砂漠のサウナと電気風呂 | 歩き人ふみとあゆみの徒歩世界旅行 Fumi's trek around the world on foot

砂漠のサウナと電気風呂

箱根いつもの散歩道コーナー
歩き人ふみとあゆみの徒歩世界旅行 日本・台湾編-注意書き
通学路の注意書き。いのしし注意の立て札がやけに多いな。

オーストラリア徒歩縦断時の旅日記(クーバーペディ→ポートオーガスタ)
********************************************
砂漠のサウナと電気風呂
日の出前だというのに気温が高い。こんな日は早朝から蠅が飛び回っていて、起きた瞬間に蠅のブンブン
飛び回る羽音を聞くと絶望的な気分にまでなる。今日も一日蠅よけネットは手放せない。麦わら帽子の上に
蠅除けネットを被ると暑苦しいし前が見えにくいが蠅は顔にはとまれない。もしこれがなかったら蠅共は
鼻から耳から脳みその中まで入り込み寄ってたかって私を廃人にしいてしまうに違いない。
今日は特に気温が高い。蠅の動きは気温に比例しているようで、気温が高くて暑い上に蠅共がさらに活発に
なるのだからやりきれない。
珍しく林が続いているのは嬉しい。木があるということは影があるということだから。
昼過ぎまで歩いて大きな木の下にテントを張る。
しかし影だというのに蒸し暑いぞ。
今日はどうもいらついている。理由は言うまでもなく蠅のせいだ。いつもに増してやたら数が多い。
二の腕に止まっている蠅を手のひらでバシッと叩けば一度で10匹以上は殺せるだろう。しかしやらない。
100匹や200匹、いや1,000匹殺したところで体にまとわりつく蠅の数は減らない。手が汚れて
手を洗う水がもったいないだけだ。
とりあえず昼食にしよう。ポートオーガスタに着く頃に食料が全部なくなるように調整しているから食材の
種類も少ない。昼食には暑いのに熱いインスタントラーメンを作るしかない。これだけ蠅が多いと鍋に蠅が
飛び込まないように作るのが大変だ。
私の目をかいくぐってわざわざ自分から熱い鍋に飛び込む迷惑千万な蠅を取り除いて、さあ出来上がった。
さて食べようとしてふと手が止まった。
どうやって食べる?
蠅よけネットを被ったままじゃ食べられない。かといって普通に食べようとすれば鍋のふたを開けた瞬間に
蠅が群がりラーメンの上に黒ゴマでもまぶしたみたいになって蠅だけよけて食べるのは不可能に近い。
回りを見回すと自分のテントが目にとまった。もちろんテントの中は蒸し風呂状態である。
う~~ん。でもゴマの蠅入りラーメンよりましか。
服を脱いでパンツ一丁になってラーメンの鍋をかかえテントに入る。もちろん蠅も一緒に入り込むが数はしれてる。
あちーっ!体中から汗が吹き出し、汗をぼたぼた滴らせながらラーメンをすする。
顔からも汗が出始めて鍋に入り
「もう限界だ!」
と外に出る。外はまだ風があって中に比べりゃずっと涼しい。風にあたって体の汗をひかせてから再度
突入だ。これでオレンジ色のバスタオルでも巻いてりゃまさにサウナだな。出た後に入れる水風呂は
どこにもないけれど...

腹もふくれたので昼寝をしようと木陰にマットを敷いて顔の上に帽子を載せ短パンTシャツ姿で横になる。
間髪をいれず蠅が群がってきてむき出しの手足の上を歩き回る、歩き回る。何せ数が多いからくすぐったい
のを通り越してチクチクして何だか痛い。
この不快なむず痒さは何かに似ているぞ。何だろう。
ああ、電気風呂だ。電気風呂。まさにそうだ、この手足のピリピリ感。
電気風呂...嫌いなんだよな。
********************************************