奥祖谷の古民家 | 歩き人ふみとあゆみの徒歩世界旅行 Fumi's trek around the world on foot

奥祖谷の古民家

【これまでの総歩行距離】約21,400km (海外12,000km、国内9,400km)

【あゆみと歩いた距離】5,960km
【前回の徒歩旅】
 日本列島縦断9,400km(2005年8月~2013年12月)
 台湾縦断700km(2014年5月~7月)
【現在地】日本 徳島県阿南市






もう2週間も前の話になってしまった


友人の台湾女性JULIAが徳島に来た時の話の続き。


彼女が日本に来ると最初に聞いた時、考えた

「いったいどうすれば日本を一番楽しんでもらえるだろう」


で、行きたい所や見たいものについて尋ねたると、ジュリアの希望はこうだった

「桜を見たい」

「京都に行きたい」

うーん、桜なら時期さえ合えば名所は日本中にあるからなあ

京都についてはメジャーな所しか知らないし、関西なら桜の名所は数多くあるな

もちろん徳島にもあるけど・・・




さらに詳しく尋ねてみると、ようやく糸口が見えた!

「日本の伝統的な物を見たい」

「街よりも田舎が見たい」


よし!


「田舎」ということならば、徳島はどこにもひけを取らないぞ

どこがいいかな、上勝にでも行くかな



そう思っているところに友人のイキ君から狙い澄ませたかのような電話が入った


「今、奥祖谷(おくいや)の古民家民宿の立ち上げを手伝ってるんです。

セッティングするんで台湾の友達と泊まりにきませんか?」



ちょっとあり得ないタイミングの良さだ。

日本の秘境とまで言われている奥祖谷で古民家ならこれ以上のおあつらえ向きの場所はない



という訳で同じ徳島県内なのに車で4時間もかかる祖谷に行くことになったのだった


カジヤ
これが古民家 カジヤ祖谷浪漫亭
「カジヤ」はこの家の屋号だそうだ






日本酒と出合う
着いた日の夜。
主のしのっちが日本酒で迎えてくれた。



ここには日本各地のお酒が並んでいる。
訪れる客が地元や思い入れのある酒を一本手土産に持ってくるのだ

私は自分が美味いと信じる酒を持って行った
私が一冬働かせてもらった京丹後の酒蔵「竹野酒造」の純米酒「亀の尾蔵舞(かめのおくらぶ)」だ

そしてジュリアはここですっかり日本酒にはまってしまった。
台湾でも日本酒を飲んだことはあったようだが、本当に美味い酒を飲む機会はなかったのだろう

愛媛のお酒「八重菊」の14年物の古酒を飲んだ時には、そのお酒について漢詩まで綴り始めた。
タイトルは

「八重菊酒道」

内容はまたそのうち






翌日、あまり天気は良くなかったけど、車ですぐの京柱峠に行ってみた



京柱峠
この峠は高知県との境

運が良ければ徳島県側と高知県側、峠のどちら側にも雲海が広がって見える、とのことだったが
行ってみるとこんな感じに霧で一面が真っ白だった。残念




峠にはぽつんと一軒の店があり、おじいちゃんが一人でやっている。

しし肉うどん
昼食に祖谷そばを食べた後だったけど、寒いし、名物のしし肉うどんを一杯だけ注文してみる





しし肉
これが猪肉の入ったうどん。温まるし、しし肉もなかなかいける




ご主人と
おじいちゃんとジュリア


こんな日には他に客は誰も来ないだろうなあ。
誰も来ない日もあるらしいけど、おじいちゃんは自分の健康のためにも店を続けてるのだそうだ


ちなみにジュリアが着ているポンチョは私が南米を旅してる頃ボリビアで買った物。
寒くなるかもしれないと念のため持ってきてたんだけどしっかり役に立った





桜
山の桜もきれいだし




夕方、カジヤに戻るとしのっちからジュリアに容赦ないミッションが下った


ミッション1
「家の周りに生えている山菜をボールに一杯集めてくること」

山菜採り

その時あったのはヨモギ、三つ葉、ゆきのした、山椒

石垣の段の上にあったのと、薄暗くなりかけていたのとでジュリアはちょっとビクビクしながらも

教えてもらった山菜を頑張ってボール一杯に集めていた






主人のしのっち

そうして採ってきたばかりの山菜をしのっちがすぐに天ぷらに揚げていく


山菜の天ぷらは私の大好物だ。

うまそー!



しかし、舌なめずりをしている私にもミッションが下った


風呂

カジヤ祖谷浪漫亭の風呂は別棟になっている






露天風呂
中には内風呂と、この写真のような開放的な露天風呂とがある





風呂焚き
露天風呂は五右衛門風呂で、私のミッションは風呂焚きであった

これは私の得意分野でもあるので、喜んでやらせてもらう

(火の粉のように写ってるのは奥の電飾であって私が粗相をした訳ではない)





そして奥祖谷の谷を見下ろしながら入浴。

う~ん、心地よい。

お湯はしのっちがわざわざ汲んできた硫黄の匂いのする温泉水である。


天気が良ければ星空がとても美しいらしい。また次の機会を楽しみにしよう



当然ながら私が入るより先にジュリアに入ってもらった。

もちろん彼女にとっては五右衛門風呂も初体験だ




そしてジュリアへのミッションその2

山菜のてんぷらを揚げる
「自分で採った山菜を自分で天ぷらにすること」

ちなみにどてらはカジヤのを借りている



しのっちのミッションはさらに続く
ミッションその3
おにぎりを握る
「焼きおにぎり用のおにぎりを握ること」


どれもこれも全て初めて体験することばかり






ここでの二晩はよほどジュリアの印象に残ったようで、その後日本に居る間

「カジヤ」

「しのっち」

の言葉が頻繁に会話に出てきていた。



おかげで徳島で、日本人でもなかなか経験できないだろう心に残る特別な日々を過ごさせてあげることが
できたと思う。

しのっち、イキくん。

どうもありがとう














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