お客様」と扱う。
②車両トラブル、車両の不具合、車両の確認
車両が壊れた(故障した)かもしれないので、本当に壊れた(故障した)かその場で停車させて調査する事。
停車させる場所は必ずしも駅とは限らず、駅と駅の間(トンネル、橋の上、見通しの悪い場所を除く)に停車させる事もよくある。壊れた(故障した)場合は応急処置をする。
自走不可能な場合、機関車や前後の列車等に牽引してもらえる車両が現場に到着するまで故障した車両は、動かす事が出来ない。運転再開まで時間が非常にかかる。
JR北海道=車両故障のため(事実をそのまま伝える事が多い)
JR東日本=車両トラブルのため(それ以上の事を伝えない事が多い。よっぽど酷い場合に限り後でXで伝える事もある)
JR東海=車両に不具合があったため(それ以上の事を伝えない事が多かったが、Xで案内を始めてからは(2019年頃から)詳しく伝えるようになった)
JR西日本=車両の確認をしたため(たまに事実をそのまま伝える事もあるが、基本的にはあまり詳しく伝えない事が多い)
一言で車両トラブル、車両の確認などと言っても多岐にわたる
大きく分ければ「運転可能」か「運転不可能(自走不可能)
繰り返しの説明にはなるが、前者ならば応急処置後に所定ダイヤよりも遅れが発生しても一応は運転するが、後者ならばその場でお客を降ろして線路を歩いて隣の駅まで行く事になる。後者は別に機関車等の牽引用の車両を用意する必要があるため、故障車両撤去後にならないと運転再開出来ない。そのため運転再開まで大幅に時間を要する。
③お客様混雑、多くのお客様にご利用いただいているため、各駅での安全確認のため、多客のため
車内に多くのお客が乗って(利用して)おり、駅での乗り降りに時間を要している事だ。
昔は「多客」(たきゃく)と称していたが、今この言葉を公式に使う鉄道会社は存在しない。
私の記憶が間違えなければ、JR東海は少なくても2005年頃までは「多客」と称していたが、これ以後(概ね静岡地区に313系2000番台が導入した前後から)後術の表現に改められた。
これは国鉄民営化後に、会社の収入に貢献しているお客様がたくさん利用しているのに、あたかもお客様が多すぎて悪いような印象を与える「多客」と言う表現を止めたのでは?と私は思っている。
JR東日本・関東大手私鉄各社=お客様混雑のため
JR東海・小田急=各駅での安全確認のため(お客様混雑とか多客と言う表現をしない)
JR西日本=多くのお客様にご利用いたいだいているため
JR東日本、JR西日本は似たような表現で、JR西日本は丁寧に言った印象。
JR東海におけるお客様混雑時の説明は非常にわかりにくくなっている
④お客様トラブル、車内の確認
車内でお客同士のケンカ、不審物発見、事件、テロ行為等を示す
これについては、関係ないお客に対して危害が及ぶ可能性がある事、不安を増幅させる可能性があるため、あえてハッキリと言わない事が多い
公式には下記表記以上言わない事が多く、車内で何が起きたのか?知るのはXやニュース・新聞による報道がほとんどだ。現場ではあえて広く知らせたくないのが特徴だ
JR東日本=お客様トラブル(状況に応じて「車内トラブル」等の「○○トラブル」と置き換える事が多い)
JR東海・JR西日本=車内の確認・お客様トラブル・お客様対応(状況に応じて表現方法が異なる)
事実、2018年6月9日(土)に東海道新幹線「のぞみ265号」においてテロ事件(車内における無差別殺人事件)があった際には、JR東海は「車内非常ボタンが扱われ、”車内の確認をしたため”」と称していた。公式には当然これ以上の事は言わず、SNSやNHKの報道で広く拡散されてようやく事実がわかる有様であった
⑤ドアから手を離してお待ちください
駅に着いてドアが開くときに、ドアに手を触れてはいけない事を示す
ドアに手を触れていると、ドアが開いた時に開いている間ドアを収納する「戸袋」に、手を挟まれる可能性があるため。これでケガする事も多いので、注意喚起しているのだ。しかし、地域差がある
JR北海道・JR東日本・関東大手私鉄・関西大手私鉄=案内なし
JR東海・名鉄=ドアから手を離してお待ちください
JR西日本=JR東海と同じ、若しくは「ドアが開くまでドアから手を離してお待ちください」
JR九州=案内無し
この表現をする鉄道会社は、比較的少数なのが特徴だ。お客にこの表現をする目的は、戸袋やドアとドアの隙間に”指詰め”防止である。なおJR東海は2024年の時点ではこれを案内する事は少なくなっている。
⑥空いているドアからご乗車ください
朝混雑時などのホームが混雑している時に、人が多く乗り降りするドアから乗り降りするのではなくて、空いているドアを見つけてここから乗り降りしてくれと言う事
しかし「空いているドアからご乗車ください」と言っておきながら、「どこに空いているドアがあるのか?」教えてくれない車掌や駅員が圧倒的に多い。むしろ、早く乗せて定刻で列車を発車させる事が最大の目的である。
中には、あからさまに大混雑しているのにホームの駅員が「空いているドアからご乗車ください」と放送し、ドアを閉める車掌(JR東日本の元社員の著書による)が「空いているドアなんてどこにもないんだよ!!😤全部混んでいるんだよ!!😤」とイラだっていた。私が思うには、実態と放送内容が「かなり矛盾している」と言っておく。
そんな中で、なぜ「空いているドアからご乗車ください」と言うのか?この狙いは2点ある。
①混雑しているドアから乗り降りすると、その分お客が滞留するため乗り降りに時間がかかり、遅れにつながる事を防止。
②駅の階段や改札に近い車両は混雑がひどいが、それらが遠い車両は空席があると言うように、車両によって混雑のバラツキを防止するため。すなわち「混雑の平準化」を図るためだ。
JR各社=案内あり
但し地域・路線によっては、この案内をしない事もある。
⑦乗務員トラブル、乗務員支障
何らかの理由で、乗務員(運転士、車掌)が用意出来ない事。列車を運転出来る人が居ないので、運行する事が出来ない事
具体的には下記のようなものが多い
◆会社側の手配ミス(勤務シフトの作成ミス)で乗務員が用意出来ない(主にダイヤが乱れた時に発生しやすい)
◆乗務員の体調不良で乗務継続困難
◆乗務員が必要な備品を紛失・忘れた時(例えば帽子が風で飛ばされた、メガネを線路に落とした・事務所に忘れた等)
◆欠乗事故(車掌がドアを閉めて発車指示を出したのに、何らかの理由で再びホームに降りて車掌を乗せずに列車が発車した事)
これについては、いろんなパターンがある。要するに乗務員によるミスが原因である。その時はわからなくても、数日して新聞で面白おかしく記事になって、ようやく事実が判明する事も珍しくない。
JR西日本は確実に自社ホームページにこの事を書くが、事案によっては書かない事もあるJR北海道、JR東海、JR九州のような会社もあれば、JR東日本のように全く書かない(公表しない)会社もある。
とは言っても各社「公表基準」と言うものがあって、これに満たさない内容の場合は、公表しない事が多い。最近はX等のSNSで指摘されてそれが明るみになり、「炎上」になってようやく鉄道会社が声明を出す…と言う事も少なくない。
JR北海道=事実をそのまま言う事が多い
JR東日本=乗務員トラブル(状況に応じて事実をそのまま言うが案内する社員により個人差が激しい。但しこれは駅や車内において)
JR東海=案内なし(単に「しばらくお待ちください」、極稀に「乗務員支障」という事もある)
JR西日本=乗務員トラブル、乗務員支障(状況に応じて事実をそのまま言う事が多い)
JR東海については、仮に乗務員トラブルがあってもその事実を案内しない。(駅や車内において)
単に理由を説明せずに「遅れている」とか「各駅での安全確認」と称して別の内容で案内している。私に言わせれば「情報隠ぺい」である。
⑧大雨のため、大雪のため、強風のため、地震のため、津波警報発令のため、倒木のため、線路陥没のため、架線断線のため、沿線火災のため
その事実の通りである。大雨(概ね50ミリ/時)☔強風(概ね25メートル/秒)🌬等は「基準値」が定められており、これを超過する雨や風となった場合には、一時的に運転をしない
基本的には、各社とも事実の通り案内する。JR東日本の場合、線路陥没は「線路トラブル」、架線断線は「架線トラブル」等のように「○○(事実の内容)+トラブル」(例:「架線トラブル」)と案内する事が多い。状況や各地域支社にもよるが、それ以上の詳細は説明しない事が多い。
これは2024年1月1日の能登半島地震で列車内で被災してわかった話だが、そもそも大地震・大津波の時に気象庁発表の情報以外、鉄道現場(駅や車内)にはそれ以上詳細な情報は来ないことが分かった。輸送障害発生時は”けたたましいくらい”輸送指令からの指示無線が聞こえてくるが、この時は震度7の地震発生時から極めて静かであった。16時50分過ぎに「北陸地区今日は終日運転見合わせ」とボソッと聞こえてくる程度で、それ以上の無線連絡は皆無であった。
地震や津波の被害状況は乗務員も駅員もお客もわからないので、運転士が携帯ラジオでNHKニュース速報を聴いて初めて知る次第であった。
そのため、自然災害や線路障害等が生じた場合、「以降の運行は実施しない」、「いつから運行再開出来るかわからない」(誰も教えてくれないし、やってみないとわからないので「予定は未定」状態なのが実態)、「〇〇線の振替輸送ご利用ください」(あれば)程度しか出来ないのだ。
きっぷの取り扱いについては、例外はいくらでもあるが、基本的には全額払い戻し(行くのを止めて自宅に帰ると選択した場合、特急や新幹線ならばこの先も進む場合であっても運休になった列車の特急券は全額払い戻し)、振替輸送先でも今持っているきっぷは使える(但しICカードから残高を差し引いて利用する場合(つまり定期券以外)、18きっぷのような特殊なきっぷは除く)等の対応になる。規則では決まっていないこと(ダメな事)も現場の判断で超法規的措置でOKにする事例(例えば在来線が運休なので18きっぷ利用者も新幹線に無料で乗れるなど)も少なくない。
運転再開できるタイミングは、これら事実(大雨・強風等)が終了し、線路の点検を実施して、安全を認めたら(線路の破損がない事)である。
自然災害的なものも少なくないため、「誰が悪い」と言うものになっていないのも特徴だ。「しょうがないので、諦めろ」的なものも少なくない
⑨ホームの言い方
世間一般的には、「○番線」(○の部分は数字が入る。例:「1番線」)である。しかし、会社によって言い方が違う事をご存じであろうか?
JR北海道(会社公式)、JR東日本、JR東海(三重県を除く)、関東大手私鉄、名鉄、京阪と近鉄の一部、阪神=「○番線」
JR北海道(一部)、JR東海(三重県)、JR西日本、JR四国、JR九州、関西大手私鉄(阪急・阪神、京阪と近鉄の一部を除く)、西鉄=「○番のりば」
阪急=「○号線」
JR北海道(一部)、小田急(一部)=「○番ホーム」
↑これを見るとわかるが、JR北海道、JR東海、京阪、近鉄の4社においては、同一社内でもホームの言い方が統一されていない
JR東海の三重県は例外的に”訳あり”とも言える。元をたどると国鉄天王寺鉄道管理局(天鉄)管内で、大半は今やJR西日本となっており、JR西日本が「○番のりば」と案内しているので、天鉄時代の”名残”で今でも三重県のJR東海においては「○番のりば」にしているのではないか?・・・と私は思っている。
または、三重県の鉄道=近鉄で、近鉄の言い方にJR東海三重支店が合わせている?・・・とも思っている。
近鉄は南大阪線系統では比較的「○番線」を使う事が多い。大阪線。奈良線系統ではこれを使う事はほとんどなく、「○番のりば」に統一された感がある。なお近鉄は大阪線青山トンネル以西の「大阪統括部」と以東の「名古屋統括部」ではまるっきり案内文言が違う。「ツッコミどころ満載」のためここでは詳細説明は省略するが、例えば各駅に止まる列車は大阪だと「各駅停車」、名古屋だと「普通電車」という案配である。
京阪は会社公式には「○番のりば」である。しかし、京阪本線のホーム放送ではなぜか?「○番線」になっている。実質的には「〇番のりば」の陣営でも差し支えないかもしれない。
なぜ「〇番のりば」があるのかと言う理由だが、JR西日本の場合「運転番線」(運転上使う線路の番号・「上り本線」「下り本線」「上り2番線」「下り1番線」、中線がある駅は「中1番線」など)は「〇番線」と称しているのに対し、「営業番線」(一般的なホーム番号の言い方)と区別する目的であえて「〇番のりば」としているようだ。
厄介なのがJR北海道である。会社公式には「○番線」である。今から10年くらい前までは「○番ホーム」が会社公式だったような気がする。
例えば新函館北斗駅で・・・
駅員A氏=「今度○番線からの列車は・・・」
駅員B氏=「今度○番のりばからの列車は・・・」
駅員C氏=「今度○番ホームからの列車は・・・」
↑と人によって、全く違う。つまり人によってバラバラなのだ。なお、駅ホームと列車内の自動放送は「○番線」に統一されている。
大きく分けると、東日本=○番線、西日本=○番のりば・・・で案内する事多い。
⑩謝罪の言い方
これは、列車の遅れが発生した時など何らかの理由でお客に謝る(謝罪する)必要がある時の言い方である😞
世間一般的には、「申し訳ございません」や「お詫びいたします(お詫び申し上げます)」であるが、これについても会社によってバラツキがある。
どの鉄道会社も共通して言うフレーズが・・・
「ご迷惑をおかけしました」
である。これにプラスしてさらに謝罪する事を言う時に、何を言うか?
JR北海道、JR西日本、関西大手私鉄=お詫びいたします(お詫び申し上げます)・・・例:「ご迷惑をおかけいたしましたことを、お詫びいたします。」
JR東日本、JR九州、関東大手私鉄(京急を除く)=申し訳ございません(申し訳ありません)・・・例:「ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございません(申し訳ありません)」
京急=ご了承ください(例は後術)
JR東海=特になし(「ご迷惑をおかけしました」だけ・後術)
最近JR東日本で多いのが、「ご迷惑をおかけしました」と言わないパターン。使い方としては「列車遅れまして、申し訳ございません(申し訳ありません)」である。
東京メトロのような”重ね形”(勝手に命名)もあって、「列車遅れまして申し訳ございません(申し訳ありません)。お詫びいたします(お詫び申し上げます)」(またはこの逆)である。
但し駅員や乗務員によっては、会社公式には「申し訳ございません(申し訳ありません)」を謝罪用語としていても、単に「ご迷惑をおかけしました」としか言わない人もそれなりに居て、大半が定年が近いベテランである。主にJR東日本や東武で見かけられる。
特殊な言い方が京急で、「本日は列車遅れましてご迷惑をおかけしますが、ご了承ください」と謝罪する。京急としては運転見合わせ区間は最小限にとどめて、なるべく多く運転するように努めているので、列車が遅れている事は許してくれ!と。
その上で、途中駅で行き先変更や種別変更をやるかもしれないが、少しでも速く元のダイヤに戻して、お客さんの不便を解消するように今頑張っている!と言うアピールにも感じる。
それに対してJR東海は「ご迷惑をおかけしました」としか言わない。「お詫び申し上げます」というような丁寧な詫び方は今まで聞いた事が無い。
…のが長年続いたが、2022年になって「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」というようになっている。
京急に近いような所もあるが、結局は自分たちの責任による事故(輸送障害)ではない(例えば、人身事故や大雨等)時はわざわざ丁寧に詫びる必要もないという論理も一応は通じるし、ネット上では賛同する意見も一定数ある。
それでも形式的に詫びておく必要があるため、「申し訳ございません」😞とガッツリ謝るよりは、お客に列車遅延等で迷惑をかけている事だけは事実なので「ご迷惑をおかけしました」に留めているのでは?…というのが長年の見方だったが、JR東海は2020年以降良い意味で変わり過ぎているので(詳細は言うと長くなるので省略)その一環と思える。
⑪到着時刻のご案内は「WESTER」から?
「WESTER」とはJR西日本のスマホアプリである。JR西日本管内の運行情報、時刻と運賃検索はもちろん、「e5489」(ネット予約サービス)やICOCAカードの番号等を紐づけすればこのアプリから特急や新幹線のきっぷが予約・購入出来る。さらにJR西日本グループの各社が展開するサービスや「tabiwa by WESTER」と称するサイトで西日本地域(四国も含む)でお得になるモバイルチケット(要するに乗り放題きっぷ)も売っている。JR西日本グループの利用がそれなりに有ればスマホにインストールしておきたいアプリの1つにもなっている。
2023年頃から特急サンダーバード・北陸新幹線では車掌による到着時刻案内・乗換案内(乗り換え列車の時刻等)を放送しなくなった。「詳しくはJRおでかけネット・WESTERからご確認いただけます」と自動放送が案内。車掌も余計な事を言わなくなり、車掌放送皆無の列車さえもあったりする(先日乗った新幹線はくたかがまさにそうだった)。恐らくJR西日本全体的な施策で和歌山であろうが、島根であろうが、広島であろうが同じ事なのであろう。
ではどうやってアクセスするのか?というと、座席手前のテーブルにQRコードが貼ってあるので、それをスマホに読み取らせれば終わり。あとはスマホから情報を知ってくれ!というやり方である。
これはJR西日本に限った話ではなく、JR東海やJR東日本もこのやり方で、車内や駅にQRコードがあるのでそこからアクセスして調べてくれ!となっている。
JR東海の名古屋駅付近(在来線)に至っては駅ホームの紙の時刻表自体を撤去。デカくQRコードが貼られ「QRコードをスキャンして時刻を確認してくれ」の方針になった。これは名古屋市営地下鉄や他の大手他社でも広がっている。驚いたのは2023年頃から東海道新幹線でも在来線乗り換え列車の案内は車掌放送では実施していない。
「スマホで調べればわかるでしょ。だからいちいち基本的な案内はやらない」
というスタンスになっているのが、ここ最近の鉄道利用における大きな変化である。
恐らくお客の97%程度はスマホを持っているので「これで問題ない」と考えているのだろう。逆にスマホを持っていない(持てない・持ちたくない)極わずかな人は不便極まりない時代となっている。こういう「情報弱者」には冷たい世の中になっているのは、JRの方針云々以前の問題で、世の中全体がそれでヨシとなっている表れだ。
★まとめ
他にも「鉄道案内用語」は山のようにあるが、概ねのそれは網羅したつもりである。他にも解説して欲しい「鉄道案内用語」、その他本文記述内容に対する誤りの指摘、疑問に対する回答、感想があれば、コメントされるとありがたい。
鉄道友の会は毎年優秀な新型車両に対して、「ブルーリボン賞」(略して「B賞」とも言う)、「ローレル賞」(略して「L賞」とも言う)を贈っている。車両の中に「鉄道友の会○○年ブルーリボン賞」と言うプレートを見たことがある人も多いだろう。どういう目的で「ブルーリボン賞」「ローレル賞」と言うものがあって、どういうやり方で受賞する車両を決めているのか?詳しく説明する。
★「ブルーリボン賞」「ローレル賞」の目的と選定基準は?
「ブルーリボン賞」「ローレル賞」と言うのは簡単に言えば、「最優秀新型車両」を鉄道ファンが集まる団体が決めてしまおう!と言うものである。プロ野球で言うならばルーキーの中で最も活躍した選手が受賞する「新人王」と同じである。
なぜ「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」の2つの賞があるのか?と言うと、元々は前者は特急・新幹線車両を対象に、後者は通勤・一般型車両を対象にしていた。
しかし、近年は選定側の意図が変化してきているのも事実で、必ずしも「ブルーリボン賞は特急・新幹線車両でないとダメ」「ローレル賞は通勤・一般型車両でないとダメ」と言う事にはしなくなっている。
例えば2016年のブルーリボン賞は阪神5700系(新ジェットカー)、2017年はJR九州BEC819系(DENCHA)と通勤・一般型車両が受賞。逆に通勤・一般型車両が対象であった特急・新幹線車両がローレル賞を受賞するケースもあって、例えば2010年は近鉄22600系(新Ace)、2018年はJR東日本E353系(特急あずさ・かいじ)、東武500系(リバティー)が受賞。
世間一般的には
「鉄道マニアが独断と偏見で決めているんでしょ?😒」
と思われているのも事実だ。正直私もそう思っていた。
しかし鉄道友の会の会報「RAILFAN」(偶数月に発行。鉄道友の会会員には必ず届く本で、極一部の書店で900円で一般向けにも販売)には、「スゴイ立派な決め方をしているな!」と感心した。
独断と偏見で主観的な感じで決めているのではなく、キチンとした「規程」が存在しこれに基づいている事、さらにはどこからも「忖度」を受けない公平公正に判断出来る委員(毎年異なる人が選出。詳細後術)の審議で最終決定する。同会報の第752号(2017年7月)を引用(一部項目は省略)する形でご紹介。
①賞の目的は、「わが国の鉄道車両進歩発展に寄与」
当然だが鉄道は「輸送するための道具」である。車両は輸送に適した構造と輸送力(乗車可能な人数、積載可能な荷物の量)を確保しておく必要がある。そのため1両あたりの輸送力が極端に少なく、内装品が豪華すぎる、”インスタ映え”(映り映え・写り映え)するような目的の車両は、「輸送するための道具」として適しているとは言い難い。
具体的にはJR九州の「ななつ星in九州」とかJR西日本の「瑞風」、JR東日本の「四季島」のようなもので、1両あたりの乗車定員が4人とか5人では「輸送力としてどうなのよ?」と言う事だ。
それではJR東日本のE231系6ドアみたいに座席はすべて収納し、1両に300人近くを立たせるだけの車両が優秀なのか?と言うと必ずしもそうではない。
後術する「快適性」や「利用のしやすさ」では極めて悪いので極端すぎる輸送力を提供する車両は、ブルーリボン賞・ローレル賞の考え方として合致しないと言う事だ。
②「当該事業者のみの用に共する車両は除く」
お客を乗せる事がない、いわゆる「事業用」とされる車両(国鉄・JRでは「ヤ」と付く車両)は除外。
新幹線の「ドクターイエロー」JR東海の「ドクター東海」は旅客・荷物を乗せることがない「事業用車両」なのでブルーリボン賞・ローレル賞の対象外となる。
③「ブルーリボン賞は最優秀車両に、ローレル賞は優秀車両に贈呈する」
これについては前述と重複するが、現在(2024年現在)ローレル賞については「性能、外形等のいずれかに卓越した」と言う事が条件になっている。「対象車種(ブルーリボン賞=特急・新幹線車両でないとダメ、ローレル賞=通勤・一般型車両でないとダメ)の区別はしていない」と公式に認めている。
④「毎年1回選定」
前年の1月1日~12月31日の間に新たに(新造・改造問わない)営業運転開始を認めた車両に限り優秀車両を選定😆例年4月に鉄道友の会会員を対象に「投票券」に相当するハガキが届きこれを返送する。例年5月~6月にかけて鉄道友の会からブルーリボン賞・ローレル賞が公表される運びである。受賞車両に対する「授賞式」(同時に会員向けの撮影会も開催される事が多い)は例年秋(10~11月が多い)に執り行われる。
⑤「投票は会員1名につき2票で、候補車両のうちから2つを選択」
「投票券」にはノミネート(候補)車両が書いてある。この中から2つ選択する。単に「○」を囲むだけ。
「俺的にはこの車両がブルーリボン賞、あの車両がローレル賞にふさわしい!」と勝手に賞の種類を指定する事は出来ない。
また、選択する数が「2つ」と言うのがポイントで、これが「1つ」や「3つ」「4つ」では無効票扱いになる。
⑥「ブルーリボン賞は、投票の結果に基づき選考委員会が公平かつ十分な審議を行った上で選定する」
この表題は「RAILFAN」誌面では続いていて、「得票第1位の車両を選定するが、選考委員会が得票第1位の車両を選定せず2位以下の車両を選定できる5つのケースを定める」とある。どういう事か?と言うと・・・
A、2位以下の車両でもその車両が最も優秀と認められる
B、1位の車両の得票率が極めて低い
C、得票が偏っている
D、上位の得票数が極めて接近している
E、投票内容に疑義がある
例えば2018年の鉄道友の会会員による投票では、ブルーリボン賞を受賞したJR西日本の35系客車(SLやまぐち号の新型客車)と同社のキハ87系「瑞風」、JR東日本のE001形「四季島」の得票数が大接戦!1位がキハ87系の402票、2位が35系客車の401票、3位がE001形の400票であった。
基本的には得票数1位=ブルーリボン賞となるが、同年の場合単純に得票数1位=ブルーリボン賞ならば「瑞風」で決定だった。
しかし、上記①の事を考えると果たして妥当なのか?
単なる「人気投票」と言うシステムで受賞を決定しているのではないのだ。これについてはさらに詳しく説明がなされている。
C、投票の偏りについて
必然的に東京や大阪と言った都会を走る鉄道車両では、どうしても得票数が集中してしまう。そればかりを受賞させてしまうと逆に地方の車両はいつまでたっても受賞できなくなってしまう。これは「得票数至上主義の弊害」である。
こうした状況を鉄道友の会の各地方支部は嘆いた歴史もあって、各支部が独自に地元車両に賞を与えた事もあった。例えば静岡鉄道1000形は静岡支部より1979年に「おれんじ賞」を受賞しているが、ブルーリボン賞・ローレル賞は受賞していない。
「1979年おれんじ賞」のプレートがあった静岡鉄道1000形
さらに、鉄道友の会会員は単なる乗り鉄、撮り鉄だけでは終わらず、車両のメカニック的な事、鉄道会社の経営状況や営業制度等の細かな所まで研究対象としているし、今や「○○鉄」と称したいろんな「○○」と入る鉄道趣味が多いのも事実。
当然投票内容も各会員の考え、思考等により異なるのも事実。例えば「乗りが専門」の人だけ、「撮りが専門」の人だけ、「模型が専門」の人だけ、「メカニックが専門」の人だけが投票したとなれば、当然結果は偏りが出て来る。
すなわち「どうやってバランスを取るのか?」と言う事だ。単に投票結果だけでは「それが本当に優秀車両として妥当なものなのか」と言う疑問、さらには単なる「人気投票」になってしまう事を懸念した。
E、投票内容に疑義がある
これはいわゆる「組織票」の事である。「JR東日本の熱烈なファン」が多く居た場合、当然自社(JR東日本)の車両を優先的に投票するのは言うまでもない。自社車両が候補になかったり、少ない場合は別だが、自社車両が多い時に例えばライバルである東急や東武、小田急、JR東海や近鉄等の他社車両について積極的に投票するか?と言うと投票しない。
政治選挙で言うならば、自民党の党員・党友は選挙では自民党やその他与党の候補者に投票するが、自選挙区でそれらの候補者が出馬しない限り間違えても立憲民主党や共産党、維新の会等の他の政党の候補者には投票しないのと同じである。
すなわち、特定の社しか興味がない人ばかりが投票して、結果もその社の車両に得票が集中するとなれば、それは公平・公正とは言えない。これも「バランス」が大事なのだ。
⑦「ローレル賞は、選考委員会が公平かつ慎重な審議を行った上で決定する。投票結果を参考にする。複数車両を選定できる」
過去の受賞車両を見るとわかるが、ローレル賞については2~3車両が受賞している事が多い。ブルーリボン賞については1車両限定だが、ローレル賞については1車両限定ではない。得票数が少ないからと言って、ローレル賞受賞のチャンスは十分あって条件としては、「鉄道車両の進歩発展に寄与する」事が出来ているか?どうかだ。
★ブルーリボン賞・ローレル賞の「選定委員会」とは何者なのか?
選定委員会は東京にある鉄道友の会本部に設置。まずは理事会で誰を委員長にして、誰を委員にするのか?から決める。
例年11月に決まり、翌年1~3月にかけて数回の会議を開催し、4月に一般会員が投票する候補車両を決める。
基本的にはブルーリボン賞・ローレル賞の規約に照らし合わせて行うため、内容によっては必ずしも投票候補車両になるとは限らない。
下記に「学識経験を~」からと細かな条件があって、ここには「会員から推挙する」としているので、少なくても鉄道友の会会員でないとダメだろう。
とは言っても「誰でもなれる」わけではない。こういう”難しい条件”がある。
「学識経験を有し公正な判断を持つと認められかつ鉄道車両に精通し趣味活動に実績のある会員の中から候補者を推挙し審議を経て委員候補者を選出」
とある。私に言わせれば「??」だらけである。細かく見て行こう。
①学識経験?
「学識経験」と言うのは、大学や専門学校で「鉄道車両工学」、「交通政策学」等を学ぶ事が条件?少なくても縁もゆかりもない「文学部」卒業とか「普通科高卒」ではダメと言う事か?
②公正な判断を持つ?
「公正な判断を持つ」と言うのは、どこからも”忖度”を受けない人の事であろう。特定の社は高く評価するが、別の社は低く評価する事しかしない、一応鉄道友の会会員の”某○島冷蔵庫氏”(あえて名前は言わない)みたいな人はダメと言う事であろう
「鉄道車両に精通」と言うのは言うまでもないことで、やはりメカニック的な知識や技術もないとダメだろう。理想は自分で”車両イジリが出来る”事であろう。いわゆる「車両鉄」が有利で、私のように「SiC素子とはなんですか?」というように何もメカニックに詳しくない人は適任ではない
③趣味活動に実績がある?
「趣味活動に実績がある」・・・これが最も意味不明な点🙄
全員が全員それなりの実績があるはずで、鉄道友の会会員になるくらいだ😆非会員の「にわか鉄」とか自称乗り鉄三代澤康司氏(元ABC朝日放送エグゼクティブアナウンサー、2021年4月からフリーアナウンサー、「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」月曜日~木曜日の9~12時にABCラジオで放送でおなじみ、同番組で京阪電鉄とのコラボレーション企画で快速特急「洛楽」を命名)よりも・・・
「レベルが高い鉄ちゃんだらけ」😆
である。私のように需要のあるキーワードをYahoo!やGoogleで検索するとわかりやすい所にブログが表示されたり、人気の鉄道系Youtuberのような事は示すのだろうか?趣味活動の実績ってつまりどういう事よ?どうすれば選定委員になれるのよ?
2021年4月に鉄道友の会に会員に鉄道系YouTuberスーツも加わった(但し2024年現在いわゆる「幽霊会員」で会での活動実績は皆無)。彼が車両のメカニック的な点までは詳しいのか知らないが、今や「YouTubeの鉄道=スーツ」ともなっており、「趣味活動に実績がある」と言われればその通りである。
YouTuberはその点そういう意味にもなるわけで、他に「西園寺」、「がみ」、「謎のちゃんねる」、「カコ鉄の日常。」(女性)、「白衣鉄道」、「西上いつき」(元名鉄運転士)、銚子電鉄の竹本社長(動力車操縦者免許を持っているので専門家とも言える)、えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長(YouTubeはやっていない、ブログだけだが説得力ある記事が多い)、柴田東吾(鉄道ライター・鉄道ジャーナルの車両説明記事ではお馴染み・2024年ブルーリボン賞選定委員会委員)、岩成正和(本業は東京都職員で東京臨海高速鉄道に出向しコミケ輸送に従事した事があるらしい(鉄道ピクトリアルに書いてある)、鉄道雑誌への寄稿が多く「あーいえばこーいう」的な物書きで、これでもか!と言うくらい知識と歴史をねじ込む・この人も一応会員らしい)・・・などなど他にも多数居る。
当然それで「飯が食えている」のも事実で、そういう人を「趣味活動に実績がある」と言うべきか。
それとも「社業専念」ではないが、鉄道友の会の活動に積極的な人(各支部役員・本部役員・RAILFANと言う会報に車両の詳しい説明を書いたり投稿回数が多い等)の事を示すのか?
この辺の「公式見解」が気になる。
④選定委員会の委員の経歴は?鉄道車両のメカニックに精通した専門家ばかり
「RAILFAN」には選定委員長から、2019年のノミネート車両(会員が投票する車両)の簡単な説明、ノミネートに至った簡単な経緯等が書いてある(第767号、2019年4月より)。
委員長が1人、委員が9人で組織されており、各委員の氏名と生まれた年と簡単な経歴が書いてある。2019年に関しては女性は含まれていない。(と言うか鉄道友の会自体女性会員が少ないのであろう)
年齢も高めで委員全員が私よりも年上(つまり10~30代で委員の人は居ない)で、若くても40代前半。今後はスーツや同じくYouTuberのがみのような20代が委員になる事はないのであろうか
ここから簡単に一部委員の経歴を抜粋してみよう。誌面上ではちゃんと氏名が書いてあるが、当ブログでは氏名を伏せてA氏、B氏と言うような形で書く
A氏・・・趣味対象は広い。地方私鉄研究から発展し車両技術史に興味を持つ。車両機器の視点から各社を横断的にとらえた時代区分する事が特徴。本業は会社員。
B氏・・・私鉄を中心に形式写真の撮影と記録、車歴調査と形態分類にも取り組む。著書が数作あり。本業は会社員。
C氏・・・交通機関の安全性に関心を持ち、機械工学等を専攻。本業は大学教授で鉄道研究会の顧問として次世代の趣味人育成も。
D氏・・・趣味対象は車両技術。年代や車種問わずに研究対象に。特に路面電車は詳しく運転面も明るい。著作が数作あり。本業は団体職員。
E氏・・・車両分野は運用・編成調査等の確実な記録をめざす。大手私鉄の形式(1両単位)・列車(車両の前から後ろまで全て)の写真撮影に全力を注ぐ。この人が最年少。
F氏・・・電車に関心あり。電気工学を専攻。著作が数作あり。本業は技術士。
G氏・・・某鉄道会社で勤務経験あり。趣味分野は車両が中心。旧型国電、気動車等に興味を持つ。著作も数作あり。
↑これを見ると「う~ん・・・」と言った感じである。
共通して言えるのが、やはりメカニックに詳しい事
電気工学専攻などの専門的な勉強もしていて、それが本業だったりもする
必ずしも選定委員会≠職業ではないため、本業は普通の会社員と言う人も多い。
それでも委員になればそれなりの報酬が出るだろう。「定職」に就いている事も条件なのであろうか?そうなればYoutuber的な遊びだか?仕事だか?よくわからない職業(彼は「自営業」「会社経営」とする事が多いが)をして生活費を稼いでいる人はふさわしくないと言う事か?
⑤選定委員会に鉄道の事が詳しい専門家・ライター・タレント・アナウンサー等も参加させてみては?
技術面については明るくないが、営業面や各路線の実情や車窓、その他鉄道ウンチクが詳しい専門家やタレント・アイドルも近年では目立つようになっている。この人たちの発言・著述・活動等で「世間を動かしている」所もあって、このような人たちも委員に入れて良い時代になったのではないか?
具体的な人名(敬称略)を申し上げると・・・
梅原淳(鉄道ジャーナリスト・特にオススメ)
渡辺史絵(鉄道ジャーナリスト・鉄道友の会会員・特にオススメ)
土屋武之(鉄道ライター・特にオススメ)
鶴通孝(鉄道ジャーナル副編集長・特にオススメ)
三代澤康司(前述)
別井敬之(NHKアナウンサー)
馬野雅行(MBS毎日放送アナウンサー)
谷川恵一(MRO北陸放送アナウンサー)
野月貴弘(歌手・芸人)
草町義和(鉄道ライター)
池口英司(鉄道ライター)
栗原景(鉄道写真家・鉄道ライター)
横見浩彦(鉄道ライター)
古谷あつみ(タレント・元西日本旅客鉄道従業員)
斉藤雪乃(タレント)
小倉沙耶(タレント・元通運会社従業員)
久野知美(アナウンサー、東武特急リバティーや西武特急Laview等の車内アナウンスでおなじみ)
南田裕介(芸能事務所ホリプロマネージャー)
蜂谷あす美(鉄道ライター「旅の文筆家」の肩書でおなじみ)
山井美希(鉄道写真家)
村上悠太(鉄道写真家)
伊原薫(男性、鉄道ライター)
小林拓矢(鉄道ライター)
宮田寛之(雑誌鉄道ファン名誉編集長)
大坂直樹(週刊東洋経済記者・特にオススメ)
スーツ(鉄道系Youtuber、鉄道友の会会員、若者を中心に影響力が大きい・特にオススメしない)
西園寺(鉄道系YouTuber、特にオススメしない)
関大地(東日本旅客鉄道の元車掌、実業家・YouTuber、現場を知っている人の意見としてオススメ)
などなど、こういうような人たちも委員にしてしまえば良いのでは?と思う今日この頃。
「特にオススメ」と書いた人物(5人)は私の中で、公平な評価が出来て、なおかつ最近の情勢も明るく、客観的な評価が出来ると思っている。この辺は賛否あろうが、技術面以外の別の面からも評価できるのではないか?と思う
特に特急車両は新車導入を契機に運賃制度の変更があったり、それこそが社運をかけた一世一代の勝負的な事もあったりするので(例えば上記写真の京阪2代目3000系、JR東日本E5系やE657系、近鉄50000系、西武001系等)、「単に乗る側の立場」「有名な鉄道ファンの意見」、週刊東洋経済の大坂記者のような現場の営業面は経営的な事がわかる人が評価する事も良い事だと思う。オブザーバー的な感じでも良い。この辺はみなさんのご意見をお聞きしたい
★鉄道友の会の正会員(一般会員)はどうやって、「ブルーリボン賞」「ローレル賞」対象車両を選ぶのか?🤔
これについては繰り返しになるが、毎年4月に送られてくる会報「RAILFAN」の中に同封されているハガキを使う。このハガキが「投票用紙」である😆
既にノミネート車両(投票候補車両)が印刷されており、そこに「2つだけ」ブルーリボン賞・ローレル賞の候補として妥当な車両に「○」を付ける。
締切期日が決まっており、2019年は4月15日(月)、2020年は4月13日(月)、2021年は4月19日(月)、2024年は4月15日(月)の消印有効であった。
締切日以降の消印、郵便ハガキ以外での投票(例えばFAXで送る、「クロネコメール便」で送る、電子メールで送る等)、「○」の数が「0個」「1つ」「3つ」「4つ以上」は無効である。
年によって多少の前後はあるが、概ね4月1日~5日ごろまでに「RAILFAN」が自宅に届き、4月15日~20日前後(概ね月曜日が多い)の消印有効で投票が行われる。
実際にノミネート車両は「RAILFAN」が発行されないとわからないし、それを読んで実際に乗りに行ったり、鉄道雑誌の掲載した内容(具体的にどの雑誌の何年何月号に掲載したか?書いてある)読んだり、関連するブログ記事や鉄道会社の公式ページやプレスリリースの確認、Youtubeでノミネート車両(投票候補車両)の動画を見たりするはずで、それらの事をするには少なくても1週間程度の期間が必要だ。私の場合は事前に投票候補になる車両を予想しておき、実際に「RAILFAN」が届いたら内容を確認する
「これとこれに投票する」と決めておき、投票候補車両にそれらが入っていれば、そのまま2つに「〇」を囲み、会員番号や住所氏名を記した上で郵便ポストへ。決めた車両が投票候補車両に入っていない場合は、その中から鉄道雑誌等の記述やブログ記事(他人の分も含む)・YouTubeを見て検討する事になる
★過去の「ブルーリボン賞」「ローレル賞」受賞車両は?
最後は、過去にどんな車両がブルーリボン賞・ローレル賞を受賞しているのか?一部であるが掲載する。
【ブルーリボン賞受賞車両】
↑近畿日本鉄道(近鉄)21000系(アーバンライナーplus、1989年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)651系(特急スーパーひたち、1990年)
↑東武鉄道100系(特急スペーシア、1991年)
↑九州旅客鉄道(JR九州)787系(特急つばめ、特急かもめ、特急にちりん等、1993年)
↑南海電気鉄道50000系(特急ラピート、1995年)
↑九州旅客鉄道(JR九州)883系(特急ソニック、1996年)
↑西日本旅客鉄道(JR西日本)500系新幹線(1998年)
↑西日本旅客鉄道(JR西日本)東海旅客鉄道(JR東海)285系(サンライズエクスプレス、1999年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E257系(特急あずさ、特急かいじ等、2001年)
↑近畿日本鉄道(近鉄)21020系(アーバンライナーnext、2003年)
↑四国旅客鉄道(JR四国)5100形(5000系、マリンライナー、2004年)
↑小田急電鉄50000形(ロマンスカーVSE、2006年)
↑富山ライトレール0600形電車(ポートラム、2007年)
↑東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)N700系(16両編成のぞみ・ひかり・こだま、2008年)
↑小田急電鉄60000形(ロマンスカーMSE、2009年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E259系(特急成田エクスプレス、2010年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E5系新幹線(東北新幹線はやぶさ、やまびこ等、2012年)
↑近畿日本鉄道(近鉄)50000系(しまかぜ、2014年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、E7系・W7系(北陸新幹線かがやき・はくたか等、2015年)
↑九州旅客鉄道(JR九州)BEC819系(DENCHA、2017年)
↑小田急電鉄70000形(ロマンスカーGSE、2019年)
↑西武鉄道001系(Laview、2020年)
↑近畿日本鉄道80000系(ひのとり、2021年)
↑東海旅客鉄道HC85系(特急ひだ・特急南紀・2023年)
【ローレル賞受賞車両】
↑日本国有鉄道(国鉄)キハ66系(九州地区の気動車、1976年)
↑東京急行電鉄(東急)8500系(画像は長野電鉄転属後、1976年)
↑名古屋鉄道(名鉄)100系(豊田線、1980年)
↑富山地方鉄道14760形(1980年)
↑日本国有鉄道(国鉄)117系(名古屋・大阪地区、1981年)
↑南海電気鉄道10000系(特急サザン、1985年)
↑九州旅客鉄道(JR九州)783系(特急つばめ、にちりん、ハウステンボス、みどり等、1989年)
↑北海道旅客鉄道(JR北海道)キハ281系(特急スーパー北斗、1995年)
↑東海旅客鉄道(JR東海)383系(特急しなの、1996年)
↑北海道旅客鉄道(JR北海道)731系(札幌周辺の普通列車、1997年)
↑東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)700系(新幹線のぞみ・ひかり・こだま、2000年)
↑西日本旅客鉄道(JR西日本)キハ187系(特急スーパーおき、スーパーまつかぜ等、2002年)
↑九州旅客鉄道(JR九州)800系新幹線(九州新幹線つばめ等、2005年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E233系(中央線、京浜東北線、上野東京ライン等、2007年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E721系(仙台地区の普通列車・写真)・仙台空港鉄道(仙台空港アクセス線)SAT721系(2008年)
↑京阪電気鉄道(京阪電車)3000系(2代目、中之島線開業時に快速急行として登場、編成全体での受賞、2009年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E6系新幹線(秋田新幹線こまち、2014年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)HB-E210系(仙石東北ライン、2016年)
↑静岡鉄道A3000形(2017年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E353系(特急あずさ、特急かいじ、2018年)
↑相模鉄道(相鉄)20000系(2019年)
↑叡山電鉄730形732号車(ひえい、2019年)
↑四国旅客鉄道(JR四国)2700系(特急南風、特急うずしお、2020年)
↑東日本旅客鉄道(JR東日本)E261系(特急サフィール踊り子、2021年)
↑東海旅客鉄道(JR東海)N700Supreme(東海道・山陽新幹線、2021年)
↑東京地下鉄18000系(半蔵門線・2022年)
名車揃いなのがお分かりだろう。会社別に見ると、小田急、JR東日本、近鉄、JR九州、車両用途で見ると新幹線については何らかの車両が出るとブルーリボン賞かローレル賞のいずれかを受賞する傾向である。
一方で車両の性能が良いのに受賞出来ていない会社もそれなりにあってJR北海道、京王、京急、京阪、阪急が該当する。
★まとめ
この記事1本仕上げるだけでナント!10時間もかかった”超大作”となった。私個人の評価としては非常に満足出来るブログとなった。
これだけ「ブルーリボン賞・ローレル賞」について説明したブログは”よそ”ではないと思うが、ご覧になるとわかるとおり「単なる鉄道マニアによる独断と偏見で最優秀車両を決めているのではない」のだ。
それは鉄道車両が「輸送するための道具」であるので、それに適しているか?鉄道会社外から判断する機会で、鉄道車両の部品は電機メーカー、さまざまな部品メーカーと言った産業界とも密接に関わりがあるし、時代に応じて車両の作りが変わり、ニーズに応えて行くと言う事を考えると、「これが最優秀車両!」と決めるのは十分意義がある社会に訴求する立派な賞だと私は思う。
2023年度東海道線静岡地区の大きな変化
東海道線静岡地区(東海道本線の熱海~豊橋)の2023年度(ここでいう2023年度とは2023年3月18日~2024年3月15日までの間を示す)は意外と変化が大きな1年であった。簡単にではあるが項目ごとにピックアップする。
【7月頃までは実は大きな変化が無かった】
↑2023年5月21日に行われたJR東海静岡車両区の一般公開。これはグランシップトレインフェスタとの連動企画で名目上は「さわやかウォーキング」の一環であるが、実際にはウォーキング参加者でなくても自由に入場出来た。この時並んだのは左側から、313系8000番台S1編成、373系F4編成・211系LL12編成であった。もちろん人気の場所となったのは言うまでもない。
↑2023年7月16日に撮影した211系SS編成。昼間は3両トイレ無しと言う列車が多数残っている状態であった。これは2024年度最初の段階では残っているが、年度後半以降は315系の新造導入や大垣や神領からの313系転属車に真っ先に置き換わるだろうから、「トイレ無し列車」が消えるのは時間の問題となっている。
↑313系2500番台T17編成による3両。これについては2023年度通じて大きな変化は全くなかった。2024年度(2024年3月16日以降を示す)に入り211系との併結運用はほぼ消滅。313系T・N編成だけの併結運用が目立つようになった。2024年度も昼間の一部列車で3両による列車は多数あり、「大運転」と称したくなる熱海~浜松のロングラン列車にも充当されている。
・・・とここまでは特に変化が無かった。
【211系車内から車番プレート撤去】
↑2023年7月29日に211系に乗車すると、車内から車番プレートが消えていた。
↑車外には「クハ210-5053」(2両GG5編成)とあったので、これで車番を知る事は出来るが、乗ってしまうとわからなくなる。その情報が欲しいのは鉄道マニアだけの話で、一般客の99%は「あってもなくてもいい」ものである。
↑車内については特に変わっていない。
↑外から見た顔(前面)も変わっていない。
これには理由があった。「クハ210-5053」と言う車番プレートが欲しい鉄道マニアは一定数居る。専門店何かに行けばウン万円で取引される事も珍しくない。引退が近い車両から車番プレートや行き先幕が盗難に遭う被害は昔からある。今ではそれがSNSで一気に広がり大騒動になる。
これとは多少話が異なるが、3年ほど前に島田駅に夜間留置中の車両備品の一部が盗難被害に遭った。以後JR東海は「防犯カメラ監視中」の札を運転席に設置して夜間留置している。これが鉄道マニアによる犯行か、窃盗団(鉄道が好きと言うわけではない)による犯行なのかは不明だが、どんな事情にしろ「車内備品紛失・盗難」は何が何でも避けたい。
過去事例からして鉄道マニアが車内備品を盗む(俗に「盗り鉄」とも言う)事件が起きていた事から、「ならばそうなる前に全部外してしまえ!」とJR東海は考えたようだ。そのため静岡地区の211系、名古屋地区の311系、飯田線の213系からは同時期に全て車内の車番プレートが消えた。保存してあるのか、廃棄したのかはわからない。
【車両用信号炎管の廃止】
↑「車両用信号炎管」とは鉄道車両向けの発煙筒と考えてもらって良い。自動車には人が持つ「携帯用」だけの義務付けだが、鉄道に関してはそれに加えて車両本体に直接取り付ける「車両用」も存在する。なお新幹線では「車両用」は最初から存在しない(それについて説明すると長くなるので省略する)。
どんな時に使うか?と言うと、触車・衝突等の事故や何らかの事情で緊急停車した時に「火と煙を出す」。これにより遠くからでも「異常がある」と認識させるのである。そのため車両用信号炎管使用時は車両から火事が起きているように見えるので、「電車から火事が起きた!」と大騒ぎするが実際にはそうではないのだ。実際の使用例についてはYouTube辺りで検索すればわかるだろう。
しかし、JR東海は2023年11月頃から車両用信号炎管の使用停止に踏み切った。211系の場合は天井にあるレバーを下に引く事で発火するが、313系の場合はマスコンハンドルの横にある「×印」のボダンを強く押すだけで良い。いずれも「使用停止」の札が貼られ使えなくなっている。
車両用信号炎管は車外(屋根)に突き出ている。使用時はここから「火と煙を出す」。「沼津」と書いた「沼の上あたり」にある出っ張ったものがそれであるが、撤去はされていない。単に使わなくなっただけである。
車両用信号炎管の廃止は他社でも同様で、JR東日本も使用停止している。E235系1000番台(横須賀線・総武快速線の新型車両・通称スカレンジ)の最近の新造車は車両用信号炎管そのものを省略した形で納車されている。俗に「ケチレンジ」とも言うが、315系3000番台のC103編成以降(神領所属)同じく車両用信号炎管は省略となっている。
車両用信号炎管を使用しなくなった理由として、異常時でも他の信号システムで安全確保や他列車に知らせる事が出来るようになったと思われる。この辺についてはいろいろ勉強が必要なので、今の所詳細は書かない事になる。
なお線路を共用するJR貨物の貨物列車については、どうなっているのか?わからない。機関車には当然車両用信号炎管は設置されているが、JR東海管内を走行する場合は使用禁止になったのか?どうか?はわからない。
【「静シス」の表記が消える】
↑国鉄・JRの車両は「静シス」と言う表記が必ずあった。すなわち「JR東海静岡支社(静)・静岡車両区(シス)」の意味である。
↑しかし、2024年1月26日に211系LL16編成クハ210-5039から「静シス」の表記が消えていた。正確には消されていた。写真を見るとわかるがしっかりと跡が残っている。
315系3000番台C103編成以降納車分(2023年10月以降)でも所属表記は消している(と言うか最初から書いていない)。基本的には名古屋工場入場の検査を受けた車両から徐々に消して行くようだが、この車両は最近入場した形跡がない。どうやら静岡車両区で消したらしい。
もはや「国鉄の遺物」となっている車両表記は意味をなさくなっているのが実態だ。
JR東海はその典型だが、車両は1両ずつ管理していない。編成管理である。HC85系は1両ずつバラして運用する事はなく、電車と同じく2両・4両と言う単位(これを「編成」と言う)で増結や切り離しを行う。編成単位であれば走行距離数も同じになるし、消耗品の消耗具合(個体差はあるんだろうけど)も同じとなる。「編成番号」さえわかってしまえばすぐにどの車両なのかすぐにわかるし、ネットで「(静シス・静岡)LL16編成」と検索すればすぐに車番どころか車歴さえもわかってしまうご時世だ。
そのため1両ずつに「静シス」と書く意味はなくなり、「クハ210-5039」と言う車番だけあれば十分である。
JR東日本も一部所属表記を削除している車両も出てきているが、こちらはやや事情が異なり、2022年10月の組織改正で、車両の管理は各支社から「首都圏本部」(旧東京支社の流れを汲む・関東各支社と長野支社)と「東北本部」(旧仙台支社の流れを汲む・東北地方各支社)が管理に変わり、前者は「都」、後者は「北」と表記する必要が出てきた。しかし、書き換える両数が軽く1万両以上はあるので容易では無いし、金もかかる。そこで書き換えずに消してしまった方が手っ取り早いので、そうしてしまったようである。
話が他社の話題になったが、今後静岡地区に入る315系は最初から「車両用信号炎管無し・所属表記無し」で納車の見込みだ。
【211系は2024年度中に全廃】
1月25日付けの「交通新聞」に「JR東海211系は2024年度中に全廃」と言う記事が出た。これについて裏付け取材を行うとこの話は本当であった。具体的な時期は未定ながらも(315系の納車状況による)遅くても2025年3月末日までには全て211系が消えてしまう事が確定となった。最後の1年、静岡の顔でもあった211系をたくさん記録(乗車と撮影)したいと思う。
【日時】2023年6月3日(土)
【場所】東武鉄道南栗橋車両管区春日部支所
【内容】鉄道友の会主催例会・東武鉄道N100系SPACIA X撮影会。今回は車内編
↑車外の編成写真と形式写真の撮影を終えると今度は車内の撮影に移る。
車両基地の場合、車内に入るにはドアに梯子を設置してこれを昇り降りする形で車内に入る。
参加者はヘルメットを外した上で梯子を登り車内に入る。とりあえず4号車のスタンダードシートに全員着席するように指示を受ける。このあとは班ごとに行動する。
自分がどの班なのか?は事前に知らされている。必ずしも1号車から順番に進むわけではなく、バラバラの号車から進む事が多い。それでも多彩なシートアレンジが自慢のSPACIA Xの全車両が撮影出来るように予定には組まれている。1両毎に「何時何分から何時何分まで」と言う時間制限付きなのは言うまでもない。
↑まずは5号車スタンダードシートから。デッキには液晶画面による案内装置を搭載。日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応する。
↑5号車はスタンダードシートで車椅子スペースあり。大型トイレ(車椅子対応)や多目的室もあり、そちらも撮影した。特に多目的室は普段使う事が無いのでここを記録(撮影)する事は貴重な機会であった。
スタンダードシートとしての座席数は他の号車に比べると少ない。大型トイレ・多目的室がある関係で使える場所が限定されている事もあるが、他に「ボックス席」もあるため。2人で使用することを想定しており、実際に座ってみると1,75人分の横幅。窓際からさり気なく伸びるテーブルもあって、2人旅行やテレワークにも適した空間だ。ボックス席に乗る場合はスタンダードシートなどと同じく事前に座席指定を受ける事が必要だ。
↑次は6号車の「コクピットスイート」「コンパートメント」。SPACIA Xで最も「ウリ」としている車両だ。
↑6号車と1号車のデッキには「天窓」がある。とは言ってもJR東日本E261系サフィール踊り子のように「開いている天窓」ではなく、SPACIA Xでは映像で再現する”仮想天窓”である。この時は「青空」となっていたが映像によるものなので、時期に応じたものを表現するという。
↑4人用個室の「コンパートメント」。「コの字」に座席(ソファー)が配置されており、大理石のテーブルもある。この4人掛け個室こそが100系スペーシアから続く東武特急伝統のもので、N100系SPACIA Xにもしっかりと受け継がれている。
↑1室しかない「コクピットスイート」。これがSPACIA Xの最大の特徴である。販売は部屋単位で1人で乗っても問題ない。最大で7人まで乗る事が出来る。前面展望を豪華なソファーに座りながら楽しむ事が出来る。コクピットスイートはあえて棚を設置していない。これは車窓から流れてくる景色を楽しんでもらったり、豪華さを感じてもらうためだという。
↑1号車コクピットラウンジ
↑デッキ付近には車内販売カウンターがある。日光の地ビール・オリジナルコーヒーを味わう事が出来る。金のビールサーバーやコーヒーメーカーもある。営業列車では絶対に出来ない「カウンターの内側」から1号車コクピットラウンジ全体を記録(撮影)する事が出来た。
↑コクピットラウンジ全体の見通し
↑コクピットラウンジもソファー席になっている。2人掛けと4人掛けがあり、テーブルやマクラもある。コクピットスイートと同じくこの車両もあえて棚を設けていない。
↑運転席前の最前列だけは前面展望が可能なソファー席になっている。
↑運転席に入る事も出来た。もちろんスイッチ類に触る事は禁止である。左手操作ワンハンドルマスコンでグラスコックピットとなっている。前方を見ると視野が広く見える形状で運転しやすい車両のように見えた。
↑2号車プレミアムシート。2列-1列の座席配置で、東武では初めてバックシェルを搭載。後ろの客の事を気にすることなく思いっ切り座席を倒す事が出来る。シートピッチは1100ミリ。東武特急としては破格の広さである。
↑3号車のスタンダードシート。こちらは一般的な特急車両の車内の雰囲気だ。SPACIA Xは多彩なシートアレンジが自慢だが、結局の所はこのスタンダードシートが最もな基本的な車両となる。座り心地は「可もなく不可もなし」であった。近鉄特急ひのとりとは異なり、スタンダードシートにはバックシェルは搭載していない。電源コンセントは標準搭載である。
↑車内の撮影は滞りなく終了し、時間が余ったので改めてSPACIA Xの正面(1号車側)から撮影する。これで撮影会は終了となり東武鉄道から非売品のお土産をもらい帰宅する。
↑SPACIA Xの公式カタログ・設計図・クリアファイルをもらう事が出来た。これが鉄道友の会主催撮影会の大きな特典である。設計図は鉄道雑誌(特に鉄道ファン)で公表の事もあるが、私自身じっくりと見る事は少ない。先方からもらわない限りじっくりと見ないのだ。概ね他社の撮影会(見学会)の際にももらう事が出来る基礎的資料で、結構参考になるものだ。
【日付】2023年6月3日(土)
【場所】東武鉄道・南栗橋車両管区春日部支所
【内容】鉄道友の会主催行事・東武鉄道N100系SPACIA Xの撮影会
↑東武鉄道のN100系「SPACIA X」は2023年7月15日(土)から営業運転を始めた。
鉄道友の会は東武鉄道の格別のご高配を賜り営業開始前の車両を撮影する機会を得た。会員の間では大好評になり、営業開始前に合計で3回も行った。私は6月3日の撮影会に参加した。
↑まずは受付を行う。鉄道友の会の会員ならば参加する資格はあるものの、応募者多数の場合は抽選により参加者を決める。そのため参加希望があるのに抽選から漏れて参加出来ない人もそれなりに居るのが現状である。無料で行われるものでもなく、有料の事がほとんど。最近はJR東日本がウン万円もする撮影会を行う事があるが、鉄道友の会の撮影会はリーズナブルな価格がほとんどだ。今回のSPACIA X撮影会は1000円だった。さらに鉄道友の会の会員証+身分証明書(運転免許証等)も受付で提出するように言われた。集合時刻は13時30分であるが、その5分前には多くの行列が出来ていた。
↑安全のため「ヘルメットと安全チョッキ」が借用される。鉄道友の会の撮影会(車両基地で実施するもの)は多くでこれが借用される。ヘルメットには東武鉄道の社紋が入っている。これを記録(撮影)する参加者は私以外に流石にいなかった。
まずは鉄道友の会の責任者と東武鉄道の担当者からも注意事項説明を受ける。「鉄道友の会」なので「鉄道の専門家」と言う認識が先方にはある(東武鉄道に限らず)。そのため「鉄道の専門用語」が何の断りもなく飛び交う。ここにいる参加者はいちいち細かい事を言わなくても、専門用語だけでなんでもわかるのだ。
↑早速編成写真から撮影を始める。浅草方の6号車N101-1(コクピットスイート・コンパートメント)から。
↑前照灯を点灯させると東武の「T」の字になる。
↑車両を少し前に動かす。
↑「X」の形をしたデザインが特徴的だ。
↑5号車(N101-2・スタンダードシート・ボックス席・大型トイレ・ロゴマーク・パンタグラフ)
↑4号車(N101-3・スタンダードシート)
↑3号車(N101-4・スタンダードシート・パンタグラフ)
↑2号車(N101-5・プレミアムシート)
↑1号車(日光方・N101-6・正面からも撮影・コックピットラウンジ・カフェカウンター)
6号車から1号車に向かって編成写真と形式写真を記録した。当然の事ながら新車なので台車・床下機器はピカピカの新品だ。
SPACIA Xは「白く輝く車両」だ。「X」の形をした窓が何とも特徴的で良いデザインをした車両でもある。
↑SPACIA Xの止まっている隣の線路には、10000系、800系、70090系などの車両が止まる。立入可能場所と立入禁止場所が当然存在し、この車両が止まっている正面には立ち入る事が出来ない。
・・・SPACIA Xの車体を撮影した。何ともワクワクする感じがした。続いては車内の撮影に移る。一旦4号車のスタンダードシート付近に参加者全員が集められる。
↑ドアには梯子が掛けられる。ヘルメットを外した上で梯子を登り車内に入る。鉄道用の梯子を使い車内に入るという体験をするのも車両基地ならではの事だ。次回はシートアレンジが多彩な車内の記録を紹介する。