きみはね、ぼくをかなり前に動かしてくれた。ぼくを、よりいっそうぼくに近づけてくれた。 神に近づくのとおなじに。 きみの存在あってのぼくだもの。 

 

 

ピアノは、もっとも単純な和音や、音から音への移りゆきに、恍惚となり満足するのでないならば、弾かないほうがよい。 

 星空の曲は、そういう恍惚と満足に浸らせてくれる。想像を超えた難曲だけれども、演奏の完成は、ぼくにはどうでもよいくらいに、部分に煌めきがある。