★「安全は輸送業務の最大の使命である」を果たせるバスを選ぶ時代

2016年1月15日(金)1時55分ごろ、群馬・長野県境の国道18号線碓氷バイパスでお客13人が死亡したスキーバス事故。

「【運行管理ずさん・安全軽視の実態】軽井沢スキーバス事故について 1」(2016年1月16日当ブログ)

「【運行指示書不備】軽井沢スキーバス事故について 2」(2016年1月17日当ブログ)

「【社長謝罪も納得出来ない・運行記録装置不備】軽井沢スキーバス事故について 3」(2016年1月18日当ブログ)

「【抜き打ち監査に疑問・日本バス協会】軽井沢スキーバス事故について 4」(2016年1月24日当ブログ)


↑昨年の事故発生時、持論や思った事を書いた。
新聞等の報道では、「あれから1年」と題して被害者側の意見を中心に取り上げているが、「バスの安全」についてはここ1年大きく変化していないと感じるしかない。

国は何もやっていないわけではない。やってはいるが効果が伴っていないのが実情である。
悪く言えば、「机上の空論」だけで制度設計されているに過ぎないと思うのが個人的な意見だ。

例えば、「チェック体制の見直し」と言う内容。
バス会社は全国に約12万社もあると言われている。そのほとんどが保有台数5台以下の中小零細が占める。それをたったの約400人の監視員だけで全てをチェックする事は物理的に不可能だ。
その400人はバス専門ではなくて、他にもタクシーやトラックも兼務する。
もっと監視員を増やして、毎年全てのバス会社に対して国のチェックを入れるべきである。

国交省のホームページにある「事業者の行政処分情報検索 では、過去数年間で法令違反等により行政処分された事業者名が掲載されているが、こんなのは私に言わせれば「氷山の一角」。
他にも安全が約束できずに今日もお客を乗せてバスを運行している、名も知らぬバスは多々あると言う事を知るべきだ。
結局は、各社の考えに委ねられると言うのは変わらない。

安全に対して消極的な考えをしていると、結果として軽井沢スキーバス事故と同じ事を繰り返すのではないか?
事故を起こしても責任は誰も取らない。
軽井沢スキーバス事故を起こした(株)イーエスピーは、国交省からの処分を受けた。

「(株)イーエスピーの行政処分詳細情報」(国交省ホームページの事業者の行政処分情報検索)

↑平成28(2016)年2月19日付で、違反点数109点、「許可取消」と言う極めて重い処分。
違反行為を読むと33点もあった。こんなの「バカ」と言うしかない。
(株)イーエスピーのような「バカ」なバス会社は、明らかになっていないだけで、他にもタップリあるだろう。
軽井沢スキーバス事故では、事故後の責任や被害者の補償について、明らかにはなっていないが、思うように進んでいないのではないか。
つまり、単に謝罪するだけで、損害賠償金を支払う動きもないし、そもそもそれを支払うだけの経営体力もなさそうだし、運行管理者だった人が(株)イーエスピーを退職し他社へ同じ立場で転職等のウワサ(真偽不明)もあるが、「実際の行動」を見ていると、責任逃れと言わざるを得ない。


みなさんにとっては、「使わない」事が安全を守る。
具体的には・・・
①聞いた事のない(知らない)バス会社を使わない
②「日本バス協会加盟」(NBAマーク・セーフティーバスマーク)のステッカーが窓に付いたバスを使う

簡単に見極めが出来る方法はこの2点だ。
「絶対に事故を起こさない」と約束しているものではなく、「安全性が高いバス」と解釈されたい。
運転士に対する教育(運転マナー、接客等)が行き届いている、安全に対する投資(ドライブレコーダーの設置等)、決まった経路や時刻で運行している、いわゆる「白バス」でない事である。
都市間・市内地を通る路線バスは、ほとんどにNBAマークがあるので、安心して使って良いだろう。

バスや鉄道と言った職業ドライバーはもちろん、マイカーで人を乗せる場合も、常に「安全は輸送業務の最大の使命である」を肝に銘じるべきである。
その使命が果たせないと、それは仕事していない、人殺し、給料泥棒なのである。
ドライバー一人一人にそういう意識を持つべきで、特に職業ドライバーはより一層必要だ。
しかし、実際の公道走行を見ていると、道交法違反のような運転はトラックを中心に目立つし、一般ドライバーも目立つ。
それで事故を起こしたら、「お前責任取れるのか」と言う話。
家族、仕事、地位等を全て失っても良い、刑務所に行きたい人なんだと私は解釈しているが、乗り物を運転する以上のリスク管理をドライバー全員が強く認識・意識しないといけない。