先週末の全日本ロードレース第7戦、オートポリスラウンドは
まさに波乱万丈なレースウィークでした
始まりは、レースウィーク水曜日に行われた合同テスト、
午前中開始早々に、巧がアンダーブリッジの右コーナーで転倒してしまいます
他のライダーの方々がわざわざピットに言いに来てくれたほど激しい転倒で、
ピットの僕らは状況が分からずとても心配になりました
バイクが先に転がっていき、クラッシュパッドをはじき飛ばしてしまい、
そこに巧が突っ込んで、むき出しのガードレールにぶつかってしまったようです
頭部を強く打ち、脳震盪の症状がひどく、鎖骨も骨折していたため、
レースキャンセルもやむを得ない状況でした
翌日に巧は東京に戻り、治療に専念することとなり、
ぼくと雄峰は、今回は他のクラスのサポートをしようと思っていたら、
朝一に社長から電話があり、
「巧はかわいそうだけど、せっかくバイクがあるのにもったいないし
誰か乗せるか!?」と、いきなり提案がありました
誰かといっても、装具を持ってきていて、JSBに乗れそうなライダーで. . . .
簡単にはいないよなあ. . . .なんて思っていると、
一人、思い当たるライダーがいました
そう、アジア選手権でSS600に乗り、ハルクで8耐に参戦した清成選手
普段の全日本はダブルエントリー禁止ですがアジアとならOK、
つなぎも、チームのメインスポンサーがMuSASHiでそのまま、
そして、日本トップクラスの速さを持ち、
CBR1000RRを操りBSBでの3度のチャンピオン
はい、完璧です
とはいえ、ライダーの意志が一番重要なので、代役を打診すると、
ぜひ乗りたいと、快く引き受けてくれました
それから各方面に確認を取り、決まったのが木曜日午前中でした
すぐさま、お昼前のブリヂストン走行に参加、すごい流れでした
バイクは巧のセッティングからスタートし、
清成君の好みに合わせこんでいってもらいました
しかし、もともと巧のセットは8耐で乗ったセッティングに近いものなので、
さほど違和感もなく乗ってくれました
とはいえ、若いうちに世界にはばたいた清成くんにとっては
オートポリスはなんと10年ぶりで、コースを思い出すところから
はじめなくてはいけず、とても大変だったと思います
しかもコースに慣れ、タイムがあがってきたところでまた600の走行に戻る
しかし、それで1000に乗ってもまたすぐタイムをあげてくるところ、
ライダーの適応能力の高さを目の当たりにしました
セッティングが進むにつれ順調にタイムを上げ、
予選もなんと3番手、すごいです
決勝もSS600クラスレース2のすぐ後にJSBのレースだったので、清成くんも
「序盤、バイクに慣れるまではいけないかもしれませんごめんなさい」宣言(笑)を
していたのですが、レースが始まれば離されたのは1周目のみで
すぐに49秒前半でラップを始め、トップ争いに追いつきました
最後はトップのスパートに対し、バックマーカーがからみ、2位フィニッシュ
勝負するまでには至りませんでしたが、逆に考えれば、
レースウィーク急に決まった参戦で、トップ争いまで持っていくとは
思いませんでした
サスのセッティングに関しても、巧の抱えている問題点と同じようなことを
清成くんも訴えていて、それを解決すべくセットをつめていくなかで、
今後につながる発見も多々ありました
やはりすばらしいライダーだと思います
今後のアジア選手権もなんとかチャンピオン狙ってがんばってほしいです
そして、巧も昨年優勝したオートポリスのレースを走れないのは
無念でしたでしょうが、早く治して万全な状態で復帰してもらいたいです
巧が気持ちよく乗れるセッティングを作れるようにがんばります
待ってるぞ、巧
今シーズン残り2戦3レース、全力でがんばります
KOTARO