2016年8月14日、
4泊5日の“夏合宿”全日程を終えました。


一本締めで合宿を締めくくった後、自然と湧き上がる拍手や、「もうやりたくねぇー」と、部員の心の奥底に眠っていた声が漏れるほど、精神面、技術面、体力面心技体のどれをとっても極限まで追い込んだと言える合宿であり、大変充実した5日間を送ることが出来ました。


「合宿初日の闘志、熱意を最終日まで燃やし続けよう!そして、4回生は野球人生最後にかける想いを、自らの心に留めるのではなく、グラウンド上で最大限に表現する行動をやり切ろう!」この僕の言葉と同時に2016年夏合宿がスタートしました。


合宿初日、何か物足りない練習の入り。
副将、丸子から部員全員へ激が飛ぶ。

確かに、「その通りだ」と思うような雰囲気だった。「普通にやっていれば何とかなるだろう」このような感情は、絶対に必要ない。

とにかく本気で勝ちたい、日本一を獲るという気持ちをもっと練習にぶつける、グラウンド上で全面に表現する。「これだけやったら日本一を達成できる」というような明確なものは無い。

だからこそ、最後の最後まで目の前のやるべきことを部員全員で目の色を変えて取り組まなければ勝機はない。

全員の”勝ちたい”  ”勝たせたい”という感情が生み出すプレーや行動の結集が、チームを日本一に導くと俺は信じているし、この感情を新チーム発足時から部員全員に対してぶつけてきた。

その後の練習、部員一人一人の行動は確かに悪くない。


ただ、何か物足りないという感情はなかなか消えなかった。



合宿2日目、全国大会前最後の練習試合。
相手は、難敵立命館大学でした。


案の定、1試合目は敗戦。
フィールドから見たベンチの景色、雰囲気も、試合に出ているメンバーの気迫も、何かが違った。

歯車が噛み合わない。
主将である自分自身の結果も不甲斐ない。

「何かを変えなければならない」。

その想いを部員に伝え、抱えたまま2試合目が始まった。

そして迎えた、全国大会前のラストイニング。
この回、目の色が変わった。

「ラストイニングだぞ」 。

出場している選手からもベンチの雰囲気も感じるものが非常にあった。
良い時に俺たちの雰囲気だった。
この雰囲気、気迫がいかなる状況においても9イニング通して継続できなければ、日本一はない。

日本一を語るにふさわしくない。
この関学らしい組織力を発揮できないまま全国大会を戦うことは、絶対に全員が後悔する。

後悔しないために、全員で最高の喜びを味わうために、厳しい雰囲気の中で自分と向き合い、相手と向き合ってきた。

やってきたことをやらないまま終わるのは、悔やんでも悔やみきれない。

だからこそ、一体感を追い求めて全員でやってきた。

最後の攻撃が俺たちの野球。
最後の最後で再認識できて良かった。
試合後、ミーティングにおいて、僕自身、雰囲気を変えることができない、自分自身の結果もついて来ない。その申し訳なさと、なぜだろうという気持ちで感情をコントロール出来なくなっていた。

そして、この立命館大学との2試合目、歯車が合わず、内容も伴わない、苦しい2戦だったが、この敗戦、2試合が、意味あるものだったと言えるように、サポートしてくれている部員のためにもこれからもっとやっていかなければならない、と訴えかけた。


その後、1人の時間が2時間ほどあり、もう一度現状を振り返り、自分自身と向き合った。
その結果、あることに気がつく事ができた。 



新チーム発足時、「日本一」という目標を全員で掲げた。
この目標の実現のために、部員同士の馴れ合いはいらない、良いことも悪いこともはっきりと心で語り合える、指摘しあえる組織になることを目的に歩み始めた。

日本一を達成して部員全員の喜ぶ顔が見たい。
だからこそ、ダメなプレーに対しては厳しい口調で声を張り上げて怒る。

それは、部員が嫌いだからとか、相手を否定しようとしてかけている言葉でなく、日本一を達成するために、とにかく勝ちたい、チームを日本一に導きたいという熱意があるからこそ、部員に愛を持って言葉を飛ばす。

とにかく、本気で腹を割って心で仲間と言い合える組織こそが、日本一を目指すに相応しいチームだと思うから。

でも、いつからか、厳しさを求める余り、練習中や試合中に出る素晴らしいプレーを称賛する声が自然と減っていたことに、俺は気が付いていなかった。

各部員が1つのプレーに対し、否定的な目でしか見られないような雰囲気を俺自身が作ってしまっていたことで組織の雰囲気が暗くなってしまっていた。

このような雰囲気を続けていては、最高の状態で全国大会の初戦を迎えられない。
冷静に組織を見れていなかった自分に対して、ふざけるなという感情と部員に対しての申し訳ないという感情が入り乱れ、どうにかなりそうだった。

その日の夜、ミーティングで自分の不甲斐なさを全員に謝罪し、
「明日から雰囲気をガラリと変えよう!」、
馴れ合いではない、ダメなものはダメと言って本気で部員と向き合い、組織と向き合う。

この軸はブラさないけど、その中で生まれる素晴らしいプレーは、全員で称賛し、自分たちの流れに呼び込むような明るさを持って練習していこう!」と言葉をかけた。

この僕の苦しい精神状態を救ってくれたのは、やっぱり、

”4回生の明るさ”と”下級生の頑張り”だった。

”みんなのおかげ”だった。


次の日のアップの入りから、今までのどんよりした暗い雰囲気が晴れ、爽やかな明るさが戻ってきた!
練習が進むにつれ、部員全員のおかげで、僕が抱えていた物足りなさが消え、爽やかな感情が再び生まれてきた!
涙が出そうなくらい、嬉しくて、、いや、泣いた!笑


その日の練習は、フリーバッティングのみと、ひたすら自分自身と向き合う練習とした。
長時間、淡白な練習が続くが、ほとんどの者がどんどんフリーバッティングの内容が良くなっていく。
1球に対する集中力も最初より最後の方がひしひしと感じる。最高のフリーバッティングだった。

合宿4日目、部員みんなの疲労もピークに達していただろう。
ただこの日は、そんな事関係なかった。


その日、1日かけて一本打ち。
俺はこの1日を一生忘れない。

昨年6月から新チームが始動し、積み重ねてきた一本打ちの中で最高のものがグラウンドで表現された。
1球に対する全員の集中力、プレーに指摘し合う組織力、どの面を取っても俺自身が理想とする最高の練習であり、全員が練習にのめり込み、一つ一つのプレーにのめり込んでいた。
積極的な走塁、プレーで示してくれた3回生。
その刺激を受けて「よし、やってやろう」とプレーする4回生。
そして、最高の守備で緊張感を与えてくれた2回生、支えてくれる1回生。

全てが連動して、一体感が生まれたからこそ完成する事ができた練習だと心の底から思った。
この辺りから、充実感を強く感じるようになっていった。

 
合宿最終日。
大事な試合の前、このチームは、いつも部員全員がシートノックに入り、練習を締めくくってきた。
今日も最後は、初めて4学年揃ってのシートノックで締めくくった。

「自分ができないプレーをやるのではなく、今自分が持っているベストプレーを全力でやる。やるべき事を明るく爽やかにやり切ろう」

この言葉を全員にかけ、ノックが始まった。言葉通りのプレーがしっかり体現できたと思う。やって良かった。 
最高の夏合宿の締めくくりとなった。

ここからは各学年へのメッセージ。


1回生へ
俺がキャプテンになってから初めての新入生。素直に良く動いてくれているなと思います。あと3年半でもっと成長しなければならない。技術面も精神面も全ての面でレベルアップして、上級生にいい刺激を与えていけるように頑張れ!整備、練習準備、本当に感謝してる。特に合宿最終日の最後の最後まで何も言わなくても、黙々と片付けをしてくれている姿には感動したわ!ありがとう。


2回生へ
いい学年だね!そう思います。なんでも言い合える学年になれると思う。ただ、まだ遠慮してる姿を見る場面もよくあるし、それは今後の課題かな。
4日目の一本打ちの2回生の守備は本当にしびれた。入部した時より、どんどん上手くなっていっている者が多くて、びっくりしてます。それくらい、熱い想いを持って、それを練習でぶつけて、成長できる選手が2回生には多いのは素晴らしい事だと思う。川端、古家を中心にもっともっと、学年でも高め合って、3回生にいい刺激を与えていくべし!


3回生へ
この合宿を通して、本当に3回生に助けられた部分が多かった。ありがとう!新チームの練習の時間をとった中で、3回生幹部がやろうとしている事は素晴らしいことだと思う。これは前も言ったけど、それを下級生にしっかりと浸透させなければ組織としての強さには繋がらない!3回生幹部のやりたいことをまず、3回生全員が理解して、3回生全体でチームに理想の野球を浸透させていく、徹底させていくことが必要だと思う!
3回生がいなかったら今のチームはない。最後の最後まで力を貸してくれ!


4回生へ
この学年で良かった。この学年じゃなかったらここまでキャプテンやってこれてないです。新チームが始まって、色んなことをみんなで変えてきた。それは、俺のわがままがほとんどだけど、嫌な顔せずに必死に信じてついてきてくれる最上級がいたからこそ、今のチームが出来上がったと本当に思う。いろいろ我慢させてしまう場面もあって申し訳なく思ってます。”4回生の明るさ” ”絆”は最高やね。みんなで笑って終わろう!そのために、あと3日、最後までやり切ろう!4回生の熱い想いを最後までぶつけよう!!!


「熱意は才能に勝る」


これは、俺の信念です。

どんなに才能で勝る相手に対しても、熱意を持った取り組みを続ければ、それは自信となり、奇跡を起こせる。 
どんな劣勢になっても跳ね返せる。

全国大会、簡単な相手なんかいない険しいブロックに入ったけど、最後まで熱意をもってやって来たことを信じよう。
勝つ喜びも負ける悔しさも十分味わってきた俺たち。最後は全員が笑って終わる。

そして俺は、俺のわがままで組織を変えてきて、それについて来てくれたみんなへ責任を取るために、感謝の想いを「日本一」という結果にチームを導いて証明する。

プレーでもリーダーシップでも、全ての面で絶対、チームに貢献する。

笑って終わろう。”一体感” 究極の「関学準硬」の野球を仙台の地で出し切ろう!!



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