今度の禍で、われわれは人間というものについてよく学んでいるようだ。いわゆる「新しい生活様式」についても、人々は、いつまで続ける必要があるか観察しつつ生活する、というスタンスになっている。人間には本来的な生活のあり方というものがあり、この本性的基準は恣意で動かせないのだ。われわれは何のために生きているのか。ただ生命を長らえるためではない。人間らしく生きるために生きている。これは実存的問題そのものだ。多くを語る必要はない。