蛇と壺の謎、そして粘爸さん | 歩き人ふみとあゆみの徒歩世界旅行 Fumi's trek around the world on foot

蛇と壺の謎、そして粘爸さん

【これまでの総歩行距離(海外+国内)】約20,800km
【あゆみと歩いた距離】5,407km
【台湾で歩いた距離】147km
【記事内の行程】台東縣 太麻里郷 太麻里→(14km)→台東市 知本(ツーベン)→(11km
)→台東

【台湾で入った温泉】2湯
【現在地】台東県 台東市 4日め(台湾25日目)




太麻里の町を出て北上し、今日も十数キロ歩いて知本温泉までの予定


妖怪人間シャツ

背中に汗が吹き出て妖怪人間ベムの顔みたいになってる

あゆみはわかってくれないけど



歩きの旅をしているとスピードがゆっくりなものだから、道端にある物が気になってよく足を止める


海沿いの道を歩いている時にこんな碑を見かけた


碑

手を繋いだ人達の絵はとても多いが今回気になったのはそれではない

男性の足元に壺があり、蛇が巻きついている方だ


そういえばこれまでもあちこちに壺と蛇が描かれたり、彫られていたりしてるのを見かけたな



石門

石門でも



門

牡丹村でも




集会所

東源村でも




達仁郷公所

達仁村でも




碑

大武でも




集会所2

金崙温泉でも(柱の横梁に)



気をつけてよく見てみると、何処にもかしこにも蛇と壺があふれていた



ベンチ

そしてベンチにも



道路

道路にも


玄関

民家にも




これまで歩いてきた土地は排湾(パイワン)族の住む町村がほとんどだ


どう考えてもパイワン族にとって「壺」と「蛇」は特別な物であり、言い伝えや神話があるに違いない



調べてみるとやっぱりあった


パイワン族の祖先は壺から生まれたとされ、百歩蛇(パイプーサー)という蛇(百歩歩かないうちに毒が回ってしまう毒蛇)

の神と結婚して、その子供達が族長の家系となったとのことだ


家の前に掲げてある百歩蛇の紋様や陶器の壺は元々貴族の家系を意味し、一般の家では使ってはいけなかったらしい。






さて、知本温泉が近づいて分かれ道の交差点に着いた
右へ行くと知本の町、そして台東、左に行けば知本温泉。

天気予報では雨の予報で、どんより曇ってきていて今にも降ってきそうな空の色だ


さあ、いったいどうするか、作戦会議を開こう。
リヤカーを脇に止め、折り畳み椅子を出して地図を見る。
温泉には行きたい所だけど雨が気になるし、腹が減ってきた。
どっちに向かうことにするかな。

そこに通りかかった一台のトラックが道端に停まり、運転席から浅黒い顔のおっちゃんが声をかけてきた

「夜泊まるのはどうするのか?」
とか言っている。
「テントを持っててどこかでキャンプする」
と答えるとさらに何か言ってる。

これまで覚えた中国語の知識を総動員して筆談もまじえて言ってることを理解しようと頑張ってみる

「ここから1キロ離れた所に家があって、明日は出発してもらわないといけないけど、今夜一晩なら無料で泊まっても構わない」
おっちゃんはそう言って名刺をさし出した

第二條路 背包客棧

なんだろう、さっぱり意味がわからない。
自転車に乗ってる人のイラストがある。いったい何屋さんなのだろう
それになぜ無料なんだろう。最近覚えたばかりの言葉を使ってみる
為什麼(ウェイシェンマ)?

すると彼は私達のリヤカーの前面に書かれた文字を指差して
「君達が徒歩で台湾を回っているからだ」
と言う

そして持っていたダンボール紙に簡単な地図を描いて言った。
「近くに来たら電話して」
トラックに乗って去ろうとする彼に名前を聞いた
「粘爸(ニィエンパー)」

うーん、いったいどういう人なんだろう?
あまり優しそうな顔つきじゃないんだけど、親切で言ってくれてるみたいだし。

昼食をとってから行ってみることにした

確か小学校の近くのはずだけど


そう言えばこの前からSIMカードを入れたあゆみのスマホの電話もネットもなぜか繋がらなくなってるんだった
電話がかけられないし、近くに公衆電話も見当たらないな

しかも雨がぱらつき出した。あの人に聞いてみよう。

するとたまたまその人はニィエンパーの友達で自分の携帯で電話してくれた
しばらくして現れたのは女性(奥さんかな?)で、ついて来て、と案内してくれたのはこんな場所だった。


看板

そうだ。名刺にあったのはこれだ


ボード

これは?


入口

これが入口だ

縁起が良さそう!



第二條路

ドアを開けると、どこか懐かしい感覚


リビング

これはまさしくゲストハウスだ。
しかもきれいに掃除されていて清潔感がある。
ここに無料で泊まれるの~?
素晴らしい‼︎


女性はいろいろ説明してくれた後、私達に鍵を渡し、翌朝は鍵を中の棚に置いて閉めればいいから、とジェスチャーで示し帰っていった



やがて激しい雨が降り始めた


雨

ああ、この雨の中、こんな快適な場所にいられて幸せだ




一しきりの雷雨が過ぎ去ってしばらくしてニィエンパーさんがバイクでやってきた



マスター

実は彼はこのゲストハウスのオーナーだったのだ。

そして私達に声をかけたのは、台湾を歩いて旅している全ての旅人を応援したいからのようだ。

ブログもあった→→→第二條路 背包客棧

人を見かけで判断しちゃいけないな



しばらく話をすると忙しいのかスクーターで去って行ったが、しばらくするとまた戻ってきた



差し入れ

そして私達の手にこれを渡すとすぐまた去って行った

優しーい!



ベッド
夜もきれいな部屋でぐっすりと眠ることができた




出発
朝を迎え、出発
こんな場所があり、こんな人がいてくれるから旅は続けられるのだ






この日は11kmで台東の街へ。

歩いたのは10日間で147km。一日平均15km歩いてない計算になるなあ


台湾地図
ここまで歩いたルートを地図に記入してみた




台東は台湾最南端から歩き始めて以来、初めての都市と言える街だ。


さてこの街である人と再会し、再びイベントといえることが始まるのだった





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